徹底解説!認知行動療法! ⑧ ~行動の結果を予測する~
就労移行支援事業所 リスタート では、毎週火曜日にワークショップを認知行動療法講座をやっています。
講座内でも「認知行動療法とは何か」ということについて説明していますが、普段使わない言葉や考え方が多く含まれており、すぐに理解するのは難しいものです。
ここでは、講座の復習も兼ねて、「認知行動療法」というものについて、より詳しく解説していきます!
行動の結果を予測する
前回、アクションプランの第一段階として、ブレインストーミングを使って試す行動を選択することについて紹介しました。
アクションプランの第二段階は、行動の結果起きることを予測しておくことです。
ここで予測するのは、成功したときのパターンと失敗したときのパターンの双方です。
期待通りの結果になったのであれば、試したかった適応的思考が正しいということが証明され、それで実験も成功です。
しかし実際には、期待した通りの結果にはならない可能性ももちろんあるでしょう。
もし、事前に備えなくそのような結果になったらパニックになってしまったり、ますます自信を無くしてしまうかもしれません。
そこで、起こりうる期待通りでない結果を予測し、その対処法も合わせて用意しておきましょう。
対処法もいつもと違う行動で
適応的思考が正しいかどうか実験するためにブレインストーミングでいつもと違う行動パターンを選びました。
それであれば、もしもその結果が思ったようにいかなくとも、そこでいつもの行動パターンに戻ってしまうのは好ましくありません。
実験がうまくいかなかったときの対処法も、適応的思考に沿ったいつもと違う行動パターンで考えてみましょう。
例えば、頼みごとを断れずに困っている人が、今回アクションプランで思い切って断ることに挑戦するとします。
もしも断ったにも関わらず食い下がられてしまったら、過剰に謝罪して、いつも通り引き受けてしまいそうですよね。
そこをぐっとこらえて、「頼みごとを断るのは悪いことではない」といった適応的思考を前提に、しっかり断るための対処法を探してみましょう。
行動結果の予測 サンプル
・適応的思考
頼みごとを断るのは悪いことではない。理由を言って断れば相手もわかってくれるはずだ」
・アクションプラン
今日の業務中、残業を頼まれても「今日は用事があるので申し訳ありません」と言って断る
結果の予測
1.嫌そうな顔をされる
2.「そんなこと言っても急ぎだから」と引き下がらない
3.「じゃあいいよ」と冷たく言われ、翌日から声をかけられなくなる
対処法
1.「明日の朝、急ぎでやりますので、すみませんが今日は失礼します」ときっぱり言う
2.過剰に謝らないように注意して、「申し訳ありません、今日はできないんです・・・」と伝える
3.「話しかけられなくなったとして、それで人生が終わるわけではない。むしろ、困っていた頼まれごとをされなくなったんだからいいじゃないか」と考える。
アクションプラン作成のポイント
前回と今回の2回で、アクションプランの作り方については終わりです。
次回は、実際に行動を起こすにあたっての注意点などについてお伝えしたいと思います。
アクションプラン作成に当たっては、以下のポイントにも注意してください!
・アクションプランを記入するときは、5W1Hを明確にすることで具体的な内容にする
・今の自分に実践できるプランを立てる
・結果の予測とその対処法は、思いつく限り書き出す
・起こりうる最悪の事態も予測に入れておく
・実践する前に、頭の中で行動している場面をイメージしておく(イメージトレーニング)