リス太と学ぶ認知行動療法 ~考えに含まれる歪んだ思考を見つけよう!~

前回までの「リス太と学ぶ認知行動療法」はこちらから

さて、前回は歪んだ思考について話したわけだけど、覚えているかな?
ええと、いやな気分になっているときの考えは、それがどんなに真実に見えたとしても、歪んでしまっていることが多い、んだったよね?
それで、考え方が変われば、浮かんでくる気分も変えることができるって。
その通り! 歪んだ思考は10種類紹介したよね。
全か無か思考・一般化のしすぎ・心のフィルター・マイナス化思考・結論の飛躍・拡大解釈または過小評価・感情的決めつけ・「べき」思考・レッテル貼り・責任の押し付け だね。
それじゃあ今日は、それらの歪んだ思考がどんな風に表れるのか見ていこう!

 

この考え、どんな歪んだ思考が含まれている?

それじゃあ、早速だけど、次の例を見てみて?

 
 
Aさんは、勤めていた会社の業績が不振なために、何人かの仲間と一緒に解雇されてしまい、次のような考えを持ちました。
「私はいつも負けてばかりいる人間だ。もう次の仕事は見つからないだろう。私は家族をがっかりさせるだろう。」

この考えについて分析していこう! どんな歪んだ思考が含まれているかな?
うーん、こんな感じかな?

 
 

全か無か思考 「いつも負けてばかり」と、完全な敗北者かそうでないかの二分して考えている。
心のフィルター 仕事を失ったことばかりを考え人生観全体に影響を与え、他の可能性が見えなくなっている。
マイナス化思考 失敗ばかりではなく、人生の中では成功もあったはずであるにも関わらず、過去の成功や自分の資質が見えなくなってしまっている。
結論の飛躍 根拠もなく、次の仕事は見つからないと悪い方向に予測を立て、また家族はがっかりすると決めつけている。
拡大解釈または過小評価 仕事を失ったということを拡大して捉え、未来の悲観に繋がっている。
感情的決めつけ 自分で「いつも負けてばかりいる人間だ」と感じたことで、実際にそうであると決めつけている。
「べき」思考 「常に自分は成功すべきであって失敗してはならない」「良い人間が努力すれば必ず人生は上手くいくべきである」等と思い込んでいる可能性がある。
レッテル貼り 「いつも負けてばかりいる人間」であるというレッテルを貼ることにより、状況の改善や新しい仕事を見つける方法について考えることを放棄している。
責任の押し付け 解雇された責任が自分にあると押し付けているが、実際には同時に多くの社員が解雇されており、不景気が原因であってAさんの業績が特別悪かったわけではないと考えられる。
なんだか、ほとんどの歪んだ思考が含まれているような・・・これであってるのかな?
うん。大丈夫だと思うよ。歪んだ思考は、複数のものが合わさって含まれている場合もあれば、特定のものが強く影響を及ぼしている場合もあるから、注意して確認しよう!
それじゃあ次は・・・何をするんだっけ?
次は、否定的な思考に代わる、合理的思考を考えていくよ!
合理的思考?
うん! 歪んだ思考が否定的な思考を作り出しているわけだから、その歪みを正して、「合理的な」考え方をすることで、マイナスの感情を和らげることができるんだ!
おおー、それはすごい!
それじゃあ続きはまた来週やっていこう!

 

restart_banner