ワンランク上の感情ケア ~その9 「泣く」ということ~
「涙」の意味と効果
- 思うようにいかない、嫌なこと。
- 喪失感が大きくて、何も手につかない。
- 自分への絶望。
- 卒業、就職、昇進、結婚、嬉しいはずなのに手につかない。
こういった「悲しみ」の感情がある時、人は涙を流します。
何かを失った、という心の傷があるということですね。
一方、仕事の成功、部活での優勝でも、涙する人がいます。
こちらも実は喪失感で、達成感・充実感などももちろんありますが、頑張ってきた時間や仲間との絆などを失ったということなのです。
嬉し泣きにも効果がある。「泣く」ということについて
高いリラックス効果
感情による涙は、副交感神経を優位にしてくれます。
この副交感神経が優位になるということは、体がリラックスをしているということ。
涙を流した後、ショックだった出来事をより冷静に見れるようになった・・・
ひとしきり泣いたら、気が楽になった・・・
という経験はありませんか?
体が流す涙で、心や考え方も自然と落ち着き、気持ちが楽になるのです。
心の痛みを共有できる!
副交感神経がはたらき、体も心もリラックス。
さらに、自分の悲しさを他人に伝えることができると、その痛みが和らぎます。
一人で抱え込んでいる辛さも、その状況を打ち明けることができればぐっと楽になります。
涙にもその効果があり、「悲しい」「辛い」ということを他人に伝え、苦痛を和らげることができるのです。
これが、泣いた後に気が楽になるもう一つの理由です。
助けてあげたくなる!
誰かが困っている、誰かが泣いている。
そんなとき手を差し伸べたくなるのが人間です。
そんな周囲からの助けを引き出す効果もあるのです。
泣きたいと思っても言えない!
とはいえ、人前で泣くのは「子供っぽいのでは」とか「情けないのでは」と考えてしまいますね。
昔からそう教えられてきた、というのもあるかもしれません。
そういう人が多いために、環境、職場によっては、人前で泣くことがマイナス評価につながることも事実。
しかし、一人で抱え込みすぎるのもよくありません。
泣きたいときは、わかってくれる誰か・・・家族や恋人の前で泣いてみる、という方法もあります。
また感動する映画や本を読んでみるのもよいでしょう。
それでも、泣くことへのためらいがなかなか消えない人もいます。
そういう人でも、「辛い」「泣きたい」という気持ちを言葉にして伝えることで、泣くことと同様の経験ができます。
自分の辛さを誰かに伝え、困っているときに支えてくれる人を見つけるのは、必ずしも涙が必要というわけではありません。
抱え込まず、打ち明けてみるのもよいでしょう。