リス太のビジネスマナー講座 ~特例子会社の給与~

前回までの内容はコチラ!

前回は一般企業と特例子会社についての話だったけど、もっと特例子会社について教えてほしい!
いいよ! どんなことが知りたい?
えーと、一番気になっているのはやっぱり給与のことかな。
特例子会社の給与は安いって聞くし・・・。
そうだね。それじゃあそのことについて今日は話そう。

 

特例子会社の給与

結論から言ってしまうと、一般企業と比べて安い場合が多いのは確かだよ。
でも、企業の人事制度や職種によって異なることなので、必ずしも特例子会社だから給与が安い、と言えるわけではないんだ。
ふむふむ。
K君は、特例子会社が全国にどれくらいあるか知ってる?
ううん、知らないよ。 どれくらいあるの?
答えは、平成29年時点で464社だよ!
そんなにあるんだ!
そうなんだ。この多くの特例子会社で行われている主な業務としては、清掃、食品生産加工、梱包発送、社内メール集配送、文書裁断、事務補助、データ入力、名刺制作や各種デザイン制作などが挙げられるよ。
あー、確かにどれも見たことあるかも!
これらの業務は、親会社や同じ系列のグループ会社の中から抽出された業務が中心になっているんだ。
なるほど。外注業者に発注していた業務をやる、なんてところもありそうだね。
そうだね。こんなふうにして、障害を持つ従業員が取り組みやすい業務という観点で絞り込みをされた業務が特例子会社に集約されているんだ。
そこからさらに業務を細かく分けて、実際に従事しやすいように手順や方法が決められているんだね。
さて、ここからが給与についての話なんだけど、給与っていうのはどうやって設定されるのかわかるかな?
ええと、ある程度の生産能力を有するものとして、法律に定められた賃金基準を満たすように額が決まる、って感じ?
そうだね。 ということは、仕事の受注単価と個人の生産能力、管理にかかる人権費などの経費とのバランスが崩れると会社運営に支障をきたすことになるんだ。これはいいね?
あー・・・確かにそうだね。
障害を持つ人が働くためには色々な配慮が必要になることもあるよね?
配慮することが多くなると、どうしても企業内で見出せる仕事も限られてきてしまうんだ。
そっか。それに見合う待遇にせざるを得ないために、特例子会社は給与が低くなってしまう傾向にあるんだね。
もちろん企業として経営努力や運営改善を行うことは当然のことだよ
会社は従業員の就業環境を整えないといけないものだもんね。
でも、ある程度の賃金保証をしようとすると、その分求められる責任と成果が付いてくるものなんだ。
そうなると、一定の業務遂行能力が必要になる、というのも、確かなことだね。
だから、採用選考では厳しい目で人選をすることになるし、業務遂行にあたっても成果を貸すことになるというわけなんだ。
うーん、でも、将来のことまで考えたら、ずっとその待遇でいいのかと考えると難しいね。
そうだね。成長もあり成果も上がってくるのであれば、給与もそれに見合うように上がっていくことが望ましいと思うよ。
実際に、賞与や昇給、正社員登用制度の規定を持つ企業もあるから、そういうところなら、本人の努力次第で反映されていくんじゃないかな。
就職する前に、そういった制度面もしっかり調べておかないとね!
障害によっては、配慮を必要としなかったり、極めて限られていることで、一般社員と同等かそれ以上の成果・実績を出してそれに見合う待遇を受けている人もいるよ。
親会社と同等の待遇制度を導入している会社もあるみたいだね。
一概に特例子会社の給与が低いとは言えないね。
ただ、現在多くの特例子会社が収益の面で課題を抱えていると言われているんだ。
障害者雇用という目的があったとしても、一個の企業として利益を上げることは必要だもんね。
特例子会社は親会社の支援を受けているけれど、親会社の負担にしかならないとなれば、存在が問われる可能性もあるんだ。
親会社自体に財務的な余力があって、業務内容と収益能力に応じた規模にしないと運営していくのは難しいのが実情なんだね。
それでも、特例子会社は年々数を増やしているし、その顔触れも常に変化して行っているので、自分に合った会社を探すようにしよう!

 

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