紹介!コミュニケーションのテクニック ⑨ ~事実と主観を切り分ける~
就労移行支援事業所 リスタート では、毎週月曜日にワークショップを、火曜日にはコミュニケーションプログラムをやっています。
これらは、社会で生きていく上で避けて通れない「対人関係」を円滑にするため、「コミュニケーションに慣れる」ことを目的としたプログラムです。
ここでは、良好な人間関係を築いていくために気を付けたいコミュニケーションのテクニックを紹介していきます。
事実と主観を切り分ける
人から報告や相談を受けるとき、とりわけ感情的になっている人の話を聴くときに大事なのが、「事実と主観を切り分ける」ということです。
以前、コミュニケーションノテクニックの記事で、主観の部分には「これは私の主観ですが・・・」等とつけることで、相手に情報が正しく伝わると書きました。
事実と主観を切り分けず、混ぜて話している人は多くいるものです。
特に感情的になっていると、自分が「感じた」ことも事実であるかのように捉えてしまいやすくなります。
相手に対して何か意見をいう際には、しっかりと事実に基づいて伝えることが重要です。
以下のような相談を受けたと仮定しましょう。
「あの上司、私にばっかり雑用を頼むんです。しかも、私がミスしたときは厳しく注意するにもかかわらず、後輩のミスは流してしまうし・・・。私のことが嫌いに違いないですよね」
さて、この話、どこまでが事実でどこからが主観でしょうか。
「雑用を頼まれた」ことや、「ミスを注意された」ことは事実である可能性が高いでしょうが、「私にばっかり」「私のことが嫌いだから」といったワードには主観が含まれていそうですね。
もちろん、常にこの人と一緒にいるのでない以上、実際に何が起きたのか、ということは推測の域を出ません。
しかし、「いつも」「絶対に」「かならず」といったワードや、「私ばかりがこうなっている」「みんながこう言っている」といった言葉は主観である場合が多いので注意が必要です。
また、「お客様が急に怒り出して文句を言ってきた。理不尽なことばかり言ってくる人だ」なんて報告を受けた時にも要注意です。
なぜなら、お客様に何かしら不満があるのは事実でしょうが、それが「理不尽なこと」である、というのは主観なのです。
「理不尽に怒っている客だ」という先入観で接するのではなく、どういったことに不満があるのかを聞きださなくては、良い解決方法は出てこないでしょう。
相手の話している内容が事実か主観かわからないときは、
「実際に相手がそう言ったの?」
「いつもって毎回?そうじゃないこともあるの?」
といったように相手に確認しましょう。
ただし、相手が責められていると感じないように、口調や表情には注意が必要です。
アイコンタクトは大事な意思表示
話しづらいと感じる聴き手の態度としてよく出てくるのが、「目を合わせない」「何か作業をしながらである」ということです。
人と話すときは目を見て話しましょう、とはよく言いますが、実際に実践するのは案外難しいものです。
特に忙しくて作業を進めたいようなときには、ついつい手元などを見たまま話してしまうこともありますよね。
しかし、話を聴くときに相手の印象に残るのは、どのように返したか、という言葉よりも態度のほうです。
話している相手の目を見て聴くだけで、相手からの信頼感はグッと上がります。
また、作業中に声をかけられた時には一度手を止めて「なんでしょうか」等と話を聴く気持ちがあることを表すこと。
目は資料などに向いていたとしても、身体は相手の方に向けること。
こういったことを実践するだけで、相手の印象は全く違うものになるはずです。