徹底解説!認知行動療法! ② ~認知行動療法ってどんなもの?~
就労移行支援事業所 リスタート では、毎週火曜日にワークショップを認知行動療法講座をやっています。
講座内でも「認知行動療法とは何か」ということについて説明していますが、普段使わない言葉や考え方が多く含まれており、すぐに理解するのは難しいものです。
ここでは、講座の復習も兼ねて、「認知行動療法」というものについて、より詳しく解説していきます!
認知行動療法とは?
前回、認知は行動にも影響すると話しました。
今回は、「認知行動療法」というものがどんなものなのか、詳しく説明していきたいと思います。
その前に、何かしらの事態の変化が起きた時の4つの反応についてお話します。
4つの反応
人の反応には、「認知」「感情」「身体反応」「行動」という4つの種類があります。
前回と同じく、「仕事を期限までに終わらせられず、上司に怒られてしまった」というパターンについて考えてみましょう。
これを、「確かに期限に遅れてしまったが、何も人前で怒らなくてもいいじゃないか」ととらえたとします。
すると、ふつふつと「怒り」が沸いてきます。
怒りが沸いてくると、「顔が赤くなり」、「表情が険しく」なりました。
そして、周囲の人たちに、「ついぶっきらぼうな対応をして」しまいました。
これらが上から「認知」「感情」「身体反応」「行動」です。
認知は、前回も説明した通り「ものごとの捉え方」
感情は、喜怒哀楽などの「気持ち」
身体反応は、汗や鼓動など、意識せずに動いている「体の反応」
行動は、「自分の意思で動く」ことです。
これら4つの反応は、互いに関連しあっています。
例えば、同じ状況で、認知が「次は間に合うようにしなければ。仕事の進め方の見直しが必要だな」であったとしましょう。
そうなれば、怒りの感情は沸かず、もっと落ち着いた気持ちであるはずです。
顔が赤くなったり、表情が険しくなったりすることもありません。
問題解決のための行動を起こすので、周囲との関係も悪くならないでしょう。
さて、この4つの反応ですが、自分の意思で変えることができるのは、「認知」と「行動」の2つだけです。
「感情」や「身体反応」を直接変化させることはできませんが、「認知」や「行動」を変えることで、間接的に変えていくことはできるのです。
認知療法と行動療法
認知行動療法が生まれる前、「認知療法」と「行動療法」というそれぞれ別の心理学者によってつくられた療法がありました。
実際にはそれぞれの療法にも様々なアプローチがあるのですが、大まかにまとめてしまえば、以下のようになります。
認知療法:認知を変えることで感情や行動を改善するアプローチ
行動療法:行動を変えることで認知や感情を改善するアプローチ
見ての通り、これら2つの療法は裏表の関係でした、
どちらの療法もしっかり効果を発揮していましたが、そこにはまだ足りない部分がありました。
認知療法で作った新しい考え方は、実体験を伴わなければ定着していきません。
行動療法で起こす行動には、心理的な抵抗が強いことが多く、最初の一歩を踏み出す難しさがあります。
これらの問題を解決するためには、認知療法と行動療法を組み合わせて実施することが有効でした。
そうして生まれたのが、認知行動療法なのです。
認知行動療法のやり方
認知行動療法と一口に行っても、実際のやり方には多くの方法があります。
しかし、それらに共通しているのは、「自分を苦しめている認知を見直し」て、「実際の行動の中で新しい考えを試す」ということです。
リスタートの認知行動療法講座では、主に「コラム法」と呼ばれるアプローチに取り組んでいます。
それでは、次回の記事ではもう少し詳細に、認知行動療法で行うアプローチについて説明したいと思います。