自分の人生を支配している「思い込み」 ⑫ ~悩みの原因から思い込みを探す~
就労移行支援事業所 リスタート では、毎週金曜日に自己分析講座をやっています。
自己分析講座では、「自分を知り、人に説明できるようになること」と、「自分で自分にかけてしまっている『制限』に気づき、苦手を克服すること」の2点を軸に分析を進めています。
ここでは、自分について知り、『制限』から抜け出すために、「思い込み」というものについて考えていきたいと思います。
悩みの原因から思い込みを探す
前回、思い込みのチャート図を使い、悩みの原因を探すところまで行きました。
「仕事でなかなか結果が出ない」という悩みに対し、
→「入社したばかりで未熟だから」→「未熟なのは場数を踏んでいないから」
と分析することで、「場数を踏んでいない」から「仕事でなかなか結果が出ない」というように、悩みの原因を見つけることができました。
これで終わり・・・と言いたいところなのですが、実はこの段階ではまだチャート図は終わっていません。
なぜなら、悩みの原因が見つかっても、そこに潜む”根源的な思い込み”を見つけることができていないのです。
悩みの原因に突き当たったら、そこから以下のポイントに注目してみてください。
思い込みを見つけるポイント
・表に出ている理由・根拠の裏に隠された重要な問題はないか?
・もっと具体化・明確化した表現にできないか?
・とくにそう感じる場面・状況・条件はあるか?
・そう思う根拠となる事実は何か?
・真相とは違うかもしれないが、仮にほかの可能性を考えるとすると、どういう根拠が挙げられると思うか?
先ほどの、「場数を踏んでいない」という悩みの原因について、更に見ていきましょう。
この裏に隠された重要な問題はないでしょうか?
そうすると見えてくるのが、そもそも「なぜ場数が踏めていないのか」という問題です。
この問題が見てきたことで、さらにチャートを続けることができます。
「なぜ場数が踏めないのか」→「場数を踏むと失敗するかもしれないから」→「失敗したくないから」→「失敗するくらいならやらないほうがマシだから」→「失敗は避けられるなら避けるべきものだから」→「失敗してはいけないと親や先生に言われてきたから」
このようなチャートになったのであれば、「仕事でなかなか結果が出ない」ことの根本的な原因は、「失敗することへの過度な恐れ」であることがわかります。
さらに、このチャートを作る中で、「小学生の頃にみんなの前で発表しようとして大失敗してしまった」など、このような考えが作られる原因となった過去の経験や記憶も浮かんでくるかもしれません。
ここまで来たら、最後にこの根本的な原因が思い込みであるかどうかを確かめる必要があります。
そのための方法として、まずは自分がその考えをどれくらい確信しているか、数値にしてみてください。
「失敗するのはひどく恐ろしいことだ」という考えを、どれくらい事実だと感じているのでしょうか。
絶対にそうだと思うなら100%として、パーセントの形で表現してみましょう。
もしもここで確信度が50%未満だったならば、その理由は自分の中に根付いた考えというより、偶然のものと考えられます。
それであれば、すぐにでも「これは偶然であり、決まっていることなどではない」と考えてしまってよいでしょう。
確信度が50%以上であったならば、さらに以下の問いをしてみてください。
・「これは当然のことだ」という思い込みがないか
・世間で決まっているからそうなのだ、という思い込みがないか
・自分のこだわりによる思い込みはないか
確信度が50%以上あったとしても、明確な根拠や理由のない考えはすべて「思い込み」です。
今回の例においても、過去の失敗経験から作り上げた「失敗するのはひどく恐ろしいことだ」という思い込みが出発点となって自分の行動を制限していたということがわかります。
これを見つけることができたことで、チャート図の作成は成功したと言えるでしょう。