利用者さんの卒業論文『リスタートでの歩み』

リスタートを今月で卒業となった利用者さんが、最後にリスタートでの生活を振り返り、文章にまとめていただけました!

『卒業論文』というタイトルに違わず、リスタートでの生活やプログラムの内容、就職で役に立ったスキルなどがとてもわかりやすくまとめられています。

ブログでの掲載許可がいただけましたので、ぜひ参考にしていただければと思います!

卒業論文「リスタートでの歩み」

1.リスタートとの出会い

 2016年春。体調を崩し始めてから、約9年。自分なりに模索してみても突破口が見つけ出せず、自分の人生そのものに希望が持てず、でも、死ぬこともできず、どんよりと日々を過ごしていました。

ところで私は猫が大好きなのですが、ある日、以前から気になっていた猫カフェに行ってみることにしました。

猫カフェ自体が初めての体験で、生身の猫に触れたのも久しぶりでした。

猫と一緒に過ごす喜びを思い出し、「また猫を飼いたいな」と、後に思うようになります。

そこの猫カフェのオーナーさんやボランティアさんは、フレンドリーにおしゃべりをしてくれました。

自分の現状を簡単に伝えたところ、保健相談所に行けば地域の就労支援サービスを使える、ということを教えてもらいました。

さっそく自分の住んでいる地域を担当する保健相談所をインターネットで調べ、保健師さんに相談してみました。

そこで一通りの説明を受け、「何カ所か見学に行ってみて相性のよさそうなところを選ぶと良い」とのことで渡された数枚のリーフレット。

その中の一つが、就労移行支援事業所リスタートのリーフレットでした。

リスタートを含めて2カ所の就労移行を見学し、リスタートを利用することに決めました。

リスタートを選んだ理由はいろいろあるのですが、決め手は、「週1回、半日からでもOK」というところと、コミュニケーションスキルについて初歩的なところから訓練させてもらえるところです。

当時の私は体力も無い上に生活リズムが乱れていて、週1回・午後からのカウンセリングに通うのがやっと、日ごろコミュニケーションをとる相手は家族と医師とカウンセラーのみ、という状態だったのです。

ひとくちに「就労移行」といっても事業所ごとに支援のしかたはいろいろで、ある事業所は、「最初から週3回以上の通所ができる方向け。

曜日によって『スーツデー』『私服デー』があり、強制ではないがスーツを用意すること。

活動内容の一例としては、挨拶や面接のロールプレイがある」という内容でした。

ここには、前述のような状態の私には、ちょっとついていけそうにありません(でも、ある程度体力があり「就活に直接役立つスキルを今すぐに身につけたい!」という方には、このような事業所が向いているかもしれません)。

これから通所先を探す方には、複数の事業所を見学して自分に合うところを探すことをおすすめします。

2.通い始めた頃の状態

まず、どういうペースで通うのかを探ることと、生活リズムの立て直しから始めました。

とりあえず最初は、週3回(月・水・金)のペースで通ってみました。

当時の私は、自分の疲れ具合や体調の良し悪しをうまく自覚することができず、さらに頑張りすぎてしまう性質があったため、つい無理に通所しては体調を崩していました。

その後、午後からの通所にしてみたり、午前中のみの通所にしてみたり、参加したいプログラムに合わせて通所時間帯を調整してみたりと、試行錯誤の連続でした。

また、通所を始める前は生活リズムがバラバラで、「特に予定がなければ好きな時間に眠って好きな時間に食事をする」といった生活だったので、たとえ週3回だとしても「決まった時間に決まった場所へ行って人と会う」というのは、慣れるまでが大変でした。

夜は寝付けないし、朝は起きられないし、たくさんの人がいる場に行くのは緊張するし、という状態でした。

でも、「ヒトというのは慣れていく生物だ」というのは本当で、私も少しずつ少しずつ新しい環境に慣れていきました。「無理しすぎない練習」と「頑張る練習」を同時進行でやっていた、というイメージです。

