リス太と学ぶ認知行動療法 ~無条件の自尊感情~
さて、今日は自尊感情を獲得する2つ目の方法についてだよ!
前回は、条件付きの自尊感情についての話だったよね。
そうだね。条件付きの自尊感情がどのようなものかは覚えている?
特定の条件に基づいた自尊感情で、満たす動機付けになる一方で、条件を満たさないと自尊感情を獲得することができないんだったよね。
自尊感情を満たすことがモチベーションに繋がるのは良いことだけれど、努力したからといって必ず条件が満たせるというわけではないからね。
それじゃあ、今日紹介してくれるのはどんな方法なの?
前回とは逆の方法だよ!
つまり・・・無条件の自尊感情さ!
つまり・・・無条件の自尊感情さ!
無条件の自尊感情
無条件のってことは・・・条件を付けないでも、自尊感情は手に入れられるっていうこと?
その通りだよ! 人間は、自分自身を愛し尊敬することができるんだ!
あるいは、単純にそう自分が決めてもいいのさ!
あるいは、単純にそう自分が決めてもいいのさ!
うーん、すぐには受け入れられなさそうかも・・・。
そうだね。条件付きの自尊感情と比べて、把握するのが困難な考え方かもしれない。
でも、無条件の自尊感情は、より多くの自由をもたらすんだ。
でも、無条件の自尊感情は、より多くの自由をもたらすんだ。
自由・・・かあ。
どうしたら、無条件の自尊感情を獲得できるようになるかな?
どうしたら、無条件の自尊感情を獲得できるようになるかな?
それじゃあ、メリット・デメリット分析をやってみようか。
なるほど! 無条件の自尊感情を持つことについてのメリットとデメリットを比べるんだね!
無条件の自尊感情のメリット | 無条件の自尊感情のデメリット |
たとえ困難なときも、いつも自分が価値ある人間と信じていられる。 | 自己満足に浸り、ベストを尽くすための動機づけが不足する。 |
失敗や拒絶を恐れる必要がなくなり、仕事や個人の生活でより危険を恐れずに活動ができる。 | 自己中心的になり、他人の困窮や要求に鈍感になる。 |
ものごとがうまく行かない時は、がっかりすることはあるかもしれないが、劣等感を持ったり恥辱を感じることはなくなる。 | 自分への批判に耳を貸さず、学ぼうともしないで、相手に文句を言うかもしれない。 |
自分が他人よりも優れてもいないし劣りもしない、皆と同等の人間であることを常に感じることができ、それによって人間関係がより実りの多いものとなる。 | |
自尊感情が危険にさらされることはないので、批判を受けても自己防衛的にならずに済む。 | |
自分がまともがどうか心配することにエネルギーを費やさずに済むので、人生をより多く楽しむことができる。 | |
自分の欠点と、より誠実に向き合うことができる。 | |
他人を愛し自分を受け入れる、より広い度量を持つことができる。 | |
70 | 30 |
メリットのほうが多く思いついたよ!
そうしたら、少しずつでも、無条件の自尊感情を持てるようにしていこう。
そうだね、一度、自尊感情を得るまでの過程について話そうか。
そうだね、一度、自尊感情を得るまでの過程について話そうか。
自尊感情を得る過程?
自尊感情を得るまでの過程
僕は、自尊感情を得るまでの過程を、ハシゴを登ることであると考えているんだ。
ハシゴ? それはどうして?
自分のことを、無価値で劣った人間だと考えている人がいたとしよう。
この人は、自尊感情が非常に低いので、まだ地上にいる状態だと考えられるね。
この人は、自尊感情が非常に低いので、まだ地上にいる状態だと考えられるね。
まだハシゴに登り始めていない状態っていうことだね。
そうそう。まず最初のハシゴ段に登ると、そこで条件付きの自尊感情が生まれるんだ。
自分の欠点ゆえに自分を嫌いになる、という考えから、自分の強さゆえに自分を好きになる、という考えに代わるということだね。
その通り! 自分を支持して、自分を批判する内なる声から身を守る・・・これが初めの一歩なんだ。
自分を不適格と感じる多くの人にとって、重要な最初のステップというわけだね!
条件付きの自尊感情が得られたら、次のハシゴ段を登る。
ここで手に入るのが、無条件の自尊感情だよ。
ここで手に入るのが、無条件の自尊感情だよ。
自尊感情はすべての人が生まれながらにして受け取る贈り物である、という認識を持つんだね。
そう。人が有価地であることは既定の事実であって、それを獲得する必要はないんだ。
人間である以上、常に価値ある存在である、という考えだよね。
太っていようと痩せていようと、若かろうと年を取っていようと、愛されていようと拒絶されていようと、成功していようとしてい無かろうと関係ないんだよ。
無条件の自尊感情は、惜しげなく与えられるものなんだ。
無条件の自尊感情は、惜しげなく与えられるものなんだ。
無条件の自尊感情を手にしたら、さらに上のハシゴ段はあるの?
もちろん! それは、有価値な人間や無価値な人間が存在しないのと同様に、自尊感情というものは存在しないという見解なんだ。
ええっ! 自尊感情は存在しない!?
その通り! 価値のある人など存在しないのだから、そうなろうと努力する必要も実はないのさ!
そんな、せっかく発見した自尊感情を捨て去るなんて・・・。
それは、喪失感を伴うものかもしれない。だって僕たちは当然のこととして、自分は「特別」で「価値がある」と感じることを望んでいるのだからね。
うん、そうだよね。
でも、人に価値の有る無しなんてない!ということを受け入れられれば、失うものも無くなるんだ。
それには、どんなメリットがあるの?
自分に十分な価値が備わっているかを心配しなくてよくなるんだよ!
そして、その時間を使って学習したり、生産的な活動をしたり、楽しいことをしたり、人間関係を育んだり・・・できることはたくさんあるよ!
そして、その時間を使って学習したり、生産的な活動をしたり、楽しいことをしたり、人間関係を育んだり・・・できることはたくさんあるよ!
そうか・・・。そうやって、これまで気づけなかった様々な出会いや経験を日々の生活に見出すことができるんだね。