リス太と学ぶ認知行動療法 ~思考の歪みを取り除く15の方法②~

前回までの「リス太と学ぶ認知行動療法」はこちらから

さあ!今日は前回の続きだよ!
思考の歪みを取り除く方法だね?
残り7つ、一気に行くよー!

 

9.垂直矢印技法

まずは、矢印を使った方法を紹介するよ!
矢印を? いったいどうやるの?
否定的思考に反論する代わりに、その下に矢印を描いて、「もしこれが真実なら、なぜ私は動揺するのだろう? 私にとってこれはどんな意味があるのだろう?」っていう風に、自分に問いかけるんだ。
なるほど・・・。潜在的な思い込みに繋がっている、一連の否定的思考を描き出すわけだね。

 

10.灰色の部分があると考える

灰色の部分・・・ってつまり、白でも黒でもない部分ってことだよね?
その通り。これは、全か無か思考への対抗策だね。
仕事などで失敗したときに、自分を完全な敗者だと決めつけずに、「自分の長所と短所は何だろう?ポジティブな資質は何だろう?どんな欠点を修正すればいいのだろう?」なんていう風に考えてみよう!

 

11.言葉を定義する

この技法では、「この言葉の本当の意味は何か?」と自分に問いかけるんだ。
本当の意味?
例えば、自分のことを「完全な敗者」と呼ぶのであれば、完全な敗者の定義とは何か?その定義は本当に意味があるのか?完全な敗者なんてものが、そもそも存在するのか? そう自分に問いかけてみよう。
えーと、人は誰しも失敗することはあるし、本当の意味で「敗者」である個人、なんてものは、存在しないんじゃないかな?
その感じ! そうやって言葉を定義していくことで、考え方の偏りを見つけることができるんだ!

 

12.具体的に考える

これは、事実から離れないことと、全体的な判断をしようとしないこと、と言い換えられるよ
歪みがあるときは、「自分はダメな人間だ」なんて全体的な判断を下してしまいがちだから、事実を元に具体的に考えていくことが重要なんだね。

 

13.言葉を置き換える技法

これは、べき思考やレッテル貼りに効果的な方法だよ。
置き換えるっていうのは、どんな言葉に?
より客観的な、感情的ではない言葉に、だよ!
例えば、動揺して、「自分はなんて間抜けなんだ!あんな失敗をすべきではなかったのに。どうしてこんなにバカなんだろう」なんて考えていたとしたら、どう置き換えるかな?
「あの失敗は、しないほうが望ましかった。しかし、これで世界が終わりになるというわけではない。これによって自分が何を学ぶことができるのか、見守っていこう」 こんな感じかな?
うんうん、いい感じ!

 

14.責任再配分技法

責任の、再配分・・・?
そう。直面する問題の責任を自分のみに帰するのではなく、その原因を作った数多くの要因について考えるんだ。
「この問題の原因は何だろう?私が作った原因は?他人や運命によって作られた原因は?この状況から私は何を学ぶことができるだろう?」なんていうようにね。
自分を責めたり罪悪感を感じている分の活力を問題解決に集中させられるね!

 

15.受け入れの逆説

これまでの様々な方法の多くは、自己弁護の考えに基づくものだけど、これはちょっと違うんだ。
自己弁護って、自分を守るっていうことだよね?
そうだね。否定的思考が不条理なものだと仮定して、それに反論し、誤りを正すことで自分を守って自尊感情を築き上げるんだ。
受け入れの逆説は、それとは違うプロセスのものなんだね。
そう。自己批判から身を守るのではなくて、その中に多少の真実を認めて、受け入れるんだ。
違うどころか、正反対だ!
自分から自分への批判を受け入れて、自分の不完全な部分を知るのは勇気がいることだけど、個人的変革の大切な第一歩となることもあるんだ。

 
 

これですべての思考の歪みを取り除く方法についての説明が終わったね。
今回紹介したのは15個だけど、実際にはまだまだたくさんの技法があるよ
どうしてそんなにたくさんあるんだろう?
それは、それだけ否定的思考を変えるのが難しいから、だね。
人それぞれ、どんな技法があっているかは違うものなんだ。
自分に合った技法を見つけて、対策していけるようにしなくっちゃ!

 
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