休日プログラム「『反すう思考』から抜け出す」
休日プログラム
本日は、就労移行支援事業所 リスタートの休日開所日です。
今日の休日プログラムでは、何かを失ってしまった時に、気持ちを切り替える方法について考えます。
「反すう思考」とは
1.「落ち込み」という感情
物事が期待通りに進まなかったときや、目標が達成できなかったときには、自信を無くしてしまいますよね。
思い通りに行かなかったことだけでなく、それ以外に対しての自信もだんだんとなくなってきてしまい、モチベーションや気力が減っていきます。
落ち込みとは、こうして、エネルギーが切れてしまっている状態のことを指す感情です。
そのため、落ち込んでいるときは、自分の長所が見えなくなったり、自分の能力を低く見積もったりしやすくなります。
また、モチベーションや気力がなくなってしまうので、抜け出したくても、中々そのための行動が起こせないのも厄介なところです。
2.落ち込みを長引かせる「反すう思考」
落ち込みから抜け出すためにはまず、心身を休めて気力を回復させることが必要不可欠です。
しかし、いくら休んでも、中々落ち込みから回復できず、苦しい状態が続く・・・といった経験をしたことがある人もいるかもしれません。
そんなとき、頭の中で、こんなことを考えていませんでしたでしょうか。
「自分の見込みが甘かったんじゃないか」
「もっと早く動いていたら結果は変わっていたんじゃないか」
「あそこでこのように動いておくべきだったんじゃないか」
こんな風に、過去の失敗や自分の欠点を繰り返し考え続ける思考パターンのことを、「反すう思考」と呼びます。
こういった考えは、一見すれば自分の失敗を反省して、再度失敗することを防ぐための良いものに見えるかもしれません。
しかし実際には、反すう思考で行っているのは繰り返し”自分を責める”ことであり、ポジティブな試みではありません。
プラスに働くどころか、反すうすればするほど、回復するためのエネルギーをどんどん奪うことになってしまうのです。
それどころか、反すう思考を続けていると、どんどんネガティブな方向にパワーアップして、より強く自分を責めることになってしまいやすいのも問題です。
初めは「○○しなければよかった」という後悔だったかもしれません。
しかしここから、「明日怒られてしまうに違いない」と将来を悲観する考えが浮かんで来たら、翌日動くことができなくなってしまうかもしれません。
また、「これまでも失敗ばかりだった」というように、実際にはあったはずのポジティブな経験が、どんどん見えなくなってしまいます。
「反すう思考」から抜け出す
では、反すう思考から抜け出すにはどうすれば良いのでしょうか。
反すうしないようにする、と聞いて浮かぶのは、「なるべく考えないようにする」ことではないでしょうか。
しかし、実はこれでは逆効果なのです。
なぜならば、「考えないようにしよう」「忘れよう」とすればするほど、返って頻繁にそのことを思い浮かべてしまうように、我々はできているからです。
反すう思考は、自分で意識して考えているわけではなく、「考えたいわけではないのに、つい考えてしまっている」ものです。
反すう思考から抜け出すためには、以下の方法が有効です。
1.反すう思考をしていることに気が付く
過去のことを繰り返し考えている、なぜ○○したのか、という考えが浮かぶ、自分を責めている・・・などなどのポイントから、自分が考えていることが反すう思考であることに、まずは気が付くことが必要です。
2.反すう思考から距離を取る
反すう思考に気が付いたら、まずはその影響力を減らすために距離を取る必要があります。
・自分を客観視する
・紙に書き出すことで客観的に見られるようにする
・自分自身を否定されているのではなく、特定の行動が問題であっただけであると分離する
といった方法が考えられます。