双極性障害(躁うつ病)ってどんな病気?-②

気分的に最近ヘンだなと感じたら、チェックリストを使って自分でチェックしてみましょう。
「双極性障害」はだれでもかかる可能性があります。
早めに専門医の診察を受け、治療を開始することをお勧めします。

「躁」の自己チェック

質問① 次の気分のうち、いくつ当てはまりますか?
( )異常に高揚した開放的な気分が1週間以上続いている
( )イライラしたり、怒りっぽくなっている

質問①が1つ以上当てはまった人は、質問②へ。
当てはまらなかった人は、病的な躁ではありません。

質問② 次の気分のうち、いくつ当てはまりますか?
( )肥大した自尊心、または誇大感がある
( )寝なくても元気に活動を続けられる
( )普段より饒舌になる。しゃべり続けなくてはいけないと感じる。
( )考えが飛躍したり、思考が頭の中をかけめぐっていると感じる。
( )注意力が散漫になっている。
( )仕事、学業、性的な面で目標に向けた活動が増えた。または焦って活動している。
( )あとで苦痛になると分かっていても快楽的な活動を過剰にしてしまう。

質問①が2つ、質問②が1~2つの人は、病的な躁ではありません。
質問①が1つ、質問②が1~3つの人は、病的な躁ではありません。
質問①が1つ、質問②が4つ以上の人は、病的な躁です。
質問①が2つ、質問②が3つ以上の人は、病的な躁です。

「うつ」の自己チェック

質問① 最近2週間であなたに当てはまる項目はいくつですか?
( )ほとんど毎日、一日中憂鬱な気分である。
( )ほとんど毎日、一日中何をやってもつまらない。楽しくない。

質問①が2つ以上当てはまった人は、質問②へ。
当てはまらなかった人は、うつ病ではありません。

質問② いつもと違って最近2週間のあなたにあてはまる項目がいくつですか?
(もともとあてはまっている傾向は数えない)
( )ほとんど毎日、食欲がない。もしくは食欲が増加している。
( )ほとんど毎日、眠れない。もしくや眠りすぎてしまう。
( )ほとんど毎日、イライラしている。もしくや動きが極度に低下している。
( )ほとんど毎日、疲れやすい。
( )「自分は価値のない人間だ」「悪い人間だ」と考えてしまう。
( )思考力、集中力や決断力が落ちた状態が続いている。
( )死んだ方が楽だと感じる。

質問①が2つ、質問②が3つ以上の人は、質問③へ。
質問①が1つ、質問②が4つ以上の人は、質問③へ。
質問①が2つ、質問②が2つ以下の人は、うつ病ではありません。
質問①が1つ、質問②が3つ以下の人は、うつ病ではありません。

質問③ 質問②の症状のために、現在とても苦しんでおり、仕事や家事、学業に支障が出ていますか?
( )はい
( )いいえ

「はい」の人は、うつ病の可能性が高いです。
「いいえ」の人は、うつ病ではありません。

これらのチェックリストの結果は、あくまでも目安です。
少しでも気になったら、専門医の診断を受けることをおすすめします。

「双極性障害」の重症度

「双極性障害」は、早めに治療しないと重症化する恐れがあります。
ただ、病状の経過は人それぞれ異なり、軽い病気にみえないこともないため、注意が必要です。
「躁」も「うつ」も症状によって、軽度、中程度、重度の3段階に分かれます。

うつ
気分は落ち込む。非社交的でいつもの活動が以前ほど楽しくない。自己批判的になり、欠点に目が向く。空腹感が減少し、睡眠が浅くなる 軽度 幸せな気分になり、明るい未来が広がっているように思える。創造的なアイデアがあふれて、饒舌になる。短期になり、集中力がなくなる
自分が失敗者のように感じ、悲しくて泣きやすくなる。他人との関わりを避ける。食欲が落ち、体重が減少。就寝までに時間がかかり、夜中に目が覚めることも。 中程度 社交的で冗談が増えるが怒りっぽい。挑戦を恐れない行動をとる。仕事に遅刻したり、課題を途中で放棄するなど、他人に迷惑をかけるようになる。
何をしても楽しくない。過剰なまでの罪悪感で自分は価値がない人間だと自殺すら考える。不眠症になり、著しい体重減少がみられる。 重度 幸せいっぱいで最高の気分だが、イライラも募る。強制されたように早口で話す。次々と新たな行動をして、まとまりがない。誇大妄想が激しくなり、性衝動も高まる。

次回は「双極性障害」と間違われやすい病気、「双極性障害」の治療法などを解説します。

 

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