紹介!コミュニケーションのテクニック ④ ~意見と事実を分ける~

就労移行支援事業所 リスタート では、毎週月曜日にワークショップを、火曜日にはコミュニケーションプログラムをやっています。

これらは、社会で生きていく上で避けて通れない「対人関係」を円滑にするため、「コミュニケーションに慣れる」ことを目的としたプログラムです。

ここでは、良好な人間関係を築いていくために気を付けたいコミュニケーションのテクニックを紹介していきます。

意見や思いは事実と分けて話す

以下の報告を見てください。

「今日のお客様とのやり取りは、とてもうまくいきました。お客様が、私の提案をとても気に入ってくださったので、間違いなく採用されるはずです」

これを聞いた上司はどのように判断するでしょうか。

もしかしたら、「間違いなく採用される」と聞いて採用を前提として以降の計画を立てたりしてしまうかもしれません。

しかし、実のところ「客が提案を気に入った」「間違いなく採用される」というのは”主観”です。

人に何かを伝えるときは、”事実”と”主観”を分けて話さなければ、誤解が生まれてしまうことがあります。

先ほどの報告であれば、このような言い方をすることができます。

「お客様が、今回の提案はニーズにあっていると言ってくださいました(事実)。これは私が感じたことですが、商談もいい感触だったので、採用が見込めるのではないかと思います(主観)」

このように主観と事実を分けることは、客観的に物事を判断するためにも必要です。

例えば業務上の報告や連絡をするときには、”事実”を伝える必要があります。

一方で、上司から「キミはどう思う?」なんて聞かれたとしたら、事実ではなくあなたの主観を問われています。

状況に合わせて、「事実はどうなっているか」「自分はどう思っているか」を切り分けて伝えることを心がけましょう。

相手のミスは責めるのでなく事実を伝える

前回、怒りの感情はリクエストにして伝える、という話をしました。

同じく、相手のミスなどが原因で責めてしまいそうになったときにも注意が必要です。

責められた人は、落ち込んでビクビクしてしまったり、逆にカチンと来て言い返したりといった反応を返しやすくなります。

これでは、直してほしいところも伝わりません。

また、使う言葉にも気を付ける必要があります。

遅刻してきた部下を注意する、次のセリフを見てください。

「どうしてキミはいつも遅刻を繰り返すんだ?本当にだらしのない人だな」

言われた部下は、これを聞いて反省し、遅刻しないようにするでしょうか?

もちろん、そうする人もいるかもしれませんが、この言い方であればイライラして「いつもじゃありません!」なんて返してくる人もいるのではないでしょうか。

実はこのセリフには、気を付けないといけない言葉が2つ入っています。

まずは、「いつも」という言葉です。

「いつも」「必ず」「絶対」といった言葉は、それが本当に100%の事実でない限り、こういった場面では使わないことをお勧めします。

使う側は「そんな細かいことはどうでもいいじゃないか」と感じても、言われた側はできていることまで否定された気持ちになり、受け入れがたい言葉なのです。

また、「だらしのない人だ」といった、人格を否定する言葉もやめたほうがいいでしょう。

これは、先ほどの”事実”と”主観”で言えば、後者の”主観”にあたります。

起きたことについて指摘するのではなく、「私は貴方をだらしのない人だと思っている」というメッセージを送ると、相手は攻撃されたように感じてしまいます。

相手のミスを指摘したいときには、”事実”を伝えた上で、自分からの”リクエスト”を伝えることが重要です。

「今月、遅刻した日が3回あったね。遅刻があると、作業が遅れてしまう分、他のみんなにも迷惑がかかるんだ。だから、改めて注意をする必要があったんだよ」

このような言い方であれば、相手も受け入れやすくなり、ただ責めるよりも改善しやすくなるでしょう。

 

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