パーソナリティ障害① ~パーソナリティ障害の基礎知識~

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緘黙症③ 緘黙症を治すためには

第68回 教えて!リス太くん

今日からは、パーソナリティ障害という障害について。まずは基礎知識だよ!

 

パーソナリティ(人格)とは

 

パーソナリティとは、生まれ持った性質をもとに

成長とともに形作られていくもので、生涯を通して変化しにくいものです。

 

しかし、「パーソナリティ障害」とは、人生の一時期において

自分の生活環境に上手く適応できないことが”一時期”続くものです。

人格障害と呼ばれることもありますが、人格の障害ではありません

 

人は成長していく中で、生まれ持っている本人の性質や

周囲の環境が混ざり合って人格を形成していきます。

しかし、中には極端に偏りのあるものの考え方や衝動的な行動など、

他人と違う性質によって社会生活を普通に送れず、苦しんでいる人もいます。

そういった場合に診断される精神疾患がパーソナリティ障害です。

 

パーソナリティ障害は、他者や出来事に対する認識、反応、

および関わり方のパターンに相対的に柔軟性がなく、社会生活の能力が損なわれた状態です

 

行動が奇妙で常軌を逸していたり、演技的で移り気であったり、あるいは不安や抑制を伴います。

否定的な結果が生じるにもかかわらず、不適切な思考や行動が繰り返される場合、

パーソナリティ障害が疑われます。

他にも、過剰な被害妄想、態度が常に演技的、感情のコントロールがきかない

など、様々な症状が知られています。

 

他人を攻撃したり、あえて自分から遠ざけたり、自分を必要以上に否定したり・・・

周囲から見るとどうしてそんな行動をとるのか不思議に思うことが多いのですが、

病気がそれらの行動を引き起こしているのであって、

パーソナリティ障害は単なる性格の問題ではありません

時間とともに回復することもありますが、

放っておくと摂食障害やうつ病など、他の病気を併発する可能性もあるので常に注意が必要です。

 

パーソナリティ障害の原因

 

生まれもっての特性や幼少期のトラウマ、苦難など、

環境の問題が関わっていることが明らかになっていますが、

まだはっきりした原因が分かっていないのが現状です

 

現在分かっているところでは、

その人の生まれ持った性質や遺伝と環境によるものが多いと言われています。

 

環境については、幼いころに体験した虐待や、

母親からの愛着形成をうまく築けなかったことなどが発症につながるとされています。

 

衝動的な行動は、神経伝達物質であるセロトニンが作用する

神経系の機能低下が原因で起こると言われています。

パーソナリティ障害の特徴

 

パーソナリティ障害に共通する特徴として、

発達期から(遅くとも思春期から成人期早期から)その徴候が認められる点や、

認知、感情、衝動コントロール、対人関係といった

パーソナリティ機能の広い領域に障害が及んでいる点が挙げられます。

 

パーソナリティ障害の人は融通が利かず、問題に対して適切に対処できない傾向があり、

しばしば家族、友人、職場の同僚との関係の悪化を招きます。

そして、その徴候が家庭や職場など広い場面で見受けられます。

 

また、アルコール依存や薬物依存などの身体的な問題につながる行動、

自己破壊行動、無謀な性行動、心気症、

および社会の価値観との衝突などを起こす危険性が高くなります。

ストレスが原因で、精神崩壊(通常の頭脳活動すらできなくなる危機的な状態)に

陥りやすいという特徴もあります。

 

パーソナリティ障害の人は、自分の思考や行動のパターンに

問題があるとは思っていない為自分から治療や助力を求めようとはしません。

代わりに、その行動が他の人に迷惑をかけているなどの理由で、

友人や家族、あるいは社会的機関によって医療機関に連れて来られることがあります。

 

 

パーソナリティ障害をもつ人の多くは自己の人生に悩んでいて、

職場や社会環境における人間関係に問題を抱えています。

また、気分障害、不安障害、薬物乱用、あるいは摂食障害などの問題を

同時に抱えている人も多くいるのが現状です。

 

次回は、パーソナリティ障害の分類について見て行こう。

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