統合失調症とは② ~どうして起こるの?~
前回から学んでいる、「統合失調症」について、なんとなく理解できたでしょうか?
前回の記事はコチラ↓
今回は、「統合失調症」の原因について考えていこうと思います!
第16回 教えて!リス太くん
前回の記事で「統合失調症」の症状はわかったけど・・・
いったい何が原因なのかな?
遺伝が原因?~遺伝はあくまでも原因の1つにすぎません~
さまざまな原因が関係します
統合失調症では遺伝的な要素があると考えられていますが、
あくまでも原因のうちの1つに過ぎません。
一卵性双生児は遺伝的には同じ素因をもっているはずですが、
2人とも統合失調症を発症するのは約50%とされています。
統合失調症の患者さんの家族を調べても、
両親の約9割は統合失調症ではなく、
兄弟を含めてもその割合は約8割とされており、
さらに甥や姪まで調べても約6割とされていますから、
遺伝の影響はあるものの、遺伝だけで決まるわけではないことがわかります。
病気が遺伝するのではなく、
病気のなりやすさが遺伝すると捉えることが大切です。
様々な研究結果を総合すると、
統合失調症の原因には素因と環境の両方が関係しており、
素因の影響が約3分の2、環境の影響が約3分の1とされています。
素因の影響がずいぶん大きいと感じるかもしれませんが、
この値は高血圧や糖尿病に近いものですので、
頻度の多い慢性的な病気に共通する値のようです。
子どもは親から遺伝と環境の両方の影響を受けますが、
それでも統合失調症の母親から生まれた子どものうち、
同じ病気を発症するのは約10%にすぎません。
脳の変化とは?~妊娠期・出生時の障害の影響も原因の1つにすぎません~
いくつかの統合失調症の患者さんの脳について調べた研究では、
脳の萎縮がみられること、前頭葉や側頭葉という部位が小さいこと、
海馬や扁桃体という部位がとくに左側で小さいこと、
前頭葉の機能が低下していることなどが報告されていますが、
これらが発症にどのように関与しているのかについてはまだわかっていません。
性格は関係するの?~よくみられる気質・性格があるといわれています~
統合失調症の人には一定の性格傾向があることが知られています。
たとえば、内気でおとなしく、控えめ、神経質なところがあるかと思えば
無頓着であったり、傷つきやすいなどの気質です。
人と交わるのが苦手で、一人でいることを好む傾向もしばしば見られます。
これらはすべての人に当てはまるわけではありませんが、
発症と何らかの影響があるのではないかと考えられています。
統合失調症の原因は、今のところ明らかではありません。
進学・就職・独立・結婚などの人生の進路における変化が、
発症の契機となることが多いようです。
ただ、それらは発症のきっかけではあっても、
原因ではないと考えられています。
というのは、、
同じような経験をする大部分の人は発症に至らないからです。
次回も「統合失調症」の原因について
もう少し勉強していくよ!
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