ワンランク上の感情ケア ~その18 「行動」できない~
目次
落ち込んだときの「行動」を知る
- ネガティブ。落ち込みやすい。
- ひとつ失敗すると、成功体験があっても見えなくなる。
- ネガティブのループに入って、抜け出せない。
- 一度失敗すると、あれもこれもと不安になる。
落ち込んでいる時は、ついつい過去のこと全てを悲観的に見て、
未来のこともどんどん暗く見えてしまいます。
落ち込んでいるなぁ、と思ったら、
過去のことを考えたり、自分を責めたり、そういった思考にとらわれすぎていないかチェックしてみるとことから始めましょう。
落ち込んでいるときは気を紛らわす行動ができない
客観視して、少しずつ立ち直る
自分が落ち込んでいるということに気が付けたら、まずは第一歩でしょう。
落ち込み思考というのは、「今」ではなく、「過去」「未来」という手の届かない変えられないものを延々と考え続けてしまうもの。
「今」に目を向けるために、落ち込み自体を客観視してあげましょう。
落ち込み度合いをお金や重さで数値化したり、書き出してみたり。
こうして「過去」「未来」を考え続けることから距離をとりましょう。
そして「現実」に目を向けることで、「過去」を責め続けること、「未来」を悲観することから抜け出し、同じ落ち込みを繰り返さないようにコントロールできるようになります。
落ち込んでいるのは思い込みが原因かもしれません。
否定された気がした、嫌われたように見えた、という思い込みではなく、客観的事実に目を向けてみます。
また、落ち込んでいる相手にアドバイスする自分を想像してみたり、今まで起きたいいことを一つ探してみたり、といったことで、
マイナスだけではないということに気が付くこともできるでしょう。
一度ネガティブな出来事があると「落ち込み」はずっと追いかけてきます。
落ち込んでいると気が付いたら、「今」に目を向け、少しずつ立ち直っていけるようステップを重ねていきましょう。
「考える」と落ち込んでしまう
実は、「考える」ことこそ、落ち込みの原因。
「嫌われたかも。だってあのとき・・・」
落ち込む理由を自分で探してしまうのです。
考えるのをやめるために必要なのは、「行動」です。
落ち込んでいるときは「行動」がしにくい状態。
そんなときに「行動」したって、気持ちはかわらない・・・と思うのではないでしょうか。
しかし、そのように「気持ち」は変えるのは難しいものですが、「行動」はいくらでも変えることができます。
落ち込んでいるときにどういう行動をとるか、いくつかリストアップしておくのがよいでしょう。
行動で気持ちは変わるのか
たしかに、落ち込んでいるときは元気が出ません。
外出をして気分転換、とはなかなかいかないでしょう。
一方で、落ち込んではいたけれども、友達と話したら元気が出た、ということもあるはずです。
行動で気分は変えることができます。
歯磨きをしてみる、食器を洗う、部屋の掃除をする、行きたい店を探す、好きなものを食べる、といった行動ももちろん、
逆立ちをする、ランニングをする、カラオケをする、といったエネルギーの発散でも問題ありません。
落ち込んだ時にできる行動を、いくつ知っているかが、落ち込みから抜け出すときにかなり役に立つのです。
楽しくなるような行動で気分を楽しくしよう、というのは大切な考え方なのですが、
落ち込みから完全に抜け出して楽しいことしか考えられなくなるまで完璧に行動をする、というのはハードルが高すぎます。
まずは手軽にできて、落ち込みから抜け出せるというだけ、考えるのをいったんやめられる程度の効果のものでよいのです。
幅を持たせておく
落ち込んだときに気分を変えられる行動、考えることから抜け出すためにできる行動を、事前にいくつリストアップできるかがポイント。
さらに、「普段の私は絶対しない」という突飛な行動でも、かなり気分の転換になります。
派手な色の服を着てみる、旅行の計画を立ててみる。
ジムや英会話など習い事の体験に行ってみる。または調べる。
好きな食器を延々と磨く。
好きな音楽を聴いて歌詞を書き出す。
普段は食べないものを食べる。
練習として奇抜な色のメイクをしてみる。
一人で遊園地へ行く。
こんな風に、世の中にあるありとあらゆる行動を見つめ、事前にリストアップしておくのがよいでのです。
手軽ですぐ実行できる、歯磨きや部屋掃除。
手軽だけど突飛な、紅茶を丁寧に入れる、食器磨き。
手軽ではないけど、カラオケ、ジム。
様々なカテゴリーの行動を、幅を持たせて事前に考えておきましょう。
落ち込んだ時こそ、目の前にあるできることから
とはいえ、やはり突然行動するというのは難しいもの。
手軽にできる、歯磨き、メイク練習、行きたい店を探す、などのハードルの低い行動をとりあえずやってみましょう。
行動をしているうちは、過去や未来へ意識が飛んで落ち込みが深くなってしまう、ということはありません。
体が動いてきたな、と思ったら、いよいよ突飛な行動です。
奇抜な服、奇抜なメイク、食器磨き。
普段絶対にしないことほど、落ち込みからぐっと距離をとることができるのです。