うつ病になる前に、認知行動療法で対策を!

前回までの内容はコチラ

 

ストレスコーピングと認知行動療法

リス太:K君、ストレスコーピングは実践してるかな?

K君:ストレス解消法をリストアップして、ストレスの種類に応じてどう対処すればいいか判断していくってやつだよね。うん!やってるよ。

リス太:今日は、コーピングについてもう少し詳しく見て行くよ!

コーピングのやり方は、ここを見てね!

K君:詳しくっていうと、どんなこと?

リス太:自分のストレスを観察して、それに見合う対策を行う・・・一見安易に感じるかもしれないけれど、実はそのバックグラウンドにはしっかりとした理論と実践の積み重ねが存在しているんだ。

K君:理論?実践?? なんのことだろう?

リス太:「認知行動療法」だよ。

うつ病の再発予防やパニック障害の治療などに高い効果が認められていて、臨床心理学の主流にもなっているんだ。

K君:すごい! 認知行動療法って、どんなものなの?

 

認知行動療法でストレスに対処!

リス太:認知行動療法は、簡単に説明するなら「本人の認知や考え方を変えることで問題を解決する」治療法だよ。

K君:認知や行動のパターン・・・? う~ん、難しいなあ。

リス太:例えば・・・「仕事場は完璧に整頓されてないといけない」っていう考えの人がいたとして、その人の職場がちょっとだけ散らかっていたとしたら、どう感じると思う?

K君:「完璧に整頓」されてないといけないと思っているんだから、「掃除しないと」とか、「許せない」って気持ちになっちゃうんじゃないかな?

リス太:そうだよね。そして、そういう気持ちって、ストレスになると思わない?

K君:確かに! そうしたら気分はどんどん悪くなっちゃうし、もしかしたら血圧が上がったりなんて身体症状にも繋がるかも・・・。

リス太:うんうん。でも、このストレス反応って、元を辿れば「完璧に整頓しないといけない」っていう考え方が原因だよね?

こういう、考え方の「癖」を見つけて、それに対処していくっていうのが、認知行動療法の考え方なんだ。

K君:「○○するべき」と思っているのにその通りにならないのってストレスだもんね。

リス太:他にも、「他人は信用できない」とか、「どうせ自分は嫌われる」とか。認知の癖は色々なものがあるんだ。

まずは自分を客観的に観察して、どんな認知の癖があるのかを知ることができれば、それに合わせた対策を講じて、ストレスを抑えることができるよね。

K君:あっ!! ストレスを感じている自分を客観視して、自分にあった対策をする・・・ストレスコーピングとそっくりだ!

リス太:でしょう? ちなみに認知行動療法は、その名の通り、認知だけでなく自分の「行動」と「気分」の関係にも着目してストレスを減らしていくよ。

 

閾値下うつと行動療法

リス太:「行動」と「気分」に注目したストレス対策の一つとして、うつ病の予防についても紹介するね。

K君:うつ病の・・・予防?

リス太:K君は、「閾値下うつ」って聞いたことがあるかな?

K君:うーん、知らないなあ。 名前からすると、うつ病になりかけみたいな感じ?

リス太:K君、鋭いね! 閾値下うつは、うつと健常の間の状態。言ってみれば、うつ病の予備軍のような状態なんだ。

ある大学で行われた調査によれば、健常が84.1%。0.6%がうつに対して、閾値下うつは15.3%にも上っていたんだ。

K君:ええっ!6、7人に1人もいるんだ!?

リス太:自分にどれくらいストレスが積み重なっていて、その結果心がどんな状態になっているか、自分で把握するのは難しいんだ。

仕事や家事、育児で忙しいときなんかには、自分で思っている以上に心や体は危険に晒されているかもしれないんだよ。

K君:そんな・・・! 何か対策はないの?

リス太:うつ病を発症してから健常な状態に回復するまでには、時間や労力、費用が掛かるし、完全な回復は難しいケースもあるんだ。

でも、閾値下うつの段階で治療に取り組めば、少ない時間や労力で健常な状態に戻れると言われているよ。

K君:いったいどんなことをすればいいの?

リス太:ここで役立つのが、認知行動療法の一部、行動療法なんだ。

やり方はコーピングとよく似ているんだけど、まずは気分が上がる方法をリストアップするよ。

K君:「本を読む」「買い物をする」「音楽を聴く」などだね。

リス太:そして、行動療法ではこれらの行動が与えてくれる喜びや達成感を10点満点で採点するんだ!

どんな行動がどんな成果に繋がるのか、点数をつけることで客観的に見えるようにするのが目的なんだよ。

K君:やる前は気分が乗らなくても、やってみたら気晴らしになるかもしれないし、家にずっと閉じこもっているよりも、いろいろなことに挑戦したほうが気分が上がりそうだね。

リス太:そして、行動療法ではこれらの行動が与えてくれる喜びや達成感を10点満点で採点するんだ!

閾値下うつの人たちを対象に、行動療法を行ったグループと行わなかったグループで分けた実験では、後者のグループが5週間経っても気分の落ち込みに変化がなかった一方で、前者のグループはほとんどの人が健常なレベルまで回復したんだって!

K君:すごい! 自分にとってのストレスの対策を考えるのが大切なんだね

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