子どものストレスと家庭環境

前回までの内容はコチラ

 

ストレスの影響を受ける遺伝子

リス太:前回、子ども時代のストレスによって報酬系に悪影響が出るという話をしたよね。

K君:報酬系がちゃんと働かないと、ストレス反応が大きくなってしまうんだよね。

リス太:子ども時代のストレスの影響はそれだけじゃないんだ。

実は、遺伝子にもある重大な影響が出てしまうんだよ。

K君:遺伝子に影響!?

リス太:ストレスが多い人は、ある遺伝子の変化が進んでいたんだ。

しかも、その変化には、子どもの時からのストレスが影響していたんだよ!

K君:ストレスによる遺伝子への影響かぁ・・・うーん、なんだろう?

リス太:その答えは、「老化」なんだ。K君、ストレスのせいで白髪が増えるなんて話聞いたことないかな?

K君:そういえば、そんな話、聞いたことあるかも・・・。

リス太:細胞の年齢と実年齢には差があるんだけど、それにはストレスが関係しているということがわかっているんだ。

重いストレスを長期間経験している人は、実年齢よりも細胞年齢がずっと歳をとっていることが多いんだって!

K君:ストレスによって白髪が増えるのは、細胞の老化が進んでしまっているからなんだね。

 

家族とのコミュニケーションでストレスを防ぐ

リス太:心身が成長する途中にある子どもたちは、人間関係や、様々な出来事に強く影響を受けてしまう。

でも、それは必ずしも悪いことばかりではないんだ。

K君:そうなの? だって、影響を受けやすいから、強いストレスを受けてしまうんだよね?

リス太:うん。でも、それは逆もまた然りなんだよ。

K君:逆・・・? あ、そうか!子どもはストレスの影響を受けやすい一方で、ストレスの予防や対策をしっかりすれば、その影響も強く出るんだ。

リス太:その通り! そして、子どものストレスへの対策として注目されているのが、「家族のコミュニケーション」なんだ!

K君:家族のコミュニケーション・・・っていうと、親と子が話したりってこと?

リス太:そうそう。 これについて、アメリカで行われた実験があるんだ。

十一歳の子どもたちを対象に、週に一回、七週間に渡って家族の一人に学校に来てもらって、そこで子どもと一緒にコミュニケーションの取り方、薬物、非行などの問題について一緒に話し合い、解決するというトレーニングを行ったんだ。

K君:家族でコミュニケーションをする場を作ったんだね。

リス太:八年後、トレーニングをしたグループとトレーニングをしなかったグループを比較したところ、トレーニングをしたグループの子どもは炎症反応という身体の反応が低く留まっていたため、ストレスの悪影響を抑えられていると判明したんだ。

K君:家族によって、子どもはストレスから守られるんだね。

リス太:一方で、子どもに一番大きなストレスを与えてしまう可能性があるのも家族なんだ。

K君:確かに、小さい頃を思い返してみると、友達と喧嘩してしまったり、学校で何か問題が起きた時よりも、家族との問題の方が嫌だったかも・・・。

リス太:家族がいいコミュニケーションを築けていれば、子どもをストレスから守ることができるけど、家族で上手くコミュニケーションが築けないと、子どもの幸せや健康を損なうことに繋がってしまうんだよ。

K君:家庭環境は、子どもにとって、人生の分かれ目と言ってもいいくらい大事なものなんだね。


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