ワンランク上の感情ケア ~その22 モヤモヤ・不安を解消するステップ~
あなたの不安の源を知る
- 老後のことが心配。年金、貯金・・・
- 仕事の不安がいつまでも続く。
- 怒られそう、失敗しそうだと不安になってしまう。
- 焦燥感で何もてにつかない。
- どうしようもない不安を感じるのがストレスになる。
私達は生きている限り誰だって、不安や悲しみを感じます。
何が起こるかわからない、もしくはこのままでは危険だという可能性を感じたとき、
脳や体は自然に「対策をしたほうがよいのではないか」という考えを不安というアラートの形で示します。
ほとんどの場合、考えているだけになってしまい、新たな不安が次々と出てきてしまいます。
また、適切な対策をせずにいると、脳と体の警告を無視していることになり、不安はどんどん膨れ上がってしまうのです。
適切な行動・対策とは、どのようにして見つけたらよいのでしょうか。
危険信号だということを理解する
前述の通り、不安はアラートです。
新しいチャレンジが、うまくいくかどうかわからないという不安。
そんな状態のとき、「もっと念入りにチェックしてみよう」とか、「早めに到着するようにしよう」とか、対策をとらせることで、危険を回避しようとしています。
ですが、逆に考えてみると、その対策がきちんととれれば、失敗や危険を防ぐ、遠ざけることができるということでもあるのです。
失敗するかどうか、怒られないかどうか、嫌われないかどうか、このまま続けて損をしないか。
これらの不安は、明確な答えは、実際に未来にならないとわからないもの。
起きてみないとわかりませんから、もちろんその場ごとの最適解を毎回知ることはできませんね。
しかし、「不安だ」と自覚することで、最善の結果につなげるための行動をとることはできるのです。
相手の心理がわからない不安、その場で解消!?
友達の反応が微妙だった。嫌われたかもしれない。
プレゼンに行ったら、お客様が難色を示した。失敗かもしれない。
上司に報告したら、反応が冷たかった。怒っているかもしれない。
こんなモヤモヤ、一人で抱えていませんか?
相手の反応の裏側は、こちらからは読み解けず、読み解こうとしてモヤモヤ、不安になってしまいます。
実はこれらの不安は、その場で解消できてしまうものです。
嫌われたかも知らない、とモヤモヤするのであれば、「もしかして嫌だった?」と聞いてみる。
失敗かもしれない、と考え込むのではなく、「なにかご不明な点はありませんか?」と聞いてみる。
怒られるかもしれない、と不安になるのであれば、「何かありましたでしょうか?」と聞いてみる。
モヤモヤする反応の理由を知ることができればどうでしょうか?
失敗だったかも、と考え込み、あれもこれもと不安を引きずり出してしまうよりも、ずばり聞いてみるということだけでよいのです。
もし本当に「微妙」なのであれば、「またそのうち」とか「あとで連絡する」といった返事が来るでしょうし、
そのときの相手の心理はいくら知ろうとしても引き出せませんので、「本当に不明である」と割り切ってしまいましょう。
本当にわからないことは何割か
リスタートでは、不安を感じたとき、モヤモヤを感じたとき、落ち込んだときなど、紙に書き出してみるということを勧めています。
ほかの心理学の書籍などでも、書き出しは有効だと述べているものがとても多数あります。
実際に効果があるのです。
紙に書き出すという「行動」を行うことで、思考のループから抜け出すことができます。
不安を書き出すことで、不安を客観視し、自分の状態を冷静に見ることもできるのです。
書き出した上で、「実は判明していること」を分析してみましょう。
締切に間に合うか、というモヤモヤでも、「締切の期日、現在の進捗度合い、想定される問題」というのは、実は今の時点で判明していて、解決できるものです。
これらを放置していると、不安アラートはどんどん大きくなり、手がつけられない、頭が動かないといった状態になります。
まずは「実は判明していること」を探し出し、対策をとれるようにしましょう。
そして、「本当に不明なこと」を減らしていきましょう。
「想定できないトラブルが起きたらどうするか、指示を突然変更されたら、次の課題はもっと苦しいのではないか」といった、本当に予測できないものがそれにあたります。
これらには、対策をしようとしてもできることは少ないものです。
明日の友達の機嫌なんて、わかるはずがありませんね。
心配しても、何か行動をしても、から回ってしまうでしょう。
やみくもに対策をするのではなく、「判明していること」「本当に不明なこと」とをわけて考えるようにしましょう。