就活SST「開かれた質問/自己開示」

就活SST

現在、高田馬場の就労移行支援事業所 リスタートでは、リモートによるプログラムを行っています。

今日は、就活SSTのプログラムを行いました。

在宅の期間中も主に課題をこなすという形でSSTは続けていましたが、講座でのSSTは間が空いていたため、以前の復習を進めています。

開かれた質問と閉じた質問

今回の講座では、まず開かれた質問と閉じた質問についての復習をしました。

閉じた質問とは、「はい/いいえ」で回答ができる質問を指します。

それに対して、「はい/いいえ」では答えられない質問が「閉じた質問」です。

日本語のままだと少しわかりづらい概念ですが、英語に置き換えるとわかりやすいかもしれません。

閉じた質問とは、be動詞や”Do”などを用いた疑問文に当たります。

「Are You Ready?」とか、「Do you like soccer?」といった疑問文に対しては、「Yes」か「No」かで答えられますよね。

それに対して、「5W1H」の疑問詞を使った質問が開かれた質問です。

「When(いつ)」「Where(どこ)」「Who(だれ)」「What(なに)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」で聞かれた質問に対しては、「Yes」か「No」かで答えることができません。

開かれた質問と閉じた質問には、それぞれの強みと弱みがあります。

開かれた質問は、相手から様々な情報を引き出すことができます。

「はい/いいえ」で答えられない分新しい情報を回答に盛り込む必要があるため、それを元に話を広げていくことができます。

一方で、相手が言いたくない、答えたくない部分にまで踏み込んでしまう可能性があるため、相手が答えづらい場面があるのがデメリットと言えるでしょう。

自己開示

自己開示とは、その名の通り自分の情報を相手に伝えるスキルのことです。

自己開示について説明するうえで重要なのが、「自己開示の返報性」です。

これは、自己開示をされると、された側が同程度の自己開示をしようとする心理のことを指します。

わかりやすい例として、初めてあった人との会話で、「私、〇〇の出身なんですよ」と言われたときのことを想像してみてください。

恐らく、こう言われたら自分も「私は〇〇です」と出身地を明かすのではないでしょうか。

同じく、朝食の話をされたら朝食の話を、趣味の話をされたら趣味の話をというように、相手にされたのと同じテーマの話を返すのではないかと思います。

また、自分の情報と一口に言っても、自己開示の程度の大きさには違いがあります。

例えば、「好きなもの」や「純粋な事実」についての情報は自己開示が小さいため、初対面の相手にも伝えやすいでしょう。

これが、「過去の話」や「意見」などになると自己開示の程度が大きくなってくるため、ある程度関係が築けている相手でないと言い辛いかもしれません。

そして、「悩み」や「個人的な話」となってくると、この人になら話しても良いと感じる一部の人でないと伝えることはできないでしょう。

さて、この自己開示の程度の大きさですが、実は人間関係を構築していく上で非常に大きな意味合いを持ちます。

人は、自分に興味を持ってくれている人に好印象を持ち、またお互いの情報を深く知るほど、関係が深まったと感じます。

一方で、お互いの自己開示の大きさに差異があると、良好な人間関係を築くのが難しくなるのです。

自分が相手に対して大きく自己開示をし過ぎると、「まだそこまでの情報を開示する段階ではない」と感じている相手は引いてしまいます。

自己開示の返報性によって「自分もこれだけの開示を求められているのか」と感じてしまうがために、距離を取られてしまう場合もあります。

逆に、相手が自己開示をしてくれているにもかかわらずほとんど開示せず、表面的な情報以外を相手に渡さないようにしていると、相手は壁を感じてしまいます。

それ以上関係を深めていくことができなくなり、自然と離れていってしまうこともあります。

重要なのは、相手と開示する情報の程度を合わせることです。

もちろん、どんどん情報を開示していく人もいればあまり出さないようにする人もいて、それ自体は悪いことではありません。

しかし、関係性を深めていきたいのであれば、ある程度相手に合わせつつ、自分の情報を開示していくことが重要となるのです。

 

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