3.どんなプログラムで、何を感じ、何を学んだか

私が主に参加したプログラムは、「読解」「SST」「自己PR講座」「教養講座」「ワークショップ」「レクリエーション」「イベント」、そして「個別課題」です。

読解

「読解」では、新聞記事を読むことで時事問題に触れたり、集中力を高めたりすることができました。

また、新聞記事に対しての感想や意見を発表しあうことで、自分の考えを相手にわかるように話す練習になりましたし、ほかの人の意見を聞いて多様な考え方や感じ方を知ることができました。

このプログラムでは利用者が司会を担当することが多いのですが、私も何度も司会をやらせてもらって、時間を意識して進行することや、全体に気を配ること、人の話を聞いた上で「ちゃんと聞いていた」ことが相手に伝わるようなリアクションを取ること(たとえば「なるほど」「そうですね」などと相づちを打ったり、「たしかに○○ということはありますよね」などと復唱したりするなど)を身につけました。

SST

「SST(ソーシャルスキルトレーニング)」では、人として、大人として、社会人としての、周囲との関わりかたを学び、練習しました。

全てをここに書き出すことができないくらい、たくさんのことを訓練させていただきました。

中でも、個人的に役に立ったと感じたのは、「パーソナル・スペース」を始めとした他者との距離のとり方についての訓練と、「ピア・サポート」です。

人との関わりが少ない時期が長くて人付き合いの仕方を忘れていたので、改めてわかりやすく教えていただけて、少しずつ「これから社会の中に入っていけそうだ」と感じられるようになりました。

「ピア・サポート」では、似た境遇であったり、似た悩みをもっていたりする仲間同士で、相談や助言をしあいました。

今までのいろいろなプログラムを通じてお互いのことがわかってきている相手なので話しやすく、境遇などが似ているので体験に基づいたコメントやアドバイスをもらいやすくて、心強く感じました。

自己PR講座

「自己PR講座」では、いろいろな方法を用いて、いろいろな角度から自分のことを知る作業と(自己分析)、自分の自分に対する捉え方をポジティブなものにする作業(「リフレーミング」)、そしてそれらを使って自分の特性や強みをアピールする訓練を行いました。

改めて自分の今までの人生を振り返ることで、「自分ってこんなに頑張ってきたんだなぁ」と自分を認めることができたり、「生きていればいろんな時期がやってくる。どん底の時期もあったけど、今は右肩上がりの時期にいるんだなぁ」と俯瞰してみることができたりしました。

リフレーミングでは、出来事としては同じでも、捉え方次第で印象や気分は変わるということを体験しました。

そして、後述しますが、就職準備や就職面接での自己PRにも大変役立ちました。

教養講座

「教養講座」では、時事問題についての説明を聞いたり映像を見たりして、それについてトークをする時と、利用者さんのプレゼンを聞く時がありました。

普段の生活ではテレビニュースを流し見する程度で、時事問題についてじっくり考えることがあまりありませんでしたが、改めて説明を聞いてみると他人事ではない問題がたくさんあることがわかり、せめて選挙の投票くらいはきちんとやろうと思いました。

利用者によるプレゼンは、自分ではあまり興味を持ってこなかったテーマについてわかりやすく知ることができて、おもしろかったです。

ワークショップ

「ワークショップ」では、主にグループディスカッションの練習をしました。

毎回ディスカッションのお題が提示され、それについて時間内にグループとしての意見をまとめ、発表します。

このプログラムで難しかったところは、時間内にグループとしての意見を発表できる形まで持っていくこと、本題からそれないように話し合うこと、そして異なる意見を持つメンバー(毎回変動する・直前に発表される)が集まっている中で、無理やりではないやり方でグループ全体としての意見をまとめることです。

多数決という手段を使ってしまえば、簡単に1つの意見に決めることができます。しかしそれでは、メンバー間の合意が得られませんし、話し合いの練習にもなりません(たくさん話し合ったけれども時間内に結論が出そうもない、というときに使う最終手段としては、ありだと思います)。

自分の意見とその根拠をしっかり説明する練習、そして相手の意見とその根拠をしっかり聞く(相手が自分から言わなかった時には、こちらから積極的に「なぜそのように思ったのですか?」などとたずねる)練習などを参加者みんなでしていくうちに、徐々に「グループとしての意見」を上手にまとめられるようになっていきました。

