アダルトチルドレンとは⑥~克服の道のり~

就労移行支援事業所リスタートの教えて!リス太くんシリーズ

前回までの記事はこちら

アダルトチルドレンに関する記事はこちら

 

第116回 教えて!リス太くん

今日は、アダルトチルドレンから回復するための方法についてだよ

アダルトチルドレン克服の道のり

アダルトチルドレンを克服するために一番大事なことは、

自分がアダルトチルドレンであると気づき、それを認めることです。

自分を見つめ直して行く中で、生きづらさを感じる要因が自分の過去にあるということに気づくと、

過去、あるいは自分の家族へ後悔や憎悪の念が沸いてきます。

 

アダルトチルドレンであると認めるためには、この感情を受け入れる必要があります。

非常に強い負の感情を伴うため、簡単に、すぐに受け入れることはできません。

少しずつ、時間をかけて感情を変化させていかなければいけません。

また、過去を受け入れるのと同様、今の自分自身を受け入れることも重要です。

その中で、「自分は人と違う」「おかしい人間だ」などとマイナスの感情に囚われてしまうかもしれません。

その時、感情に任せてそこを否定してしまったり、あるいは目を逸らしてしまっては、克服することができません。

 

「普通」の人なんてものはありません。誰しも、どこかに偏りがあります。

その偏りは、生きやすさにも生きづらさにもつながっていくものです。

今のあなたが生きづらいのは、たまたまその偏りが生きづらさに繋がってしまっているのが原因です。

その偏りに気が付き、見つめ直して行くことで、ありのままの自分と過去を受け入れることが、アダルトチルドレンを克服する第一歩です。

 

ただし、アダルトチルドレンを回復したいという意志をしっかりと持っておくことは重要です。

過去や、封印していた感情と向き合う必要がありますし、長い時間がかかることも覚悟しなければいけません。

 

自分の感情の発見

アダルトチルドレンの人が生きづらさを感じる理由として、感情や考え方のバランスが崩れてしまっていることを挙げられます。

しかし、考えたり感じたりすることは意識的にコントロールしているものではなく、無意識的、反射的に起こってしまう現象なので、

生きづらさの原因を見つけるのは困難です。

なので、まずは自分の感情と向き合って、生きづらさに繋がっているものを発見しましょう。

 

例えば、仕事などでミスしてしまったときを想像してみてください。

気分が落ち込んで「恥ずかしい」「悔しい」「不安」「自分が許せない」などの感情が浮かんでくるのではないかと思います。

このうち、「恥ずかしい」という感情に注目してみましょう。

恥ずかしく感じるのは、”ミスを起こした自分を見た他者”が恥ずかしいと思うからです。

しかし、この場合の「他者」というのは、あくまで自分の想像でしかありません。

「自分はダメな人間だから」「失敗を繰り返す人間だから」きっと自分は恥ずかしいと思われている

などというように、他者の気持ちを想像し、他者から見た自分を主観で想像して自分を追い詰めてしまっています。

このような主観の偏りが、悪感情を沸き起こす原因となる場合があります。

 

このように、無意識に行っている思考や沸いてくる感情を紐解いていくことが、

アダルトチルドレン克服の第一歩となります。

 

変わらない過去を受け入れる

感情を紐解いていくと、その感情が沸く原因となる自身の傾向、癖のようなものが見えてきます。

そして、その傾向や癖ができたのは、幼少期の生活が元となっていることに気が付くのではないかと思います。

家族や家庭環境、周囲の人間関係などにより取っていた行動の積み重ねが癖を作り、

その癖によって生きづらくなる感情が沸いてくる。

そう気づいたとき、多くの人は自分の過去を強く恨みます。

しかし、過去に囚われていては、アダルトチルドレンを克服することはできません。

過去を思い出し、その時の感情と直面したとしても、その事実をただ受け止める必要があります

そして、過去は変えることのできないものであると認め、現在を良くしていく方法を見つけましょう。

 

できてしまった癖や傾向を、良いイメージに変換する

感情を紐解き、自分の癖が見えてくると、そこから目を逸らそうとしてしまいがちです。

せっかくアダルトチルドレンを認められても、このような癖を見ようとしなければ、克服することはできません。

悪い癖は、良いイメージに変換してしまいましょう。

日常生活の中で、自分の癖によって失敗してしまったとき、どうすれば成功したのかを考えます。

そして、次に同じ場面が来たときには、その成功のイメージを実行してみましょう。

 

もしかしたら、同じ場面が中々来なかったり、いざ機会が来てもイメージ通りにはいかないかもしれません。

しかし、常に良いイメージへの変換を行っていけば、失敗したことによる後悔が軽減され、次同じことをする恐怖も薄れていきます。

 

共感する癖をつける

アダルトチルドレンの人は、他者の言葉に対して共感する前に、自分の感情や考えを口に出してしまう傾向があります。

頭ごなしな賛成や反対の前に、まず共感する癖をつけてみましょう。

共感するとは、相手の意見に合わせるということではありません。

相手がそのような考え方をしている理由や背景について考えてみましょう。

その上で、賛成するか反対するかはあなたの自由です。

 

「こんな背景があって、こんな理由でこのように考えているんだ」ということがわかれば、

様々な価値観を知って、自分の視野を広げることができます。

色々な考え方ができるようになれば、自分の考えに対しての共感もできるようになっていきます。

 

アダルトチルドレンの人は、子どもの頃から自分を守るために反射的、無意識的な反応をしてしまいます。

しかし、このような反応は、自分の成長を阻害してしまいます。

賛成にせよ、反対にせよ、自分の意見を出す前に、相手の意見に共感してみましょう。

 

第二、第三の視点を持つ

人は誰しも、第一の視点、つまり自分が感じたことや思ったことを元にして物事を考えています。

それに加えて、第二の視点である「相手」の視点と、第三の視点である「社会」の視点(一般論)を考えてみましょう。

相手の視点とは、相手が考えていることや感じていることです。

社会の視点とは、一般的に考えてどのような考え、感じ方が多いか、という視点です。

自分の行動を決定する際などに、第一、第二、第三の視点をすり合わせて結論を出すことが重要です。

ただし、この際に「贔屓目」を排して考える必要があります。

偏った考え方をせず、相手や社会の視点も取り入れることによって、自分の考えと客観的な考え方をすり合わせることができます。

しかし、これらの視点から簡単に決められる場合はいいのですが、多くの場合は簡単に結論を出すことができません。

そんな時には、「自分」「相手」「社会」に優先順位をつけて決めます。

その時の優先順位に決まりはありません。

自分の考えに自信がないのであれば「相手」や「社会」の考えを優先してもいいですし、

譲れない部分であるならば、「自分」の考えを優先して問題ありません。

重要なのは、必ずこの3つの視点を取り入れるということです。

それによって理論的、客観的な判断を下すことができ、自分の決断に自信を持つことができますし、

もしも失敗してしまったら、次はこの優先順位を考え直してやればいいのです。

 

焦らずゆっくりと進めていく

アダルトチルドレンを克服するというのは、すなわち自分を大きく変えて行くということに他なりません。

人間の性格はすぐには変わりませんし、まるまる違った人間になることなど不可能です。

失敗したらそれを元に成功に近づけ、少しずつ進んでいけばよいのです。

 

周囲の人や専門家を頼る

アダルトチルドレンの克服は、一人では難しい面も多々あると思います。

そんな時には一人で抱え込まず、信頼できる誰かや専門家に相談しましょう。

カウンセリングや自助会を利用するのも有効です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です