就活SST「コミュニケーションとは」

就活SST

現在、高田馬場の就労移行支援事業所 リスタートでは、リモートによるプログラムを行っています。

今日は、就活SSTのプログラムを行いました。

SSTは、在宅向けに課題という形で個々で進めていましたが、こうして講座の形で行うのは久しぶりなので、基本中の基本となる「コミュニケーションとは何か」という点についての話をしました。

コミュニケーションとは

さて、コミュニケーションという言葉からみなさんが思い浮かべるのはどんな行動でしょうか。

一番簡単なのは、言葉によって話し合っている場面かと思います。

または、口頭ではなく、メールやSNS、手紙などを使ったコミュニケーションもあるかもしれません。

では、コミュニケーションに、こういった「言葉」は必須のものなのでしょうか。

次の場面を思い浮かべてください。

Aさんは、家で家族と喧嘩をしてきてしまい、イライラしています。

Aさんに話しかけようとしたBさんですが、Aさんの表情や仕草からイライラしているのがわかったので、心配しつつも声はかけませんでした。

さて、この場面では、AさんとBさんの間に会話はありません。

それでは、ここにコミュニケーションはなかったのでしょうか。

結論から言えば、この2人の間にはコミュニケーションが”あった”と考えます。

なぜなら、言葉としては何も伝えていなくても、AさんからBさんに「イライラしている」という情報が伝わり、それによってBさんの行動が「声をかけない」というものに変化しているからです。

このように、言葉を発していなくとも、複数人の人間が存在している時点でそこにコミュニケーションは成立するということができるのです。

言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーション

コミュニケーションは、大きく「言語的コミュニケーション」と「非言語的コミュニケーション」に大別することができます。

言語的コミュニケーションは、言葉による情報のやり取りです。

言葉によって情報を伝えるため、自分の伝えたい情報をそのまま伝えやすいのが大きな特徴です。

それに対して、言葉以外による情報のやり取りのことを非言語的コミュニケーションと呼びます。

代表的な非言語的コミュニケーションは以下の通りです。


1.顔の表情
2.声の高さ、大きさ、テンポ
3.動作、しぐさ
4.目の動き
5.姿勢
6.相手との距離
7.服装

これらの要素は、ただ相手が見る、聞くだけで情報を発信します。

例えば、若い女性がスーツを着て、お茶をお盆に乗せて運んでいたとしましょう。

この女性が何も言わなくとも見た人は「この人は会社に所属していて、現在その会社には来客が来ているんだな」といった情報が伝わるでしょう。

さらに、この女性が入室するときに声がうわずっていたりしたら、「緊張しているのかな?まだ入って日が浅いのかもしれない」なんて感じるかもしれません。

このように、言葉にせずとも様々な情報が伝わるのが非言語的コミュニケーションの特徴なのですが、ここにはある落とし穴があります。

ある一人の男性が道を走っているのを見たとします。

このとき、Aという人は、「ダイエットのためにジョギングをしているんだな」と思いました。

しかし、同じ光景を見たBという人は、「集合に遅れそうで急いでいるんだな」と思いました。

さて、このどちらが正しいのでしょうか。

正解は・・・この男性にしかわかりませんね。

非言語的コミュニケーションの最大の特徴は、その情報の意味を解釈するのが受け取り手である、ということです。

そのため、同じものを見ても、あるいは聞いても、それがどういう意味を持つかは受け取り手が決めてしまうのです。

そのため、非言語的コミュニケーションは、非常に誤解が生まれやすい情報伝達の手段であるということができます。

大切なのは言語と非言語を一致させること

コミュニケーションには、「言語的コミュニケーション」と「非言語的コミュニケーション」の2つがあるとお伝えしました。

コミュニケーションをする上で大切なことは、これらの2つを”一致”させることです。

先ほどの走っている人の例で、この人が「あと10kgは痩せないと」なんてこぼしていたら、ダイエットなのだとわかります。

あるいは、「このままじゃ遅刻しちゃうよ」なんて言っていたなら、集合に遅れそうで急いでいるのでしょう。

このように、言葉による補足が加えられることで、メッセージが誤解なく伝わりやすくなります。

また、言葉で謝っていたとしても、表情がニヤニヤしていると相手は「これは本心ではない、馬鹿にしている」というように感じてしまいます。

そのため、言葉の内容と、表情や声などの言葉以外の情報を一致させることで初めて、誤解なく相手に情報を伝えることができるのです。

 

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