リス太のビジネスマナー講座 ~このあいさつ、どうして使うんだろう?~

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さて、前回に続いてあいさつの話をしようかと思うんだけど、K君は何か他に、あいさつについて疑問はある?
あいさつについての疑問かぁ・・・あ、そうだ。
取引先と電話やメールをするときに、「いつもお世話になっております」って言うように教わったんだよ。
色々な職場で使われている、定番のあいさつだね。それがどうかしたの?
うん、僕が会ったことがある人なんかに使うのはわかるんだけど、僕が初めて電話をかける相手なんかにも使うのは、変じゃないかなって思ってたんだよね。
なるほど! それじゃあ今日はその話からしていこう!

初めて接する人にも「いつもお世話になっております」とあいさつするのはなぜ?

さて、それじゃあ考えてみよう。
会社というものは、製造した製品やさまざまなサービスを顧客に提供して、その対価として利益を得ているわけだ。
K君への給与もここから支払われている。それはOKかな?
うん。顧客に製品やサービスを利用してもらうことで売上が上がって、その利益から労働への報酬が支払われるっていうシステムだね。
さて、それじゃあ、会社の一員として人と会うとき、K君はどんな風に挨拶してる?
どんなって、ええと、「リスタート商事のKでございます」って感じ?
そうだよね。そうすると、K君は会社の代表として相手と話をしているってことになるわけだ。
そこで考えてほしいんだけど、もしもK君がその人に会うのが初めてだったとしても、リスタート商事とその人には、以前からの付き合いがある場合もあるよね?
確かにそうだね。相手からすれば、僕は「K君」という個人じゃなくて、「リスタート商事の社員」になるんだ。
そう!それこそが、初めてやり取りする相手にも「いつもお世話になっております」っていうあいさつを使う理由だよ!
そうか! 直接会ったことはなくとも、会社の製品やサービスに関わる相手はイコール僕もお世話になっている相手っていうことになるんだね!
その通り! だから、感謝の気持ちを込めてあいさつするのは当然のマナーということになるんだよ。
社外の人に対して「いつもお世話になっております」ってあいさつすることについてはわかったよ。
でも、社内の人から言われたこともあるんだけど、これはどうしてだろう?
社内であっても、部署対部署で仕事の関係や連携がある場合があるからね。そうなれば、社外の人が相手の場合と同じように、直接の面識がなくてもお世話になっているってことになるでしょ?
なるほど! これまで、自分個人の目線でしか考えていなかったけど、会社や部署、所属しているチームの一員としての目線で考えて対応していく必要があるんだね!

朝であっても「お疲れ様です」ってあいさつするのはなぜ?

そうだ、もうひとつあいさつについて疑問があったんだ。
ん?どんなことかな?
「お疲れ様です」っていうあいさつについてなんだけど、「お先に失礼します」に対する返しで言う場合や、夕方以降にすれ違った時に言うのはわかるんだけど、午前中や朝に使っているところもよく見るんだよね。
まだ仕事が始まったばかりで疲れていない時間に言うのは、なんだかヘンじゃないかなって思って気になってたんだよ。
なるほど。確かに、K君の疑問はもっともだね。
実は、「お疲れ様です」という言葉は、その言葉そのままとは別の意味で使われている場合があるんだよ。
ええっ?どういうこと?
「お疲れ様」っていう言葉、意味としては相手の労をねぎらうものだから、何か仕事を終えたりしたときに使うのが本来の使い方だよね。
うん。そういうイメージだよ。
でも、企業によっては、この「お疲れ様です」という言葉があいさつとして使われている場合があるんだ。
つまり、「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」という代わりに「お疲れ様です」を使うっていうことだね。
時間帯によって使い分けることをせずに、「お疲れ様です」であいさつを統一してるんだね。
でも、どうして「お疲れ様」なんだろう?
企業によっても考え方は違うだろうけれど、社会人はみんな、毎日頑張って働いているから、その日は始まったばかりだとしても、「いつも忙しく熱心に働いていてお疲れ様です」っていうような意味が含まれているのかもしれないね。
確かに、毎日頑張っていることをねぎらう言葉って考えると、違和感もないかも。
そういえば、「ご苦労様です」は目上の人には使えないけど、「お疲れ様です」は使って大丈夫なんだよね?
うーん、そうだね。現在では、多くの企業では「お疲れ様です」は目上の人にも使える丁寧な言葉として扱われているよ。
ただし、元々は「お疲れ様です」も「ご苦労様です」と同じく目上の人が目下の人をねぎらう言葉だったと言われているんだ。だから、目上の人に「お疲れ様です」を使うのは失礼だとする企業もあるから注意しよう。
ええっ?知らなかったよ・・・。
企業によっては、「お疲れ様」という言葉自体、疲れていないのに疲れた気分にしてしまうから、と禁止している場合もあるんだ。
だから、新しい職場に来たら、そこで働いている人たちのあいさつを確認して、その場にあったあいさつを使えるようにしよう!
あいさつって、奥が深いんだね・・・。 適切なあいさつができるように、練習しておこうっと!

 

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