レクリエーション

「レクリエーション」では、運動やボードゲームなどを通じて、楽しみながら体力をつけたり、カジュアルなコミュニケーションのしかたを学んだりしました。

相手の様子をよく見ながら会話をする練習になりましたし、就職に向かって頑張る生活の中で、良い息抜きになりました。

イベント

「イベント」では、企画・運営の練習をしました。

企画書を作成したり、どんなモノ・作業が必要なのかを考えたり、当日までのスケジュールを組み立てたり、準備段階・当日それぞれの役割分担をしたり、当日の進行をしたりなどしました。

イベントの企画・運営では、「最初にしっかりとしたコンセプトと目的を設定し、そこから外れないように進めること」「全体像を常に把握しながらも、細かいところに見落としがあってはいけないこと」「メンバー間での自分の役割を明確に把握して実行しつつ、他のメンバーの状況も見て、協力しあうこと」など、たくさんのことを学びました。

相手を楽しませることと、自分自身が楽しむことの両立が大切だと感じました。

個別課題

「個別課題」では、その時どきの自分の状態や目標に合った活動を、(スタッフの手を借りつつ)自分で考えて実行していました。

具体的には、調子が良いときにはExcelの学習やビジネスマナーのweb学習などの就職に向けたスキル作り、調子があまり良くないときには郵便物の三つ折り・セット組み・ラベル貼り・封入などの単純作業をしました。

目標を持つこと、その目標を達成するための計画を立てること、その計画を実行すること、実行したことを振り返り良かった点や反省すべき点を見つけること、それらの点を生かして次の目標を設定することを身につけました(いわゆる「PDCAサイクル」)。

4.就職に向けて何をどのように進めたか

自己分析と、資格取得、体力づくりをしました。

私は、就業経験が10年以上前の短期アルバイトしかなく、「今の自分にどんな仕事ができるのか」「どんな仕事を希望するのか」ということが、最初はわかりませんでした。

それを探るためにやったことは、「自己PR講座」でやってきたことの復習です。内容としては、①自分史を作る(時期を区切って今までの人生を振り返る)、②自分の特徴をまとめる、③自己PRを作る、です。

①自分史を作る

①の自分史では、今までの人生での出来事と、それについて自分が感じてきたことや学んできたこと、考えてきたことを改めて思い出すことができました。

それぞれの時期で、その時の自分なりに頑張ってきたということや、「現状を直視し分析するのが苦手で、つい先延ばしをしてしまう」という弱みを長い間抱えていたということなどに気づきました。

この弱みは、働くときだけでなく、生活していく上で大きなデメリットです。

それは、物事がなかなか進まない、ということだけではありません。

「ああ、あれをまだやっていないな。早くやらなくては」という後ろめたい気持ちを抱えたまま過ごす時間は、少しずつ精神を疲弊させていきます。

私は、インターネットで見かけた「とりあえずほんの少しだけ手をつけてみる」という対処法を試してみました。

例えば「仕事に行かなくてはいけないけれどまだ寝ていたい」というときには、「仕事」について深く考えすぎるとますますやりたくなくなるので、あえて深く考えず「とりあえず体を起こすのだけやってみよう」という気持ちで動き始めます。

体を起こすのに成功したら、「とりあえずテレビのスイッチを押してみよう」「とりあえず何か食べよう」「とりあえず……」というように、最初のうちだけ超スモールステップで自分を動かすのです。

「仕事にいけるかどうかはともかく、体を起こすくらいならできそうだ」、というイメージです。

いったん動き出してしまえば、自分でも意外に感じるほどに多くのことが実行できたりします(逆に、何度動き出してもすぐにまた動けなくなってしまうというときは、「休め」という心身からのサインととらえて、いさぎよく休みます。ここで「休んじゃおうかな…?でもやっぱりやらなきゃ…。どうしよう???」などと考えつづけると、ますます疲れてしまうので、さっさと「休む」という決断をしてしまったほうがずっと楽です)。

