自分の人生を支配している「思い込み」 ②

就労移行支援事業所 リスタート では、毎週金曜日に自己分析講座をやっています。

自己分析講座では、「自分を知り、人に説明できるようになること」と、「自分で自分にかけてしまっている『制限』に気づき、苦手を克服すること」の2点を軸に分析を進めています。

ここでは、自分について知り、『制限』から抜け出すために、「思い込み」というものについて考えていきたいと思います。

自分の持つ「思い込み」をチェックしてみよう

あなたは、次の10項目のうちいくつに当てはまりますか?


①子どもが学校に行くのは当然だ。
②場の空気に水を差すべきではない。
③女性に年齢を聞いてはいけない。
④デートでは男性が奢るべきだ。
⑤相手の年齢や地位などによって対応を変えるのは当然だ。
⑥直接関係ないとしても、社員の不祥事に上司が謝罪するのは当然だ。
⑦みんなが残業しているのに、一人だけ定時に帰るのはおかしいことだ。
⑧外出の前に髪や化粧など、身だしなみを整えるのは当然だ。
⑨年賀状などには返事をするべきだ。
⑩大人になったら、結婚して子どもを持つのが当然だ。

これらはいずれも、「常識」と呼ばれるものですね。

「どの項目も当たり前のことじゃないか」と思われた方もいるのではないかと思います。

実は、「常識」というのも思い込みです。

とはいえ、思い込みだから悪だとか、信じるべきではない、と言っているわけではありません。

前回の記事では、思い込みによって自分が追い込まれてしまう、という話をしましたが、それは思い込みの一側面でしかありません。

そもそも、人は自身にメリットのない考え方を受け入れたりなどしないものです。

思い込みのメリット

思い込みのメリットとはなんなのでしょうか。

それは、「無駄な思考を失くし、効率的に生きる」ことです。

あなたは毎朝、「服は着るべきだろうか」「顔は洗うべきだろうか」などと考えていますか?

極端な話をすれば、「外出する前に服を着なければいけない」「朝起きたら顔を洗わないといけない」というのも「思い込み」です。

この思い込みがなければ、毎回「今日は服を着た方がいいだろうか、着ない方がいいだろうか」という思考が必要になるところを、「そういうものなのだ」と思い込んでいるからスキップできているわけですね。

思い込みがあるからこそ、私たちは日常を送れると言っても過言ではないのです。

「常識」という思い込み

さて、「常識」についての話に戻りましょう。

常識とは、誰かが決めたものではなく、同じ時代、同じ社会に生きている人のほとんどが信じている”思い込み”です。

常識で決められた通りに行動を選択することで、周囲と不和を生むことなく、社会に望まれている結果を出すことができます。

そのため、常識に従うことが悪いというわけではなく、むしろ社会を成り立たせるために常識という思い込みは大きな役割を果たしています。

重要なのは、「無条件では信じない」ということです。

例えば、先ほどの例のうちの1つ、「みんなが残業しているのに、一人だけ定時に帰るのはおかしいことだ」という”常識”を見てください。

過去にはまさしく「常識」であったこの思い込みは、最近になって変化してきているように思います。

その結果、仕事が終わったら早く帰りたい新入社員と、”常識”に従って帰らないでいることを望む上司でぶつかる、なんて話を聞いたこともあるかもしれません。

ここで、”常識”に従っている上司と、従っていない新入社員は、どちらかが正しく、どちらかが間違っているというものではありません。

常識に従えば周囲にどうこう思われずに済みますが、一方で理不尽に感じて精神的に摩耗したり、身体的に疲れきってしまうかもしれません。

大事なのは、「選択肢が存在する」ことから目を逸らさないことです。

盲目的に常識という思い込みを信じるのではなく、その思い込みを「信じるメリット」「信じないメリット」の双方に目を向ければ、自分の人生はより充実していきます。

「みんなが残業しているのに、一人だけ定時に帰るのはおかしいことだ」という常識が変化してきていることは、常識というものが絶対のものではなく、思い込みに過ぎないという証拠であるように思います。

 

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