不安から自分を解放してあげる処方箋 ~その29 人間関係のための、良い欲求とは~
相手に望むことを理解する
- 言うことを聞いてほしい。
- 「こうして」と言っているのに、どうしてわかってくれないのか。
- わかってもらえなくて、腹が立つ。
他人に「こうしてほしい」「自分の気持ちをわかってほしい」と思っても、なかなか叶わないのがほとんど。
仮に「こうしてほしい」「わかってほしい」が実現されたとしても、「次はこう」「次はこれも」とどんどん欲求があふれてきます。
これは、「こうしてほしい」「わかってほしい」という欲求の目的が、具体的ではないからです。
具体的な目的、とは?
たとえば、「業務目標を完全に達成する」という目的があったとします。
「完全に達成するためには、まず自分は○○をする」
「△△だけは、得意なあの人に手伝ってほしい」
自分の目標・目的が具体的である場合、対象のものを手伝ってもらうことができれば、欲求は達成されます。
しかし「業務を行う」という漠然とした目標だった場合はどうでしょうか。
業務遂行のために、まず自分が何をすべきなのかがわかりません。
当然、達成手伝ってほしいという欲求も、業務遂行まで継続します。
自分の目標や目的が具体的でないから、欲求が達成されたはずなのに不満。
「わかってほしい」「言うことをきいてほしい」という気持ちが際限なく続き、相手が了承しても継続するのは、こういった理由です。
他人と良好な関係を築くために
正しくない「我慢」が破滅を生む
- やりたいことがあるが、これはやるべきではない。
- 世間的にみてダメなことだから、やりたい気持ちを抑える。
自分の欲求を我慢している状態です。
このような状態で、他の人が好きなように生きていたら、当然羨んだり、妬んだりしてしまいます。
- 私は我慢しているのだから、他人が好きにやっているのは納得がいかない。
- あの人は好きにやっているのに、なぜ私はだめなのか。
自分の欲求を認めない・自分の感情を大切にしない。
このことが、他人を認められない原因です。
そしてさらに、妬みや不満から、人間関係が壊れていってしまいます。
まずは自分を認めること
- やりたいことがあるから、実行する。
- 世間の目もあり、一気にはできない。だが、実現に向けてできることからやっていく。
このように自分の感情や欲求を認めていれば、同じようにやっている他人の行動も認めることができます。
さらに、頑張っている者同士で、協力しあう関係も築けるわけです。
この状態であれば、言い合いになったとしても、お互いの満足感をより高めるための言い合いになります。
相手を見下したり、否定したりすることなく、双方のよりよい方向に向けての議論になるでしょう。
「他人がこうだから」「世間がこうだから」と自分の欲求を否定することは、しないほうがよいのです。