今では「とりあえずほんの少しだけ手をつけてみる」というのが習慣になっていて、いつの間にか行動力がアップした自分に、驚きと嬉しさを感じています。

②自分の特徴をまとめる

②の自分の特徴では、「好きなこと」「嫌いなこと」「得意なこと」「趣味」「テンションが上がる時」「テンションが下がる時」「不調の兆し」「対処法」「配慮してほしいこと」についてまとめました。

このパートのサブタイトルは「自分の取り扱い説明書」というのですが、こうして改めて書き出してみることで、自分がどういう時に機嫌や体調が悪くなるのか、機嫌や体調が悪いときにどうすれば回復できるのか、ということがわかって、「自分の取り扱い方」の参考になりました。

「自分で自分の機嫌をとることができる」というのは、人生において重要なことだと感じています。

「機嫌が悪い」というのは、周囲を不快にさせますし、自分自身も苦しいものです。

「自分の取り扱い方」を少しでも把握しておいて、機嫌の悪さを少しでも軽減できれば、人生がちょっぴり楽になるのではないでしょうか。

③自己PRを作る

③の自己PRでは、主に就職活動の場で説明するための、自分の強みを書き出しました。

「私にはこれができます!」と堂々と言うのは、最初はなんだか照れくさく感じました。

ここであげた私のPRポイントは、「タイピングがスムーズにできパソコン操作に抵抗がないこと」「誤字や脱字によく気がつくこと」「初対面の人とも和やかに話せること」などです。

以上の自己分析と、「体力に自信がないので立ち仕事は避けたい」ということを合わせて考え、「今の自分には事務職が向いていそうだ」と考えました。

事務職を目指すことにした後は、実際の事務職の求人を見て、どんなスキルを求められることが多いのかを調べてみました。

もちろんひとくちに「事務職」といっても業務内容は企業によってさまざまで、求められるスキルにもバラつきがあったのですが、圧倒的に多かった記述が「Word・Excelの操作ができる方」というものでした。

そこで私は、マイクロソフト オフィススペシャリスト(略称 MOS)という、マイクロソフトが認定するMicrosoft Officeに関する国際資格を取得し、Word・Excelのスキルを証明することにしました。

勉強は、対策テキストを使って、独学で行いました。

「1日あたり3レッスン以上やる!」など、そのときの体調や状況に合った目標を立ててコツコツ進め、Word・Excelそれぞれ約3ヶ月ずつかけて勉強し、無事に合格しました(ちなみにWordは満点、Excelは1問ミスという高得点でした!)。

私には、①体力がなく②疲れやすく③疲労回復が遅い、という弱点があります。

目標である就職には、最低でも週20時間(※求人が多いのは週30時間以上)活動できる状態であることが必要です。

そこにたどり着くために、「①体力がない」の対策として、リスタートにフル(週5日・10~15時=昼休みを除くと「週20時間」になる)で通うことから始めました。

最初はこれだけでも大変でした。

帰宅するとすぐにぐったりと横になってしまうほど疲れていて、翌日に備えて体力面の回復に努めるだけで精一杯。

遊んだり趣味に興じたりという「精神面の回復」のための活動はほとんどできず、いっぱいいっぱい。

それでも、「どうしても体調が悪いときはちゃんと休む」ということにして、頑張って通ううちに、少しずつ体力がついていきました。

「③疲労回復が遅い」の対策をスタッフも一緒に考えてくれて、「早めに就寝準備をする」という作戦を実行しました。

私は自律神経の切り替えが遅いため、日中の興奮状態から夜間のリラックス状態になかなか移行できず、「疲れているのに眠れない」ということが多くあったのです。

そこで、眠りにつきたい時刻(私の場合は23時)の1時間前には就寝準備(着替え・服薬・消灯など)を終えるようにし、寝床でのんびり過ごすようにしました。

すると、夜間に取れる睡眠時間数が安定してきて、翌日に残る疲労が減りました。

「②疲れやすい」の対策は今も模索中なのですが、「だらだらと活動を続けず、休み時間にはちゃんと休む(気分が乗ってくるとつい頑張りすぎてしまうため)」「考えてもしかたのないことは『まぁいいか』と思うことにして考えすぎない(心配性で考え事をしすぎて消耗しがちなため)」ということを心がけるようにしています。

