12月9日 教養講座:日本の借金 ギリシャと同じ?

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教養講座

日本の借金

2015年9月の時点で1054兆円

 

国の借金とは国債、借入金、政府短期証券を合わせたものです。

国民1人あたり約830万円の借金となります。

 

近年マスコミや旧大蔵省が日本は破綻すると訴えかけています。

ギリシャ危機と同じではないか、と懸念されているのです。

果たしてそれは本当なのでしょうか・・・?

 

ギリシャ危機とは・・・

 

2010年に欧州委員会がギリシャの統計上の不備を指摘したことが報道され、

ギリシャの財政状況の悪化が世界的に表面化しました。

これに対し、ギリシャ政府は3カ年財政健全化計画を発表しましたが、

その内容があまりに楽観的なものであったため、

格付会社が相次いでギリシャ国債の格付けを引き下げ、

マーケットではギリシャ国債が暴落。

これをきっかけに外国為替市場ではユーロが下落、

世界各国の株価も下落することになり、マーケットは大きく揺さぶられました。

 

 

みなさんはお金を銀行に預けています。

銀行にとって預金は借金ですから、帳簿の上では借金です。

だからその借金を誰かに貸してその分を稼がなくてはいけません。

しかし誰もお金を借りようとしない。預金する人は多くても、

借りる人がいなければ銀行はつぶれてしまいます。

その借りる人がいない分のお金が年間約30兆円くらいあるのです。

そのため、政府がそれを借りています。

みなさんが政府にお金を貸しているということになります。

みなさんが貸しているため、“円”で貸しています。

日本の国債の94%は日本人が買っていて、

残り6%は外国人が買っていますが、その人も“円”だけで買っているので

日本の国債は100%“円”で賄われています。

 

ギリシャと同じ・・・?

「ギリシャと同じになっては大変だ!」と騒いでいる人もいますが・・・

ギリシャは発行している国債のうち、ギリシャ人が買っているのは30%。

残りの70%はギリシャ人が買ってくれないため、国債相場に出しますが、

「信用できない」とのことで誰も買ってくれません。

そのため、ギリシャは金利をあげざるを得なくなってしまいます。

現在は13%くらい。日本は0.9~1.0%。13倍~15倍も違います。

したがって日本の政府が借金をしているのであって、

みなさんが借金をしているわけではありません。

それと、日本の国債は“円”で賄われているため、

いざ満期になったら日本政府がやっていることなので、

日本政府が“円”を印刷して返すだけでいいのです。

外国に返すことになったらドルやユーロに変えなくてはなりません。

ギリシャはみんなそうです。だから日本とは違うのだそう。

 

それに、日本の金利は下がっています。

今は1%くらい。なぜ下がるのか――世界が日本を評価しているからです。

そのため、国債発行高がどんどん増えても日本は破綻していないのです。

 

 

日本の借金を減らすためには、

・日本の富裕層にたくさん消費してほしい。お金を動かして。

・企業が日本に帰ってきてほしい。輸入に頼りすぎ。

・武器を作って他国に売る。

・国内でビジネスチャンスを作ってほしい。

 

 

<国がやるべきこと>

・国会議員を減らす。

・ベンチャーを応援する。

・観光に来る人を増やす。

・スポーツやギャンブルを発展させる。

 

などの意見が出ました。

お金が動くように何か政策を打ってくれるといいですね。

 

読解

貨幣の機能、多様な競争も

 

今日の記事は、電子的記号に過ぎないにもかかわらず価値を持つ、「仮想通貨」についてです。

仮想通貨は、現金やモノとの交換が約束されていません。

そのため何の裏付けもない電子データであるにも関わらず、価値を持つものとして取引が行われています。

仮想通貨が価値を持つのは、皆が価値のあるものと思っているから、というのが理由になるのですが、

中央銀行に持って行ったからとて他の何かと交換してくれるわけではないという点では、今の中央銀行券と変わりありません。

 

貨幣の役割としては、物々交換の際にお互いに相手が欲しいものを持っていないと成立しないことから、

欲しいものの代わりとして貨幣を使ってやり取りする、ということが挙げられます。

そのため、貨幣には誰もが受容しやすい財や資産であるという「一般受容性」

転々と流通していくため、価値が消耗せず貯蔵できる「価値貯蔵手段」

取引手段として共通に使われるため、価格の計算単位として用いられる「計算単位」

という3つの性質を満たすことが望まれます。

 

この中でも本質となるのが「一般受容性」となるのですが、

各国で仮想通貨を支払いに使える範囲があまり広くないということが、

仮想通貨の一般受容性が高くないということを表していると言えるでしょう。

 

しかし、重くて使いにくい硬貨に比べ、電子データの入ったカードなら便利であるなど、

利便性の面では仮想通貨が勝っていることも多くあります。

ポイントカードのように貨幣的なサービスとビッグデータを結びつけるなど、

様々なサービスが貨幣サービスと結びついて新たなサービスが生まれる可能性は十分にあります。

 

この記事を読んで

・複数の貨幣サービスが並立したら混乱しそう
・仮想通貨が普及したら、レジの混雑がなくなるなど利便性は高い
・仮想通貨を使った履歴が残ることは危険性があり、プライバシーの侵害にもつながる
・通販サイトで履歴を元におすすめ商品を出してくれるように、便利なサービスにもつながる
・目で見える現金であるからこそ価値があり、高額のものを買った時の喪失感なども必要
・欲しいものと交換する貨幣の裏付けとしては、政府のみに絞ったほうが信用できる
・今の日本は、お金が手段ではなく目的となってしまっている。

などの意見が出てきました。

 

もしもこの先、仮想通貨がメインとなることがあれば、貨幣を持ち運ぶ必要はなくなるのかもしれません。

しかし、購入履歴などを記録されることは、便利であると同時に悪用の危険なども考えてしまいますね。

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