コミュニケーション「もし3億円あったら」/認知行動療法講座「早期不適応的スキーマ」
目次
コミュニケーションプログラム「もし3億円あったら何に使う?」
火曜日のコミュニケーションプログラムでは、主として「雑談」にフォーカスした練習を行います。
働いていく中で必要なコミュニケーション能力は、必ずしも業務上の会話だけというわけではありません。
雑談によってお互いのことを知っていくことで関係を築いていくことで、働きやすい環境を整えていくことができるのです。
今回のテーマは「もし3億円あったら何に使う?」
趣味に使う、自己投資に使う、家電などに使って生活の質を上げる、貯金に回すなど、実に多彩な意見が出てきました。
それぞれの価値観が見えてくるので、そこに質問をしていくことでその人にとっての優先したいものが見えてきて、お互いのことをより深く知ることができました。
認知行動療法講座
前回は、スキーマを修正するための方法について考えました。
今回は、早期不適応的スキーマの紹介をしていきます。
早期不適応的スキーマ
前回の記事でも書いた通り、スキーマとは必ずしも悪いものというわけではありません。
スキーマの中でも自分にとって害をなしてしまうスキーマのことを、「不適応的スキーマ」と呼びます。
スキーマは人生の中で経験してきた様々なできごとから作られていきます。
不適応的スキーマは思春期や成人後のトラウマ体験などからも形成されていきますが、特に影響が大きいのは幼い頃の体験です。
幼い頃の体験は、そのほとんどが周囲の大人、とりわけ両親との関係の影響を受けることになります。
そのような両親との関係を「欲求」の軸から5つのエリアに分け、それらが満たされないことで生まれるスキーマをまとめて「早期不適応的スキーマ」と呼びます。
今回は、これらの早期不適応的スキーマについて、大まかに紹介していきます。
「ひとりぼっち・つながれない」スキーマ
愛してもらいたい、見てもらいたい、関心を持ってもらいたいといった欲求を満たすことができず、そもそも期待するのをやめることで自分の心を守ろうとするスキーマ群です。
「自信がない・ひとりじゃできない」スキーマ
新たなスキルを身に付けたり、上達していくために何かに挑戦する、といった経験を積むことができず、誰かに依存したり、周囲に合わせたりすることで挑戦やそれに伴う失敗を避けようとするスキーマ群です。
「他者優先」スキーマ
自分の感情や考えを表に出すことができず、親や兄弟を優先しなければいけなかったがために、常に他者を優先することで周りから認めてもらおうとしてしまうスキーマ群です。
「がんじがらめ」スキーマ
高い目標や厳しい規則に追われ、自由にのびのびと過ごすことができなかったために、休息することに引け目を感じ、常に努力し続けようとしてしまうスキーマ群です。
「野放し」スキーマ
物事の限度や他者への思いやりを十分に見につけることができなかったために、自分の欲求を最優先してしまい、他者との良好な関係性を築いていくことを阻害するスキーマ群です。