5.内定への道のり

2018年2月。「まずは『就活』の雰囲気に慣れよう」ということで、合同面接会を見学しました。

まわりも自分も、みんなスーツ姿。

普段とは違う雰囲気に緊張もしましたが、「これからここに参加していくんだ」という気持ちになって気合いも入りました。

同時期に、「『職場』の雰囲気に慣れよう」「『就職活動をしている』という実績を作る」ということで、職場体験実習の面談会へ。

いくつかの参加企業の中から、自分に向いていそうな業務内容や勤務時間の企業を選んで、1社の面談を受けました。

就職の面談というのは10年以上前のアルバイト以来だったので、とても緊張しました。

人事担当の方が穏やかに話してくださったので少し緊張がほぐれました。

事前に就職面接でよく質問されることについての答えを練習しておいたり、その企業についてwebで調べておいたりしたのもあって、なんとか答えに詰まることなく面談を終えることができました。

障害をオープンにしての就活では、自分の障害について、病名・発生時期・原因・症状・現在の状態・会社側にしてほしい配慮などについてわかりやすく説明できるようにしておくのが大事だと思いました。

2018年3月。私が実習面談を受けた企業には、2次面接がありました。

前述の面談会では簡単なプロフィールを提出してそれをもとに面談をしたのですが、2次面接では履歴書を提出し、それをもとに話します。

学歴・職歴・資格などについて質問があり、口頭で説明しました。

そしてその場で実習をさせていただけることが決まり、オフィスの紹介や実習日程の調整などをしていただきました。

(実習内容は封入・封緘作業やワード・エクセルによる入力作業とのことで、実習までの間はワード・エクセルの復習などをしていました)

実習は1週間やらせていただきました(週休2日制なので実質5日間)。

1日目・2日目は、空間にも、周囲の人にも、業務内容にも不慣れで、とても緊張しました。

3日目あたりから慣れ始め、4日目・5日目には昼休みに社員の方と雑談できるまでになりました。

また、業務に関しては、わかりやすく細かく指示を出してくださり、わからないところがあったら随時質問させてもらえたので、働きやすく感じました。

実習最終日である5日目には、実習先の担当者・リスタートのスタッフとの3者面談で実習の振り返りをしました。

そこで、担当者の方から、22項目もある細かい評価表(身だしなみ・生活リズム・挨拶・指示を聞く態度・質問や報告ができているか等)をいただき、「こちらで仕事をする分にはスキルは十分だと思います」とのコメントをいただきました。

実習を終えて10日ほどしてから、この実習先の業務内容がかなり自分に向いていることに気がつきました。

業務内容の多くがいわゆる「単純作業」なのですが、私は以前から単純作業を苦痛に感じないタイプで、むしろ疲れてしまったときに行うストレス解消行為が「ひたすら鉛筆を削る」「ひたすら編み物をする」「ひたすら文字を書き写す」などの単純作業だったのです。

2018年4月。実習を通じて、企業と私がお互いに「相性が良い」と感じたので、採用面接を受けることになりました。

面接の日程まで少し間があったので、実習中に少しやりにくく感じた「テンキー入力」の練習をしていました。

実習中はキーボードをチラチラ見ながら出ないと打てなかったのですが、今ではキーボードを見なくてもテンキー入力ができるようになりました。

採用面接本番では、改めて自分の障害特性などを説明したり、実習を経験してみてどうだったか、長期間働いていけそうかなどを話し合ったりしました。

そして、「最初は3か月のトライアル雇用から」ということで、内定をいただきました。

6.おわりに

この文章を書いているのは「内定後、入社前」という時期です。

まだリスタートとの関係が終わるわけではありませんが(入社後も「定着支援」というのをしていただく予定です)、「内定」という大きな区切りがつきました。

2016年6月9日に初めて体験をさせていただいてからの1年11ヶ月の間、たくさんのことを体験させていただき、学ばせていただき、生活面まで含めてサポートしていただきました。

その間、リスタートがどんどんバージョンアップしていくのを、現場で見ていました。私自身も、本当に大きく変わりました。「人生が変わった」と言っても過言ではありません。

貴重な時間を過ごさせていただきまして、本当にありがとうございました。リスタートの今後のご発展をお祈りしております。