祝日プログラム「『レジリエンス』で心の落ち込みに対処する」

祝日プログラム

本日は、就労移行支援事業所 リスタートの祝日開所日です。

祝日特別プログラムとして、今回は、心の落ち込みの対処に役立つ「レジリエンス」について紹介しました。

レジリエンスとは

レジリエンスとは、物体の弾力性や強度を意味する言葉ですが、心理学においては「落ち込んだ状態から回復する力」や「心の晴れた状態をなるべく長く維持する力」といった意味で使われています。
レジリエンスは誰もが持っているものですが、人によってそのタイプには違いがあります。
例えば、「周囲から孤立する」ことが落ち込みのきっかけになりやすい人は、周囲のサポートをもらえれば立ち直りやすくなるでしょう。
一方で、孤立するのは問題ないが、目標がないと落ち込みやすい、という人は、明確な目標を決めることがモチベーションとなることもあります。

レジリエンスは、大きく分けて以下の4つの要素に分類することができます。

①ポジティブ思考(楽観性)
②モチベーション(目標・自尊感情)
③関係構築力(共感力・他者貢献)
④ストレス対応力(強いメンタル)

これらの要素は互いに影響しあっており、それぞれの強弱や重なり合った部分のバランスが、その人のレジリエンスの特徴となります。

①ポジティブ思考を鍛える

ポジティブ思考を鍛えるために重要なのが、「物事の良い面」に注目ことです。
ネガティブなものの見方は選択肢や可能性を狭めることに繋がり、結果パフォーマンスを下げることになってしまいます。
また、「難しい」「大変だ」「面倒だ」といったマイナスの言葉を頻繁に使う人はミスが多く、「大丈夫」「できる」「チャレンジだ」といったプラスの言葉を頻繁に使う人はミスが少なく、生産性も高いという研究結果もあります。
ポジティブ思考を鍛えるためには、以下の2つに挑戦してみましょう。

①-1:ほめ日記をつける
毎日1つもで良いので、自分の良かったこと、うまくいったことを書き出してみましょう。
「こんなことはほめることに値しない」「成功したに入らない」といった考えに負けずに毎日良かったことを挙げていくことができれば、だんだんと物事の良い側面を見る癖がついていきます。

①-2:リフレーミングの練習をする
自分の短所と考えていることを、以下の例のように長所に言い換えてみましょう。

リフレーミングの例)
・「へこみやすい」→「感受性が強い」
・「ずけずけと物を言いすぎる」→「自分の考えを持っている」
・「物事をマイナスに考える」→「慎重に判断する」

②モチベーションの持続力を鍛える

モチベーションを持続させる効果的な方法は、将来の目標や夢を持つことです。
目標や夢が明確であればあるほど、モチベーションを高く保つことができます。

目標や夢が浮かばないという時には、「もし、いま何でもできるとしたら何がしたいか」と考えてみるのが有効です。
目標や夢が浮かんでこないのは、自分の中で「それは無理だ」と決めつけてしまっているのが理由であることが多くあります。
そうした制約を取り払って目標を先に設定してしまえば、それを実現するための方法や、やるべきことも見えてくるでしょう。
また、過去に夢中になったことやうまくいったことなども、自分が本当にやりたいことを見つけるのに役立ちます。

他の方法としては、自分の強みを活かすということが挙げられます。
自分の強みを上手く活かせていると、失敗しづらいこともあり、モチベーションが上がって少しくらいの困難なら気にせずに乗り越えやすくなります。
一方で、自信がない場合には不安を感じやすく、頑張っても思った結果に結びつきづらくなってしまうことで、モチベーションが下がってしまいます。
自分の強みを知るためには、自分のことを分析し、強みを見つけ、受け入れていくことが重要です。

③関係構築力を鍛える

他者とのより良い関係を築いていくために重要なのは、「非言語的コミュニケーション」と「アサーション」の2つです。
人は、言葉の内容よりも、言い方や表情、態度などからその人の意思を判断します。
明るい表情や声のトーン、服装や話を聞く態度などを見直すことは、関係構築力の改善に大きく役立つでしょう。
次に、話を「どちらの意見が正しいかを決めるもの」ではなく、「お互いに納得できる選択肢を探す努力をすること」と捉えるようにしましょう。
アサーションとは、「お互いの立場や気持ちを尊重したコミュニケーション」のことです。
意見が食い違うのはよくあることですが、「自分の意見を押し付ける」のでもなく、「相手の意見を無理に受け入れる」のでもなく、「どちらにとっても良いのはどんな行動か」を考えるようにしていきましょう。

なお、相手との距離を縮めるのに重要なのは「共感すること」です。
自己開示と質問によってお互いの情報を交換し、共通点を見つけることができれば、より良い関係を築いていけるでしょう。

④ストレス対応力を鍛える

レジリエンスの中でも特に重要なのが、ネガティブな感情が浮かんできたときに自分の考えをコントロールし、心が揺らがないようにすることです。
ストレス対応力を鍛えるためには、自分がどのようなときにストレスを感じ、ネガティブな感情を浮かべているのかを知ることが重要です。
ネガティブな感情が浮かぶ原因は、多くの場合、「自分自身が物事をどう受け止めているか」にあります。
認知行動療法によって自分の中にある「ネガティブな気持ちを浮かべる原因になる考え方」を見つけ、改善していくことが、ストレスの対処には有効です。

〇リスタートのプログラムでレジリエンスを鍛える
リスタートの各プログラムは、これらレジリエンスを鍛えることに役立つものがあります。
特に「自己分析講座」は②、「就活SST」は③、「認知行動療法講座」は④のレジリエンスとの関りが深いので、過去の資料の復習なども役に立つでしょう。

また、どのレジリエンスが足りていないのかを知ることは、モヤモヤの原因を分析するためにも有用です。
自分にとって足りていないレジリエンスはどの部分か、この機会にぜひ考えてみてください。

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