依存症④~自分だけの問題じゃない!アルコール依存症の正体とは・・・~

前回の記事はコチラ↓

依存症①~実は隠れ依存症かも・・・~

依存症②~自覚することが克服への第一歩!~

依存症③~あなたの側にもある3つの依存症~

第32回 教えてリス太くん

 

ぼくはまだお酒は飲めないけど・・・

気を付けないといけないな!

アルコール依存症とは?

反復的なアルコールの使用により飲酒をコントロールすることが困難になり、

身体的症状や社会的に有害な結果が見込まれているにもかかわらず、

自分でアルコールを止めることができない病気です。

アルコール依存症になった人は、一杯でもアルコールを飲むと問題のない量で

切り上げることができず、身体が満足するまで飲んでしまいます。

これをコントロール障害と言い、いったん起こすと回復しません。

上手に飲酒することは、もはやできません。

全く飲まないでいるか、問題飲酒をするかの、

どちらかしかないのです。

飲酒をやめると離脱症状がでます

完全に断酒すれば回復します。

飲酒に対するコントロールがきかなくなっているのですから、

問題を起こさないように飲むことはできません。

治すには、今後一滴のアルコールも体の中に入れないことです。

これが治療の基本です。飲みさえしなければよいのだと簡単に考えがちですが、

一人でこれを実行し続けることはかなり難しいことです。

 

早期離脱症状群

飲酒をやめて数時間すると出現する。そのまま断酒すれば数日のうちによくなる。

飲酒によっても軽快するが、この場合は飲んだアルコールが

新たな離脱症状の原因になるという悪循環に陥る。

症状としては、手や全身のふるえ、発汗(特に寝汗)、不眠、吐き気、嘔吐、血圧上昇、

不整脈、焦燥感、集中力の低下、幻聴、てんかん様けいれん発作などがある。

てんかん様けいれん発作は、アルコールてんかんと呼ばれるもので、90パーセント以上が

断酒後二日以内に起こる。発作の回数は1ー3回で、いわゆる大発作の形で起こる。

抗けいれん剤を服用する必要はない。

後期離脱症状群

振戦せん妄ともいう。お酒をやめて2ー3日目に生じ、たいていは3日くらいでよくなるが、

まれに3カ月ちかく続くことがある。主な症状は、幻視、見当識障害、興奮である。

幻視とは、実際には見えるはずのないものが見えて、それを信じ込んでいる状態である。

小さな動物が群れて見えることが多い。幻聴を伴うこともある。

見当識障害というのは、時間や場所、人物の見当がつかなくなることをいう。

この様な症状のために、不安や恐怖が強く、興奮して騒ぐことが多い。発熱、発汗、振戦などの

自律神経症状を伴うことが多い。

 

体の病気を起こします

身体障害を起こす原因は、アルコールの臓器毒性と食事も取らないで飲みつづけることが多く、

栄養の摂取が十分でなくなる。たとえ十分な食事をしていたとしても、多量のアルコールのために、

吸収不良を起こすことが多くその為栄養不足になりやすく多くの病気を起こします。

肝臓・心臓・すい臓・胃腸・脳・末梢神経など

その障害はほぼ全身に及びます。

初期のうちにアルコールを断って栄養をとれば、

病気の多くは、断酒と治療薬によって治すことが

できます。

手遅れになると後遺症が残ります。

肝障害

アルコールによる肝障害:脂肪肝・アルコール肝炎・肝硬変と悪化していく。

 

脂肪肝:肝細胞内に脂肪がたまり、肝臓が大きくなっている状態で、断酒によってよく治る。

 

アルコール肝炎:肝細胞が変性し壊死を起こし、肝腫大、黄疸、食欲不振、悪心、嘔吐、

全身倦怠感などが生じ、時には死亡することがある。

 

肝硬変:肝障害の終着駅と言われている疾患である。肝細胞の広汎な壊死が起こる。

肝臓ははじめ腫大し、後には萎縮する。

黄疸・脾腫・手掌紅班・クモ状血管腫・食道静脈瘤・女性様乳房・腹水・浮腫・肝性昏睡など

重篤な症状の死亡率の高い病気である。

肝硬変になるとたとえ断酒しても完全には回復しない。

 

アルコール膵炎:強烈な上腹部痛や背部痛が特徴

この痛みには鎮痛剤が効かないことが多い。

慢性になると膵臓は萎縮し拡張した膵管内には膵石がみられる。糖尿病の原因となる。

 

胃腸障害

急性胃粘膜病変・・・アルコールの過飲により胃粘膜に浮腫・びらん・

小潰瘍出血・上腹部痛・吐き気・嘔吐・吐血を起こす。

断酒によって数日のうちによくなる。

 

胃十二指腸潰瘍・・・潰瘍の発生にアルコールが関与するかどうかは分かっていない。

大量のアルコールは潰瘍の治療に悪影響を及ぼす。

食後や空腹時の腹痛、潰瘍部位からの出血がみられひどくなると穿孔して穴があくことが

ある。

 

マローリー・ワイス症候群・・・食道下部から胃上部の粘膜に裂創が生じ、大量の吐血をする。

大量飲酒の後、吐き気、嘔吐を繰り返した後起こることが多い。

 

吸収不良症候群・・・アルコール過飲者はたとえ十分な食事をしていたとしても、

腸管からの吸収不良や下痢などによってビタミン不足をはじめとする栄養障害に陥りやすい。

アルコール心筋症・・・長期大量飲酒によって心臓が肥大して不整脈や体動時の呼吸困難・動悸・夜間の突発性呼吸困難等がみられる。

断酒によって急速によくなるが、末期になると断酒しても回復しない。

 

