認知行動療法講座「根拠と反証から適応的思考を見つける」

認知行動療法講座

前回は、根拠と反証を探す練習を行いました。

今回は、第6、第7のコラムについて説明します。

根拠と反証から適応的思考を見つける

第4のコラム、第5のコラムで書き出した根拠と反証をもとに、第6のコラムでは視野を広げたバランスの良い別の考え方(適応的思考)を書き出します。

そして最後に、第7のコラムでは考えを変えたことで気分がどう変化したか(結果)を書き込みます。

第6のコラム:適応的思考

第6のコラムには、第4のコラムと第5のコラムに書き込んだことがらを利用して、自動思考に代わる柔軟で現実的な考えを書き込みます。

・根拠が自動思考に完全に矛盾する場合には、その根拠に基づいた新しい見方を書くようにします。
・根拠・反証が部分的に自動思考を裏付ける場合には、両方を要約し、よりバランスのとれた見方を書くようにします。

「根拠」と「反証」に書き込んだ事実を振り返ったときに、その状況について別の理解の仕方がないか探していきます。

・自動思考を裏付けるすべての証拠(根拠)をひとつの文に要約し、次に自動思考に矛盾するすべての証拠(反証)もひとつの文に要約してみます。
 この2つの文を「そして」で繋ぐと、あらゆる情報を考慮に入れたバランスの良い文になります。

・親しい人がこのような状況で、同じような情報を手にして、同じように考えているとき、あなたはどのようにアドバイスしますか?
 この状況をどのように理解すればいいと言ってあげるでしょう?

・その自動思考が当たっているとして、この先のことを考えたとき、最悪のシナリオはどんなものでしょう? 最良のシナリオは?
 そしていちばん現実的なシナリオはどういうものだと思いますか?

・あなたが信頼している人のことを思い出してみてください。この状況についてほかの見方をする可能性はないでしょうか?

第7のコラム:心の変化(いまの気分レベル)

最後の第7のコラムには、考え方を変えてみて感情や気持ちがどのように変化したかを書き込みます。

そこで気持ちが楽になっていれば新しい考え方が役に立ったということがわかり、そうした考え方をまたこれからもしていけばよいということになりますし、あまり変化が見られない場合には、また別の考え方や見方ができないかと考えてみることができます。

これによって、ストレスに押しつぶされない柔軟なものの考え方が見つけられるようになるはずです。

 

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