就労移行支援事業所 リスタート では、毎週月曜日にワークショップを、火曜日にはコミュニケーションプログラムをやっています。
これらは、社会で生きていく上で避けて通れない「対人関係」を円滑にするため、「コミュニケーションに慣れる」ことを目的としたプログラムです。
ここでは、良好な人間関係を築いていくために気を付けたいコミュニケーションのテクニックを紹介していきます。
質問のチャンス①:Noと言われたとき
相手にNoと言われたときこそ、実は質問のチャンスです。
特に、打ち合わせや営業など、ビジネスでNoと言われたときにはただ諦めてしまうのではなく、「なにがどうダメだったのか」質問してみましょう!
「きっと自分の聞き方が悪かったのだ」
「自分は信用してもらえていないのだ」
といったように、根拠がないにもかかわらず思い込みで落ち込んでしまうと、本当の理由が見えなくなってしまいます。
「さしつかえなければ、どこが難しかったのか、教えていただけませんでしょうか?」
「今後の改善のためにも、可能であれば採用に至らなかった理由をお教えいただけませんでしょうか?」
こんな風に質問することで、本当の理由や考え、状況を教えてもらえるかもしれません。
「もっと条件の良い提案があった」
「実は対応に不満があり、担当を変えてほしいと思っていた」
「内容は問題なかったが、懇意にしている企業があり、そちらを優先することになった」
などなど、ここで得られた回答を元に改善点を見つければ、次回はより良いものとなるでしょう。
もちろん、こうして聞いても教えられないと言われてしまう可能性もあります。
失敗を恐れずに、Noと言われてもそのまま終わりにならないようにチャンスを活かしましょう!
また、「この人になら話してもいいかな」と思ってもらうためには、普段からコミュニケーションで良好な人間関係を築いていることが重要です。
質問だけでなく、これまでの記事で紹介してきた、「伝える」「聴く」スキルもぜひ活用してくださいね!
質問のチャンス②:自分の「当たり前」と違う考え方に触れたとき
相手が自分とまったく違う価値観や意見を持っている、という場面に遭遇することはよくありますよね。
そんなとき、「この人とは話が合わない」と思って諦めてしまったり、あるいは「この人は間違っている」と感じて自分と同じ考えに変えようとしてしまったりするかもしれません。
しかし、ここで相手を否定するのではなく質問してみることで、良好な関係を作るだけでなく、自分の視野を押し広げることにもなるはずです。
自分の当たり前と違うとき、自分が大切にしている価値観を否定されたように感じたとき、相手の意見が世間一般とずれているように感じたとき・・・。
そんなときは、
「それってどういうことなんですか?」
「どうしてそういう風に考えるようになったのですか?」
「どうしてそのように考えるのか、知りたいです」
と聞いてみましょう。
このとき気を付けなければいけないのは、相手を責める意味合いを持たせないようにすることです。
相手を問い詰めるのではなく、あくまで相手の考えを知りたい、理解したいと伝わるよう、表情や声のトーンに注意してください。
相手の考えを聞くことができたら、それを否定しないようにしましょう。
自分の意見を伝えるときも、相手は間違っているとして伝えるのではなく、
「そのように考える理由が良く理解できました。私は、○○というように考えています。何故なら~」
というように、あくまで相手の意見、価値観は受け入れた上で伝えるようにしましょう。
コミュニケーションで大切なのは、相手と自分を同じ考え方にすることではなく、違うことを受け入れ、その間を埋めていくことです。
意見や価値観に、絶対の正解はありません。
自分と違う考えを持つ人がいたら、「この人と自分は違う」と敬遠してしまうのではなく、質問によって理解するよう努めてみてください。