アルコール・ミオパチー・・・手足の筋肉がやられる。

大量のアルコール摂取後急激に骨格筋の筋痛・脱力

・浮腫・壊死を生じる急性型

徐々に体幹に近い筋肉の萎縮と脱力が起こってくる慢性型がある。

 

脳神経障害

ウェルニッケ脳炎・・・ビタミンB1の欠乏によって眼球運動障害・歩行障害・

意識障害が主な症状である。しばしばコルサコフ症候群、多発神経炎を合併する。

 

コルサコフ症候群・・・物覚えがひどく悪くなり、最近のことを少しも覚えられない。

覚えていないことを聞かれると作話をして答える。人物、場所、時間の見当がつかなくなる。

 

アルコール小脳変性症・・・小脳虫部のプルキンエ細胞が脱落する。

歩行障害で始まることが多く眼振・筋緊張低下・言語障害・振戦

 

中心性橋髄鞘融解・・・橋中心部に脱髄がみられる。四肢麻痺・仮性球麻痺・意識障害

 

多発神経炎・・・四肢特に下肢末端から始まる左右対称性の知覚鈍麻・

痛み・しびれ感等が認められ、進行すると運動障害を伴うようになる。

 

中毒性弱視・・・徐々に視力が低下して、検査すると視野中心部に見えないところがあるのに気づく。

断酒、栄養摂取によって改善する。老眼や近視で眼鏡をつくるときには、この状態がよくなってからに

した方がよい。

 

胎児アルコール症候群・・・妊娠中に大量のアルコールを引用していた母親から特異的な顔貌・心臓

その他の臓器の奇形・発育障害・知能障害などの中枢神経障害を持った子供が生まれると言われている。

アルコール依存症の母親の出産では、死産の率が高い。

糖尿病・・・インスリンを産生している膵臓が

アルコールによって侵され、インスリン不足に

なることによって起こる。

高血糖と尿糖がみられ、口渇、多飲、多尿、空腹感、体重減少等の症状が出る。

コントロールが悪いと多くの合併症を生じ重症になると、毎日、インスリンの注射が必要となる。

 

癌・・・アルコールを多飲する人には、口から食道にかけての癌、

肝臓癌が多いと言われている。乳癌や大腸癌の危険もある。

 

外傷・・・酩酊したときの事故・転倒・転落などにより骨折や頭部外傷もみられる。

 

社会生活に支障が生じます

家庭崩壊、失職、警察問題、経済的困窮など社会生活上の問題で悩まされるようになります。

進行すると、職を失い、家族にも去られ、友人もいなくなります。

人間関係が悪くなる原因の一つは、アルコール依存症者の病的な考え方や行動にある。

アルコールが入ると次の酒を飲むことしか考えられなくなり周囲に気を配る余裕がなくなる。

これは病気の症状の一つだが、周囲の人からは、自己中心的だと誤解される。

まわりの人の病気に対する無理解も、人間関係が悪化する原因になっている。

飲酒して様々な問題が出るのは酒好きで意志が弱く道徳的に欠陥があると非難したり軽蔑したりする。

 

家庭はどうなってしまうのかな・・・?

 

経済的困窮

飲酒のために多額のお金を使う・借金をする・職を失い収入がなくなるといった

経済的に苦労することが多くなる。

 

役割の移動

父親がアルコール依存症である場合、父親として、夫として、

一家の経済的支え手としての役割を果たすことができなくなる。

妻は、父親の代わりに経済的にも一家を支えねばならず、しっかり者になることが多い為、

アルコール依存症者が家にいなくても家族は

困らなくなる。子供がアルバイトをしたり、

進学をあきらめたりすることも珍しくない。

暴言、暴力

アルコール依存症者は、自分の苦しみを理解してくれない家族に腹を立てる。

家族の存在価値を認めないような暴言を吐いたり、

暴力が絶えなくなったりする場合もある。

こらえかねた家族がアルコール依存症者に対して暴力を振ることもある。

 

家族の問題

家族は「自分にはどこにも問題がない。悪いのは酒害者である」と考えているが、

アルコール依存症についての知識がなく、アルコール依存症者を病人として

みることができない。

真面目にやれば、飲酒問題など起こさないと人格の問題だと考えている人が多いため、

病気を治すという正しい対応はできない。

問題飲酒を繰り返すことに我慢ができず、がみがみ言ったり説教したり非難し、

怒りや恨みを抱くようになり、

『早く死んでくれないだろうか、殺してやりたい』という

アルコール依存症者の存在を認めない気持ちも出て、

世間体の悪い思いをして

近所付き合いも避けるようになる。

職場での問題

アルコール依存症が進行すると、職場で酒臭がしたり、

離脱症状が出ていたり、飲酒していたりする。

そのため初歩的なミスが多くなり飲み過ぎが原因で遅刻や欠勤も目立ち上司から注意を受けることが

多くなったり、アルコール関連の身体疾患で入院のため、長期に欠勤などでついには職を失ってしまう。

新しい仕事についても飲酒問題のため決して長続きせず、転々と職を変え、そのたびに労働条件は

悪くなっていく。最終的には、働くことができなくなる。

警察問題

泥酔、酔っ払った時の暴力、飲酒運転などで警察の厄介になることがよくある。

道徳観念も麻痺し飲み逃げ・わいせつ・詐欺・盗みなどの犯罪で捕まることもある。

 

友人の変化

酩酊時に問題を繰り返すようになると、健康な飲み友達は遠ざかり、

飲み仲間といえば自分と同じ様な問題飲酒者のみとなる。