リス太と学ぶ認知行動療法 ~考え方のパターン③「他者を脅威とみなす考え」~

前回までの「リス太と学ぶ認知行動療法」はこちらから

「自分に対する否定的な考え」「完璧主義の考え」とやってきて、何か変化はあった?
少しずつだけど、自分の考えを見直して、「別の考え」について考えられるようになってきたよ。
おお!それは素晴らしいね! それじゃあ今日は最後の非機能的な考え方、「他者を脅威とみなす考えのパターン」についてみてみよう!

 

他者を脅威とみなす考え

他者を脅威とみなす・・・なんだかちょっと、「自分に対する否定的な考え」と似ているような?
いいところに気が付いたね!
「自分に対する否定的な考え」が、「私は何もできない」なんて自分のことを決めつける考え方なのに対して、こちらは「この人は私のことを嫌っている」なんて風に、他者のことを決めつける考え方なんだ!
むむ、前回、完璧主義の例として出た僕の自動思考に、そんなところもあったような・・・
それじゃあ、もう一度見てみようか。
この部分だったね。
出来事 仕事の出来栄えについてイヤミを言われてしまった
感情 憂鬱 点数 80点
自動思考 簡単な仕事なのに満足にできないなんて、僕は役立たずだ!
あのお客さんにも嫌われているに違いない!
前回は、「簡単な仕事なのに満足にできないなんて、僕は役立たずだ!」っていうところが、「完璧主義の考え」になっているって話だったけど・・・。
そのすぐあと!「あのお客さんにも嫌われているに違いない!」ってこれ、まさに「他者を脅威とみなす考え」・・・だよね?
そう。その通りなんだ。たまたま、ミスをしてイヤミを言われてしまったことから、「そのお客さんに自分は嫌われている」と考えてしまっている。
でも、本当にそうなのかな?
言われた時にはそうとしか考えられなかったけど、よくよく考えると、いつもは嫌みを言うこともなかったし、明るく対応してくれてたんだ。
もしかして、たまたま虫の居所が悪かっただけなのかも・・・。
失敗して不安になると、現実以上に相手を怖い人間と考えてしまい、不安をエスカレートさせてしまう・・・
これが、「他者を脅威とみなす考え」なんだ。
不安から、他の人の言動を悪くとらえてしまって、それがより大きな不安の原因になってしまうんだね・・・。
このような不安は、人間関係において多くの人が持っているものなんだ
でも、不安が大きくなりすぎると、人付き合いの欠かせない日常生活はどんどん苦しいものになってしまうんだよ。
「他者を脅威とみなす考え」にはこんなものがあるよ。

 

・この人は私を嫌っている
・この人は私を軽蔑している
・この人に陥れられたらどうしよう
・この人は信頼できない
・この人は私の言動を良く思っていない
・この人にひどいことをされたらどうしよう

「他者を脅威とみなす考え」をやめるには、どうしたらいいの?
そんな時は、冷静に相手のことを考えて、より現実に即したイメージを作るんだ。
そうすることで、「他者を友好的にみる考え」のパターンを作れれば、不安な気持ちを和らげることができるはずだよ。
さっきの、「自分のことを嫌いなのではなく、たまたま虫の居所が悪かったんだ」っていう考え方みたいな感じだね!
そうそう。その調子で、さっきの「他者を脅威とみなす考え」を「他者を友好的にみる考え」にしてみよう。
わかった。やってみるよ。

 

・この人は私を嫌っていない。
・この人は私を少しは認めてくれている。
・この人は私を陥れようとは思っていない。
・この人は信頼できる。
・この人は私の言動をそれほど気にしていない
・この人にひどいことをされても、いやだと断れば済む

 

こんな感じかな?
うんうん。他者を恐ろしく感じた時には、まず一度、本当にその人が脅威なのか、自分に対して害をなそうとしているのか。冷静に考えてみよう!

 

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