不安から自分を解放してあげる処方箋 ~その54 「全力で好きなことをしたい」が叶わない理由~
目次
全力で好きなことを、が叶わない理由
心理学の本・記事に従っても、うまくいかない
自分の生き方、仕事の仕方、考え方に、色々な影響を与えてくれるものが世の中にはたくさんあります。
心理学、哲学、自己啓発などがあたりますね。
それらの本・ネットの記事に書いてあるのは「好きなことをするべき」「成功した自分をイメージする」ということ。
これらは大事なことなのですが、実はそれだけではうまくいきません。
叶わないのは、自分だけのせいじゃない
私たちは、常に全力で走り続けることはできません。
そして、ほとんどの人が、自分の能力の最大値を知りません。
たとえば、自分が心から好きだと思えることに、好きなだけ力を注げる環境があったとしたらどうでしょう。
誰からも「そんなことしても意味がない」とか「ほかのことをすべきでは?」と言われないような環境です。
自分が好きなことだから、与えられた環境下で制限がありながらも、全力で取り組むことができるのではないでしょうか。
意欲も高いし、能力・効率も高まるのではないか、と想像に難くはありません。
しかし、現実はほとんどの場合そうではありません。
他人から「そんなこと」とか「こんなレベルじゃ」と言われる心配をしたり、自分で「仕事に差し支えたら」などと制限を加えてしまうことがほとんどなのです。
これらが、自分の本当のパワーを発揮できない、パワーの最大値を知ることができない理由です。
親や周囲に「もっと頑張らないとダメだ」とか「そんな趣味なんて」などと言われた経験、それが枷になっている場合がほとんどです。
他人は制止してくる!?
こうして、私たちは「誰かに止められるのではないか」「周りから見たらどうしようもないことなんじゃないか」と自分の能力の最大発揮に戸惑います。
たとえば、仕事を辞めたい・好きなことをしたい、と思ったとき。
周囲は、「せっかく頑張って安定した地位を掴んだのに、どうしてわざわざそれを手放して、危険な道へ進もうとするの?」とあなたを辞めさせないよう説得するでしょう。
付き合っている人に打ち明けたとき、「正社員じゃなくなるなんて、結婚を考えて付き合えない」と言われることもあるかもしれません。
結婚相手に打ち明けたとき、「不安定な人、自分勝手な人とは一緒にはいられない。将来が不安でしかない」と別れを切り出されるかもしれません。
周りは、好きなことをしようとする人に、それほど寛大ではないのかもしれません。
周りにも「私だって頑張ってるんだから、あなたも苦労すべき」という思考の人がいるのですから。
「他人を不安にさせてしまう」という不安
さらに、そんな不安が自分に追い打ちをかけます。
- 周囲を不安にしてしまう。
配偶者や恋人に、別れを切り出されてしまっては、生きていけない。
親から見放されたら終わり。
そんな辛い思いをするなら、わざわざ危険な道を選んでまで、自分の好きなことを実現しようとはしないほうがいい。
「好きなことをしようとすると周囲に止められて、辛い思いをする」という経験則が、
「周囲を不安にさせてしまうのではないか」という不安へ、
そして、「それならば、好きなことへ力を注ぐのはやめよう」と自分を押さえつける。
そんなループに入っていくのです。
他人の意見は他人のもの、と割り切ることも必要
これらは、他人の顔色をうかがったり、「世間一般」「常識」に縛られている、そのレールから外れたら取り返しがつかない、と思い込んでいる人に多いもの。
しかし、人生とはたくさんの選択肢の積み重ねで、成功することもあれば失敗することもあります。
ここで好きなことを選んで失敗しても、自分次第で何度でも挑戦できるのは事実です。
それでも、「ほかの人ならどうするだろう」「自分はおかしいのでは」と考えることで、実際の行動を自分で抑制しようとします。
これが、自分の能力の最大値に気が付けない、発揮できない背景です。
「他の人はどうするだろう」「一般的にはこうすべきだ」と自分を制限し、考えることで行動する・しないを決めることから、いったん離れてみましょう。
それらが選択の背景にある限り、「成功した自分のイメージ」「楽しいことだけする」というのも、かなわないものなのです。