休日プログラム「べきログ」
休日プログラム
今日は土曜開所日です!
今回は、自分が持っている「べき思考」を知り、怒りの感情に対処するために「べきログ」を紹介しました。
1.べき思考と怒り
個人個人が持っている、「こういうときはこうする”べき”だ」といったルールのことを「べき思考」と呼びます。
この「べき」が思い通りにならないとき、人は怒りを覚えます。
しかし厄介なことに、この「べき」のルールは人それぞれ違っています。
自分にとっては真実であり、それ以外考えられないルールであったとしても、他の人にとっても同じとは限らないのです。
「べき」に正解や不正解はありません。
それはこれまで生きてきた経験の中で作り上げた、自分自身の価値感です。
しかし、自分の「べき」と他の人の「べき」が違うということを受け入れようとしなかったり、制限の厳しすぎる「べき」を持っていたりすると、他の人とうまく関係を築けなかったり、ちょっとしたことでイライラしてしまったりすることになります。
自分が持っている「べき思考」がわかれば、怒りの原因がわかるようになります。
いつ、どこで、どのような場面で、どの程度の怒りが生じるのか。
それを知ることができれば、怒りと上手に付き合うことができるようになるのです。
2.べきログ
自分の持つ「べき思考」を知るためには、”べきログ”が有効です。
自分が日ごろ信じている「べき」を洗い出すことで、当たり前だと思い込んでいることや、こうあって欲しいと期待していることを言語化してみましょう。
「べき」を探すときには、怒りの感情がヒントになります。
思い出せる範囲で、イライラした場面や、怒ってしまった場面を探してみてください。
以前の課題で紹介した「コーピング日記」を作っていたら、それも参考になるかと思います。
怒りの場面を見つけたら、そこで自分が「こうなるべきだ」と期待していたにもかかわらず、裏切られたのはどんなルールだったのかを考えてみてください。
「べき」のルールが見つかったら、続いてその重要性を1~10の数字から選びます。
数字が大きいものほど自分にとって重要なルールです。
思い通りにならなかった「べき」が重要なルールであるほど、強い怒りの感情が浮かんでくるでしょう。
べきログの例
3.べきの境界線
自分が持っている「べき」が見えてきたら、続いてその「○○であるべき」といった線引き(べきの境界線)に対して、以下の項目について考えてみてください。
1.その「べき」は、他の人たちも持っているものだろうか?
2.他の人達も持っていたとして、その強さはみんな同じなのだろうか?
3.その「べき」が自分にとって怒りが沸いてしまう境界線であることを、他の人に伝えられているだろうか?
4.その「べき」の許容範囲を広げる(和らげる)ことはできるだろうか?
「べき」のルールは、絶対に持っていてはいけないものというわけではありません。
誰にでも、「これは譲れない」といった価値観はあるものです。
しかし、他の人たちは気にしないようなことに対する「べき」をたくさん持っていると、それだけ多くのことに怒りが沸き、またほかの人の行動にもイライラしてしまうため、生き辛くなってしまいます。
そこで、もしも自分の「べき」のルールの中に許せることがあるのであれば、少しずつで良いのでその許容範囲を広げて行ってみてください。
例えば、「メールは24時間以内に返信するべき」というルールから、「忙しかったり、確認していないこともあるだろうから、3日以内に返信してもらえれば良い」という考えに切り替えることができるだけでも、イライラするタイミングは減っていくでしょう。
また、譲れないルールについては、他の人にそれを正直に伝えることも大切です。
「私はこういったことが苦手なので、申し訳ありませんが協力してもらえると助かります」といったように、自分の怒りに繋がる可能性のある要素を相手に伝えておくことで、イライラせずに過ごしやすくなるでしょう。
一方で、他の人の「べき」のルールについても、自分に許容できる範囲であれば受け入れてあげるようにしましょう。
お互いに相手を尊重し合う関係を築いていけば、持っているルールはそれぞれ別であったとしても、イライラせずに過ごすことができるのです。