パニック障害3 原因、誘発要因

突然の動悸、呼吸困難などが起きてしまうパニック障害。
今日は、どうしてパニック障害を発症してしまうのかを探っていくよ!

 

検査では異常が出ない!

動悸、息苦しさなどが突然現れるけど、受診してみても心電図、エコー、MRIなど、検査では特に異常が出ないんだ。
心筋梗塞などだと思って受診することも多そうだよね。
そうなんだ。検査での異常がなかった場合、パニック障害の診断基準として、動悸や息苦しさなどの症状が4つ以上同時に出現した場合、パニック障害と診断されるよ。

患者さんは多数いる

パニック障害は、強い不安・恐怖を症状とする「不安障害」のひとつと言われているよ。
頭から離れない、日常に支障が出るほどの不安があったら、不安障害かもしれないね。
そう。恐怖や不安から、性格・気の持ちようだと思われがちだけど、実は100人中2~3人が発症すると言われているよ。
意外と身近な病なんだね。

パニック障害の原因・発症の要因

パニック障害の原因となることをまとめてみたよ!

脳の問題

ノルアドレナリン、セロトニンのバランス

脳の仕組みとして、神経伝達物質を分泌することと、レセプターでそれを受信することがあるんだけど、その機能の異常が原因と考えられているよ。
神経伝達物質のノルアドレナリンは恐怖や不安、セロトニンは落ち着きをつかさどるんだよね。
そう。
いずれも、分泌する機能のほうの問題なのか、受信する側のほうの問題なのかはまだ研究段階なんだ。
大脳、大脳辺緑系、青斑核・視床下部
現在研究されている部位として、大脳、大脳辺緑系、青斑核・視床下部という脳の部位があるよ。
ふむふむ、どれも難しそうだけど、どういった違いがあるのかな?
まずは大脳。
思考、意思などの精神活動をつかさどっていて、ここでセロトニンの分泌異常がおこると、回避行動につながると言われているよ。
回避行動、というと広場恐怖などにつながるんだね。
そう。続いて大脳辺緑系。
大脳辺緑系は、不安や興奮といった感覚を生み出しているよ。
脳のこの部位でのセロトニンの分泌異常が、強い不安感につながるよ。
発作の不安が強まることと関連していそうだね。
そうだね。青斑核・視床下部という脳の部位では、警報装置として、心臓や汗腺などに刺激を与えて反応を起こすよ。
ここでの誤作動があると、強い危機感に襲われるんだ。
不安や恐怖といったのは、この部位での異常があるのかもしれないね。

遺伝要因

一親等内に、パニック障害、うつ、依存症を発症している人がなりやすい、ということが明らかになっているよ。
遺伝という可能性もあるんだね。
うつや依存は、不安を抱きやすい体質が根底にあるんだ。
なるほど。体質が似ているということもあるから、遺伝というのはありそうだね。
ほかにも、幼少期の体験、ストレスの多い環境なども要因となるとも考えられているよ。

生活環境

どの疾患でも、食生活や生活リズムなど、生活要因が大きく関わってくるよ。
ジャンクフードなど、健康によくない食生活は避けたいね。
そうそう。糖分過剰やジャンクフードに頼る生活では、インスリンが多く分泌されて低血糖になってしまうよ。
食事も脳の栄養。食生活などの生活習慣も、脳に影響していそうだね。

日常生活で注意するべきこと

発作予防、改善のためには、まずはなにより、食生活、生活リズム。
生活習慣が安定していないと、自律神経にも問題がでてきて、発作が悪化しそうだね。
そうそう! まずは食生活
食事は身体はもちろん、脳に影響があるよ。
過食や栄養バランスに気を付けなきゃね!
つぎに、生活リズム
睡眠不足・過労・カゼ・二日酔いなどは、パニックに影響したり誘因となるよ。
生活リズムを整えて、よく休息をとることが、疾患予防につながるね!
運動も効果的!
運動不足で蓄積された乳酸が、パニックを誘発する可能性があるよ。
軽く汗をかくほどの有酸素運動をして、乳酸の蓄積を軽減していこう!
あと、飲酒・喫煙・カフェインなどの物質には抗不安作用があるけど、リバウンドが激しいよ。摂取は控えたほうがよさそうだね。

そのほか、パニックを誘発する可能性があるもの

発作を誘発したり、悪化させたりする可能性があるものだよ。
発作の症状があるときは、あまり触れないようにしたほうがよさそうだね!

 

・咳止め:エフェドリンや気管支拡張薬(ノルアドレナリンのレセプターを刺激)

・経口避妊薬(女性ホルモンが不安を喚起)

・ヒロポン、コカインなどの覚せい剤

・低血糖(低血糖は不安を増強)

・過呼吸(二酸化炭素の上昇などが過呼吸を引き起こす)

・蛍光灯(蛍光灯のちらつき、ピカピカするフリッカー効果) など

咳止めや蛍光灯も、パニック発作を誘発する可能性があるんだね。
そう。パニック発作が起きたら、日常生活でも気を付けていこう。