影響が続く子ども時代のストレス
前回までの内容はコチラ
幼少期のストレスに要注意!
リス太:これまで、ストレスによって起きる様々な悪影響や、その対策についてやってきたよね。
K君:身体的にも精神的にも、ストレスによって引き起こされる病気や症状はたくさんあったけど、その対策方法も日々研究が進んでいたね。
リス太:ここでちょっと思い出してほしいんだけど、ストレスに強い人と弱い人の違いは、何によって決まるんだったっけ?
K君:ええと、遺伝とか、考え方の癖とか・・・
リス太:うんうん。じゃあ、一番大きな理由であると考えられているのは?
K君:生まれ育った環境や、子どもの時のストレス・・・だったよね?
リス太:その通り!詳しくは、『子ども時代のストレスは大人になってから影響が出る!?』の記事で紹介しているよ。
今日は改めて、子ども時代にストレスを受けるとどんな問題が出てくるのか見て行こう。
復習!子ども時代にストレスを受けると、ストレス反応が大きくなる
リス太:まずは以前の記事の復習から!
子ども時代に強いストレスを感じると、どんな影響が出てしまうのか、K君、覚えてる?
K君:ええと、脳にある扁桃体っていう部分が、小さなストレスにも敏感に反応しやすくなってしまうんだったよね。
リス太:その通り!そのために、同じストレスを受けたとしても、他の人よりも大きなストレス反応を受けたり、より長引いたりするんだ。
K君:いじめとか、虐待とか・・・子ども時代にそんな大きなストレスを受けるだけでも辛いのに、その影響が大人になっても続いてしまうなんて・・・。
リス太:この、子どもの時に受けたストレスが後々まで影響してしまう理由に関しても、研究が続けられているんだ。
子ども時代のストレスは、「報酬系」に悪影響を及ぼす
リス太:「報酬系」っていう言葉があるんだけど、聞いたことはあるかな?
K君:ほうしゅうけい? う~ん、知らないなあ。
リス太:報酬系とは、様々な欲求が満たされた時や、満たされるとわかったときに、報酬となる快感を与える神経系のことだよ。
例えば、おいしい物を食べて嬉しくなるのもそうだし、人前でのスピーチが終わってほっとする感覚もそうなんだ。
それから、例えばこの仕事を頑張れば給料がもらえる、っていうみたいに、報酬を期待することで疲労などを抑えて行動することにも繋がっているよ。
K君:報酬系があるから、僕たちはそれを手に入れるために頑張ろうって気持ちになれるんだね。
リス太:ところが、子どもの頃に強いストレスを受けると、この報酬系の働きに悪影響が及んでしまうんだ。
K君:ええーっ? そうするとどうなっちゃうの?
リス太:報酬系には、ストレス反応が起きにくくする働きや、起きてしまったストレス反応を抑える働きがあるんだ。
ところが、子ども時代のストレスによってこの働きが弱まってしまうので・・・。
K君:扁桃体への悪影響と同じように、ストレス反応が大きくなったり、長く続いたりしてしまうんだね。
リス太:報酬を感じられるようにするのは難しいけど、ストレスの原因を知り、対処することはできるはず。
子どもの頃にどんなストレスを受けたのか分析するよりも、まずはストレスへ対処する方法を知るのが大事なんだ。