就活SST「選択理論の実践⑤ 娘がスマホに夢中で勉強してくれない」

新聞読解「増えるリモハラ要注意」

以下、記事の要約です。

リモートワーク特有のいやがらせや不快感に感じる行動
「リモートハラスメント(リモハラ)」が注目を集めている。
終業の感覚がないため深夜に対応を求める他、勤務内容を確認しようと
1時間おきに連絡を入れるといった行動だ。

この記事に対する利用者さんの意見・感想

  • リモハラについてはじめて知った
  • リモートワークの新たな問題
  • 想像力の欠如
  • リモートワークのルール作り

今後はリモハラの解消が必須になりそうですね!

就活SST

前回は、「上司が指示ばかりで自由がない」という場面について選択理論を用いて考えました。

今回は、「娘がスマホに夢中で勉強してくれない」という場面について考えていきます。

選択理論の実践⑤

今回は、他者の行動を変えたいと思っている場面について考えてみます。

これまでのプログラムで話してきた通り、人それぞれ基本的欲求の強弱や、それを満たすための方法は違います。

そのため、自分が「こうして欲しい」と考えている通りにほかの人が行動するとは限らず、それによって悩むこともあるでしょう。

そのような場面について、どう行動すれば良いか、考えていきます。

Case5:娘がスマホに夢中で勉強してくれない

Nさんには受験生の娘がいますが、スマホに夢中で全然勉強していません。
このままでは大学受験や娘の将来が心配なので、受験が終わるまでスマホをやめさせて、勉強に専念させたいと思っています。
どうしたらいいでしょうか?

現在状況とNさんの考えは以下の通りです。
・娘は現在1日6時間程度スマホに夢中になっており、勉強は1時間程度。スマホに向けている時間を勉強に使って欲しい。
・就職のことを考えて、良い大学に入ってほしい。娘にも、幸せになるためにはそこに入るべきだと何度も言っている。
・勉強をしていない姿を見ると、「スマホを解約するわよ」「将来後悔するからね」など声をかけている。
・今の状態は3ヶ月ほど続いており、関係が悪くなってしまってきているが、本当は「お母さんのところに生まれて良かった」「自分を信じてくれた」というように娘には思って欲しい。

選択理論で考える

今回のポイントは以下の3点です。
①:Nさんの満たされていない欲求を把握すること。
②:Nさんと娘の上質世界が同じなのかを考える。
③:コントロールできる行動、できない行動を考える。

①:満たされていない欲求
満たされていない欲求として考えられるのは、以下の通りです。

・愛・所属の欲求:娘との関係が悪くなってしまっている
・力の欲求:力を貸したい、娘の人生に貢献したい
・自由の欲求:自分のこだわりで娘の今後を決めたい

②:Nさんと娘の上質世界

Nさん自身の上質世界には、良い大学に入って良い会社に就職するということが入っています。
しかし、それはNさんの娘も同じでしょうか。

上質世界はそれまでの人生の中で経験してきたことによって決まります。
Nさんの娘の上質世界では、良い大学に入ることは重視されておらず、入れる大学で良いと考えているかもしれません。
また、良い会社に入ることも望みであるとは限らず、他にやりたいことがあるのかもしれません。

③:コントロールできる行動、できない行動

毎度の内容ですが、コントロールできる行動は自分自身の行動のみです。
たとえ娘であっても、その行動を自分がコントロールすることはできないのです。

そのため、娘に対して「幸せになるためには良い大学に入るべきだ」という自分の上質世界を押し付けたり、「スマホを解約する」「将来後悔する」等と脅したりするなどの「外的コントロール」を用いたコミュニケーションを行っても娘は変わらず、双方にストレスが溜まってしまうだけでしょう。

Nさんの側から行える、内的コントロールに基づいた行動の例として、以下が挙げられます。

・娘が考えている将来像や希望する大学について確認する
これは、娘の持つ上質世界や、基本的欲求の強弱を確認することに繋がります。
将来どのようになりたいのかを確認することで、娘自身の希望を満たしつつ、自分の心配している将来のことも満たすような提案をしやすくなります。

例えば、娘がなりたいと考えている職種につくために学ぶ必要があることを一緒に考えることで、娘自身が意欲的に勉強をしようと考えるようになるかもしれません。

・勉強していないことに対して否定の言葉を使うのではなく、信じている、応援していると伝わる言い方に変える。
選択理論の最初のプログラムで話した、「7つの習慣」を覚えていますでしょうか。
「批判する」ことや「脅す」ことなどは外的コントロールに基づく行動であり、相手の行動をコントロールするどころか、関係を悪化させてますます悪い方向に向かってしまいます。
娘自身の考えを「傾聴」し、将来のことについても「信頼」していることを伝え、「支援」する姿勢を見せることで、お互いにとって良い方向に進んで行けるはずです。
 

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