リス太と学ぶ心の病 ~統合失調症の事例~

統合失調症について、症状や治療方法はわかってきたかな?
今回は事例を紹介するよ! おさらいしてみよう!

統合失調症の症例 Aさんのばあい


Aさんは就職1年目のいたって普通の会社員。
たまにミスはするけれども張り切って仕事に挑戦していました。

ところがある日、頼りにしていた上司が転勤に。
それ以後、「自分のミスのせいで転勤になってしまったのかもしれない」と気になってしまうようになります。

会社に行くための気力が起きず、また集中力も落ちてしまい、ミスが続きました。
自宅でぼそっと「会社行きたくないなぁ」とでも発そうものなら、厳しい父から「甘えてるんじゃない」と叱咤がとびます。
その後、「SNSで個人情報を流されている」「社内で噂をされている」と気づき、人間不信になっていきます。

教えてもらった前触れっぽい症状だ!
そうだね。はやめに治療していきたいね。

う通院・服薬開始


会社に行かず、自室にひきこもりはじめたAさん。
昼夜逆転しており、起きてくると「父さんの声で、役に立たないやつだ、と言われている」と落ち込んでいます。

心配した母が地域の保険センターに相談。精神科の受診を勧められました。

「部屋にいるのに周りから声が聞こえる」「カメラで監視されている」
Aさんが感じていること、困っていることを医師に訴えたところ、統合失調症との診断。
服薬を開始しました。

効果がでるまで時間がちょっとかかるみたいだけど、Aさん、がんばって!

服薬開始、その後


1か月後、服薬のおかげか、少しずつ被害的な言葉が聞こえてこなくなりました。
しかし寝てばかりの状態が続きます。気力も復活しません。

母が医師に相談したところ、「しばらくよく寝ると思いますが、消耗期はそれでいいんです」とのこと。

しばらくすると「本を読みたい」と思うようになりました。
気力がある日、ない日はありますが、医師に伝えると、減薬の指示が出ました。
減薬後、気力がない日が少しずつ減っていき、生活リズムを立て直すために家事を手伝うようになりました。

家族も、失敗しても目をつむる、できないことはあきらめる、という姿勢に。
Aさんは心が落ち着いてきたという実感がありました。

また生活リズムも徐々に戻ってきて、週に数回、地域生活支援センターにも通いはじめました。
散歩、料理などといったプログラムに参加するうち、コミュニケーションも少しずつとれるようになっていきます。

再発防止のため服薬は継続していますが、体調や精神面は元の調子に戻りつつあり、現在は医師からの紹介で事業所の検討をしています。

ちょっとずつ気力が回復してきて、やれそうなことから復帰に向けて頑張ってるね!
うん! 本人のペースで治療することが大切なんだ!

イライラする、集中できない、といった前兆から、悪口が聞こえる、監視されている、など神経過敏になる統合失調症。
周囲の人も、もしかしたら?と思ったら早めに受診をすすめよう! そして治療は焦らず、急かさずやっていこう。

restart_banner