食事でストレス対策!? ストレス対処の食生活八箇条
前回までの内容はコチラ
リス太:前回は、運動によってストレス反応の暴走を防ぐ、という話をしたよね。
K君:自律神経の興奮を抑えるだけでなく、脳の構造を変えて暴走を抑制してくれるんだよね。
リス太:うんうん。今回は、運動と同じく健康な生活を送る上で欠かせない、「食事」についての話だよ
K君:食事の内容でも、ストレスへの対策ができるの?
リス太:そうなんだ。ストレス対処の効果が期待されている食品として、まず挙げられるのが「魚」だよ!
魚を食べてストレスから心と体を守る!
リス太:様々な研究から、「n-3系不飽和脂肪酸」と呼ばれるものが、精神疾患の予防や治療に明らかな効果があるとわかっているんだ。
この「n-3系不飽和脂肪酸」の代表と言えるのが、EPAやDHAと呼ばれる物質だよ。
K君:あっ!聞いたことがある!頭がよくなるっていう成分だよね?昔、魚を食べたら頭がよくなるって歌も流行ってたな~!
リス太:これらの物質は、血液をサラサラにして動脈硬化を防いだり、血液中の中性脂肪を下げて糖尿病を防いだり、というような生活習慣病への予防効果がよく知られているんだけど、実はストレスや心の病にも効果があることがわかってきたんだよ。
ストレスが積み重なると、脳の海馬が損傷してしまう、という話は前にしたよね?
K君:うん。ストレスによって海馬が小さくなって、心の病にも繋がってしまう可能性があるんだったね。
リス太:実は、DHAやEPAは、脳の神経細胞膜の重要な構成成分なんだ。
さらに、海馬などで神経細胞に栄養を与える活動を高めることもわかっているんだよ。
K君:そうか!それで、魚を食べることでストレスによる脳の損傷を抑えることができるんだね!
リス太:ちなみに、魚を食べると頭がよくなる、というのも、脳の神経細胞にあるDHAなどの数を増やすことで、認知症の改善などに役立つと言われていることから来ているよ。
食生活でストレスに退所しよう。
K君:魚以外には、ストレス対処の効果が期待できる食べ物や飲み物はないの?
リス太:そうだね。枝豆やほうれん草、レバーに含まれている葉酸や、肉や魚に含まれているビタミンB12にもストレス対処の効果が期待されているよ。
それから、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌によって腸を整えることで、気分がよくなる作用も報告されているよ。
飲み物では、緑茶に気分改善作用があって、緑茶をよく飲む人は、飲まない人に比べてうつ症状が少ないという研究結果もあるね。
K君:すごい!今の科学には、ストレスや心の病を対処するための食生活に関するデータがそんなにあるんだね!
リス太:これらは「精神栄養学」なんて呼ばれていて、すでにうつ病治療などの治療現場にも取り入れられ始めているんだ。
最後に、精神栄養学に基づいた、ストレス対処の食生活八箇条を紹介するよ!
実践!ストレス対処の食生活八箇条!
一 食事は規則正しく、ゆっくりと
二 十分な水分補給、特に緑茶を
三 魚は週に三回程度
四 ナッツ、アボカド、オリーブの脂肪が良い
五 玄米などの全粒穀物を
六 緑の野菜や、レバーで葉酸を
七 乳酸菌、ビフィズス菌で腸を元気に
八 砂糖や塩分・アルコールは控えめに
リス太:規則正しく食事をとるのはもちろんのこと、特に朝食を美味しく食べることが重要だよ。
K君:水分補給はジュースではなくて、緑茶やミネラルウォーターを選んだほうがいいんだね。
リス太:精白などの処理をしていない全粒穀物からは、ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富にとることができるから、意識してみよう。
K君:砂糖や塩分・アルコールは控えて・・・こうしてみると、いわゆる健康的な食事とあまり大きく違うわけじゃないんだね。
リス太:そうなんだ。食生活を乱さず、バランスよく食べることが、身体と心、両方の健康に効果的なんだよ。