紹介!コミュニケーションのテクニック ③ ~怒りはリクエストで伝える~

就労移行支援事業所 リスタート では、毎週月曜日にワークショップを、火曜日にはコミュニケーションプログラムをやっています。

これらは、社会で生きていく上で避けて通れない「対人関係」を円滑にするため、「コミュニケーションに慣れる」ことを目的としたプログラムです。

ここでは、良好な人間関係を築いていくために気を付けたいコミュニケーションのテクニックを紹介していきます。

怒りの感情は「リクエスト」にする

怒りの感情は、どんなときに生まれるのでしょうか。

怒りとは、「自分の持っているルールを破られた」時に生じる感情です。

「こういうときはこうするものだ」と考えているのに、誰かがそれと違う行動を起こしたとき、怒りの感情が湧いてきます。

裏を返せば、怒りの感情の裏には必ず「こうして欲しい」というリクエストがあるのです。

次のような場面を想像してください。

現在、あなたはグループで協力して課題に取り組んでいます。

しかし、グループの中に1人、まわりに協力的でない人がおり、作業が滞っています。

このとき、あなたであればなんと声をかけるでしょうか。

「なんで手伝わないの?いい加減にしてよ!」

なんて声をかけたら、この人は手伝ってくれるでしょうか?

恐らく、カチンと来た相手は言い返したり、あるいはあえて手を止めたりして、ますます雰囲気が悪くなってしまうのではないかと思います。

重要なのは、怒りを生の感情そのままではなく、「リクエスト」に変換して伝えることです。

「みんなで一緒に取り組んでいるから、あなたにも手伝って欲しいんだ。もし、何か気になることがあるなら教えてくれるかな?」

こんな風に、相手を責めずにお願いの形にすることで、相手も受け入れやすくなるはずです。

「してはだめ」より「するとよい」

こんな言葉を使われた、あるいは使ったことはありませんか?

「ここまでの仕事は、1ヶ月以内に覚えないとだめだよ」

相手に何かをさせたいとき、こんな風に「〇〇しないとだめだ」という表現が使われることがあります。

しかし、この「だめ」というワードには、相手を委縮させたり、否定されたような気持ちにさせたりしてしまう効果があるのです。

あまり気の強くない人であれば、「失敗したらどうしよう」という不安感から、返ってうまくいかなくなってしまうかもしれません。

反対に、「そんなことを言われても、無理に決まってるじゃないか」なんていう風に反発してしまう人がいる可能性もあります。

こんなときは、「〇〇するとよい」という言い方に変えてみましょう。

「1ヶ月以内にここまで覚えておくと、次のステップの仕事がやりやすくなるよ」

こんな風に伝えると、伝えたい内容は同じでも、「しないとだめ」と言われるよりも受け入れやすくなりますし、モチベーションも上がります。

また、無事それができたときには、「ありがとう」「助かった」「よくできた」などの言葉を忘れないようにしましょう。

 

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