ワークショップ「エレベーターの不満を解消するには」/自己分析「基本的構えを修正する」
ワークショップ「エレベーターの不満を解消するには」
ワークショップは、意見に対して質問をすることにクローズアップした訓練になっています。
発表者の発表に対して他の利用者さんが質問をし、それに回答していくことで、意見を作るときに欠けていた視点を見つけたり、改善点を見つけていくことができます。
また、質問を考えながら他の人の発表を聴くこと自体も、話を聞くことや疑問点を確認することの練習になりますよ。
今回のテーマは「エレベーターの不満を解消するには」です。
あなたがオーナーをしているビルは、10階建ての商業ビル。
しかし、エレベーターは1基設置されているのみで、古くて速度も遅いために待ち時間が長くなってしまい、利用者から不満の声が上がっています。
この不満を解消するためには、どのような方法があるでしょうか。
今回のポイントは、解決したい課題は「利用者の不満を解消すること」であるという点です。
利用者さんに考えてもらいました!
このテーマについての利用者さんの意見
- エレベーターを増設し、奇数階と偶数階に止まる階をわける
- 1階エレベーター前にモニターを置き、ニュースなどを見られるようにする
- 階段に空調を利かせたり、休憩できるポイントを作ることで利用を促す
- 押されているボタンなどから到着までのおおよその時間を計り、エレベーターホールに表示する
エレベーターの不満を解消するということで、エレベーターを増設したり、新しいものに変えるというのももちろん方法のひとつです。
しかし、「不満を解消する」ための方法はそれだけではありません。
実際の会議の場であればコストの問題もあるため、そういった「本当に解決するべき課題」を見据えた考え方が重要です。
自己分析講座
前回は、4つの基本的構えについての紹介を行いました。
今回は、この構えを修正していくための方法について考えていきます。
基本的構えを修正する
前回、4種類の基本的構えを紹介しましたが、この中で最も望ましいのが「わたしもOK、あなたもOK」の構えです。
自分と他者の双方に価値を認めることで、自分も相手も否定せずに受け入れ、お互いにとって望ましいことは何かを考えられるようになります。
そのため、人間関係を良好に保ったまま、自身の望みをかなえることができるようになるのです。
この構えを得るためには、「自分への肯定感」が必要となります。
誰であっても、自分を見てもらい、肯定してもらうことを求めています。
しかし、他者からの肯定をなかなか得ることができない場合、例えネガティブな形であっても人と交流を持ち、自分を見て、関心を持ってもらおうとしてしまうことがあります。
そのため、結果的に自分を追い込むことになったとしても、周囲に悪印象を与えるコミュニケーションを繰り返してしまうのです。
「わたしもOK、あなたもOK」の構えを作るためには、相手を認めて自分も認められること、相手をほめて、自分もほめられることが必要です。
そのような経験を繰り返していくことで、少しずつ構えを修正していくことができるのです。
肯定感を得るには
自身を肯定するためには、以下のポイントが重要です。
1.まずは相手を認める。
人は、自分に関心を持っている人、自分のことを認めている人に対して好感を抱くものです。
逆に言えば、他者のことを認めていない人は、周囲から肯定してもらうこともできません。
まずは自分から周囲の人間に関心を持ち、小さなことでも良いので関係を築いていく必要があります。
2.肯定を相手に求める。
ほめて欲しかったら、ほめて欲しいと伝える・・・と聞くと、恥ずかしいことだ、みっともないことだと感じられてしまうでしょうか。
自分が頑張ったことがあったとしても、自分以外の人たちはそのことを知りません。
常にあなたのことを見ているわけではないので、頑張ったから誉めてくれるかな?とただ待っていても、周りの人は何も言ってくれないのです。
「こんなことを頑張ったんだよ」と話し、周囲に知ってもらうのは、決して悪いことではありません。
3.自分で自分に与える。
他者から肯定的に評価してもらうのはうれしいことですが、他者の評価のみによってしか自分を肯定できないのは危険な状態です。
自分のいいところや成功体験などを、自分自身が認め、喜ぶことも重要です。
また、せっかくほめてもらっても、「そんなことはない」「この程度は成功じゃない」などと否定してしまっては肯定してもらえたこととして残らないので注意してください。
4.受け取る言葉を適切に選ぶ
他者からの評価は、それが肯定であれ否定であれ、「その人がどう思ったか」ということでしかありません。
先ほどもお伝えした通り、ほめ言葉をすべて「そんなことはない」と受け取らなければ、自分の肯定感は上がっていきませんし、せっかく肯定的に思ってくれた相手にも悪い印象を与えてしまいます。
反対に、否定的な言葉をかけられたときに、それをそのまま「自分はそうなのだ」と受け入れる必要もありません。
あくまでその人にはそう感じられたのだな、と冷静に受け止め、相手の希望を確認しましょう。
自分にできる範囲で、その希望に沿うことを考慮すればそれで良いのです。