リス太と学ぶ認知行動療法 ~調査技法~

前回までの「リス太と学ぶ認知行動療法」はこちらから

実験技法、証拠を探す技法とやってきたけど、今回は「調査技法」についてだよ
「証拠を探す」のと「調査」は、何が違うのかな?
「証拠を探す技法」は、自分の否定的思考を支持する証拠と矛盾する証拠を、頭の中で考えることで探したよね?
うん、そうだったね
「調査技法」の場合は、自分の考え方が現実的かどうかを、実際に調査を行うことで判断するんだ。
実際に調査を? うーん、これまた難しそうだね
調査と言っても、そこまで身構えなくても大丈夫!
やり方を説明するよ!

 

調査技法

考えが現実的かどうかを調査するっていうことだったけど、調査って言ってもどんなふうにすればいいの?
考えの種類にもよるけれど、例えば聞き込み調査だね。
聞き込み調査・・・そんなこと、僕にもできるかな?
聞き込み調査と言っても、相手は知り合いで大丈夫だし、ちょっとしたアンケートのようなものとして聞いてみれば大丈夫だよ!
なるほど!

 

ある抑うつ状態にある男性が、彼の妻は息子に甘すぎると怒っていました。

しかし彼は、自分がどう感じているかを妻と話し合うことには消極的でした。

なぜなら彼には、相思相愛の夫婦は喧嘩や言い争いをすべきではないという思い込みがあったからです。

問題を議論することが妻を遠ざけ、息子がさらに大きな問題を起こすことを恐れ、自分の感情を表現することは危険と考えています。

 

さあ、この「夫婦は喧嘩をするべきではない」という考えが現実的かどうか、調査してみよう!
うーん、現実的かどうかの調査だから・・・そのまま、夫婦は喧嘩をするべきじゃないと思うかどうか、聞いてみるとか?
そうだね、それもいいと思う。
あるいは、円満な夫婦生活を営んでいる友人何人かに、「夫婦喧嘩をしたことがあるかどうか」聞いてみるっていうのもいいんじゃないかな。
そうか! 喧嘩をすると夫婦関係がうまく行かない、と考えているわけだから、夫婦関係がうまく行っている人に、喧嘩の経験があるかどうかを聞いてみるんだね。
その通り! そうしたらきっと、夫婦間で猛烈な言い争いをした経験がある友人もいるだろうし、そんなことは当たり前じゃないか、なんて言われるんじゃないかな?
そうなったら、「普通の結婚説活では夫婦は互いに怒ったり、意見が食い違ったりしない」なんて思い込みと一致しないことになるね。
そう、つまりは、考え方が現実的とは言えなかったわけだね。
うんうん、調査のやり方がわかってきたよ!
これで「調査技法」についてもバッチリだね!
 

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