リス太と学ぶ認知行動療法 ~関係満足度評価~

前回までの「リス太と学ぶ認知行動療法」はこちらから

今日でチェックリストの紹介は一旦終了だよ!
うつ状態、不安調査と来たわけだけど、最後はどんなチェックリストかな?
今日紹介するのは、関係満足度評価だよ。
これは、もっとも親しい人との関係に、どのくらい満足しているかを知るためのものなんだ。
親しいっていうと、夫婦や恋人とか?
友人や家族、同僚でもOKだよ!
異性関係にも、同性関係にも適用できるから安心して!
親しい人が思いつかない場合はどうすればいいの?
そんな時には、一般的な他者との関係を考えてやってみてくれれば大丈夫だよ!

 

関係満足度評価の効果

これから先は、親密な関係に焦点を当てて認知行動療法をやっていくことになるの?
いいや、直接焦点を当てるわけではないんだ。
でも、うつや低い自尊感情は、結婚関係や家族関係、仕事上の対人関係などの問題から生じることが多いんだよ。
そうか、だから親しい人との関係に満足しているかどうかを知る意味があるんだね。
でも、どうして対人関係の問題がうつなどに繋がってしまうんだろう?
それは、ほとんどの人が、他者から気遣われて価値を認められることに自尊感情の基礎を求めているからだよ。
例えば、「寂しい」「愛されていない」っていう風に感じたら、悲しくなるのは当然のことでしょ?
確かにそうだね。関係満足度評価、やらなくっちゃって気持ちになってきたよ。
それじゃあ、さっそくやってみようか!

 

関係満足度評価

あなたのもっとも親しい関係において感じている満足度について、もっとも当てはまるレベルのものを右から選んでください。


とても
不満足

ある
程度
不満足

やや
不満足

普通

やや
満足

ある
程度
満足

とても
満足
1.コミュニケーションと率直さ

2.衝突や論争の解決

3.愛着と気遣いのレベル

4.親密さと親近感

5.その人との関係における自分の役割に対する満足度

6.相手の役割に対する満足度

7.その人との関係についての全体的満足度

 

点数の合計 満足度レベル 人間関係に問題のある人でこれ以上の合計点を示した割合 人間関係がうまく行っている人でこれ以上の合計点を示した割合
0 - 10 極度に不満足 75% 100%
11 - 20 とても不満足 35% 95%
21 - 25 かなり不満足 25% 90%
26 - 30 ある程度不満足 15% 75%
31 - 35 ある程度満足 5% 50%
36 - 40 かなり満足 1% 10%
41 - 42 とても満足 1%以下 1%以下

 

点数表の使い方

右の2つのパーセンテージはなに?
これは、人間関係に問題があると感じている人と人間関係がうまく行っていると感じている人それぞれがこのテストを受けた時に、どれくらいの点数が多かったかの統計データなんだ。
この点数表は、どんなふうに見ればいいのかな?
例えば、得点の合計が31-35点の間だったとするよ。 そうしたら、満足度レベルを見ると「ある程度満足」できていることがわかるね?
うんうん
その隣を見ると、「人間関係に問題のある人」でそれ以上の点数を示したのは5%だけになってるよね?
これはつまり、人間関係に問題のある人の95%よりも、人間関係に満足できているってことになるんだ。
でも、その隣は50%なんだね
そうなんだ。「人間関係がうまく行っている人」の50%は、より高い点数を示しているとわかるね。
これらの情報を統合することで、「関係にはまずまず満足しているものの、まだまだ改善の余地はある」っていうことが読み取れるんだ。
そうか。あえて相対的に評価することで、人間関係が自分に与えている影響や、どれくらい改善の余地があるかの尺度にできているんだね。

他者との関係が悪いことを示すものではありません!

これだけは注意!
関係満足度評価は、あくまで自分が対人関係に不満を持っていて、改善の余地がある、ということを示すためのものなんだ。
誰かとの関係が悪いとか、問題の責任が誰にあるかを探すとか、そういうものではないってことだね。
逆に言えば、夫婦の関係がどれだけ「良い」か測るとか、「適切」な人間関係ができているかとか、そういうことでもないよ
対人関係に関する、自分の満足度を測るためのものとして考えてね!

 
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