リス太と学ぶ心の病　～ASDって何だろう？～

前回は学習障害についてお話ししたね！

そうそう。　今回は自閉症スペクトラム障害、ASDについてお話ししていくよ！

そうなんだ。同じ症状でも知能的・言葉の遅れがない場合に「アスペルガー症候群」と呼んでいたけど、両者に明確な違いはなくて、むしろ症状が重なってることが多かったんだ。だから「スペクトラム（連続体）」という言葉で表されるようになったよ。

じゃあ次は特徴となる症状を見ていこうと思うよ！

ASDの人は、会話の相手と目を合わせる、ということが苦手なことが多いんだ。

逆にじっと見つめすぎることもあるし、会話中に目が泳いでしまうことも多いよ。

そうそう。ほかにも、周囲・他人に無関心なことが多くて、場にそぐわない表情や発言をしてしまうこともあるんだ。

次はコミュニケーション能力の問題についてだよ。

ASDの人の特徴として、「太ったね」と言ってしまうなど、相手の気持ちを考えることが苦手なことが多いんだ。
あと、場の空気・行間を読むのが苦手で、周りが静かにしているから自分も静かにするということが理解できない、ということも多いよ。

うん。あと、言葉を文字通り受け取ってしまう、「あの」「その」とか曖昧な言葉が捉えられない、といったことも特徴として挙げられるよ。

興味があることに偏りがある、極端なのも、ASDの人の特徴だよ。

電車が好きで、路線図やダイヤを覚えたり、地図が好きでずっと見ている、などがあるよ。

そう。あと、自分のルールにもこだわりがあって、通学路は必ず決まった道しか通らない、着替えの手順にこだわる、ということもあるよ。

そうだね。パターン化した行動が得意だけど、逆に臨機応変・柔軟な対応を苦手としていることが多いんだ。

うん、中枢神経系の障害と考えられているよ。

障害は遺伝要因もあるようだけど、親がASDでも子が必ずASDを発症するというわけでもないし、化学物質や妊娠中の喫煙などの環境要因も考えられているよ。

そうそう。今は、遺伝要因と環境要因が合わさることで発症確率が高まる、ということがわかってきているよ。

そうだね。知能・言葉に遅れがなければ、小さいうちは個性と捉えられて見過ごされることもあるんだ。でもその結果として二次障害を発症してしまって、原因を探ると実はASDだった、ということも最近増えてきているよ。

実は、薬での解決や、根本治療はできないと考えられているんだ。

治療というより、対人関係・トラブルへの対応方法をトレーニングする、行動療法などがメインだよ。

そうそう。あとは、本人との関係性をよくヒアリングして、本人やその周囲の人が、障害を理解して、対応できるように支援するよ。

「あれ」とか「なるべく早く」とか曖昧な表現が苦手だから、「XXの資料」とか「XX時までに」とか具体的に指示をする、とかがあるよ。

次回から、発達障害でよくある困りごとと、それに対しての解決方法・対応方法を紹介していこうと思うよ！