ワンランク上の感情ケア ~その5 怒りの伝え方~
目次
怒りを感じたらやるべきこと
家庭でも職場でも、学校でもプライベートでも、怒りというのはどこでも発生します。
しかしそれを衝動的にぶつけてしまうと、周囲の人への印象は悪いものとなってしまいますね。
自分がしっかりクールダウンできる方法を探して、衝動的にならずに済むようにしておきましょう。
クールダウンの具体的な方法は前回の記事をご覧くださいね。
今回は、怒りの解決方法をマスターしたらぜひ試してみたい、「上手な伝え方」をご紹介します。
伝わる! 対人関係を壊さない伝え方
対人関係が壊れる原因は?
衝動的に、怒りというエネルギーに任せて伝える。
これはNGですね。
相手に怒りを伝えなくてはいけないと、やはり爆発しやすいのです。
失敗すると、子供っぽいとか、短気だなどと思われて対人関係が壊れていってしまいます。
さらに自己嫌悪になることもあるでしょう。
今回ご紹介するのは、関係性を壊さない、関係性を築いていくための伝え方です。
ただ、しっかりクールダウンできていないと感情的になってしまうので、クールダウンの方法はしっかりマスターしておきましょう。
Describe:客観的に状況を説明する
よくあるのが、主観的な説明。
- ○○すべきじゃない。 / ○○すべきなのに。
- ○○なんて、ありえない。
これは、全部自分の思い込みで主観です。
主観で状況を伝えると、相手は反論してくるでしょう。
それがさらに怒りにつながり、解決しません。
一方、客観的な説明とは、感情や思い込みを伴いません。
- 待ち合わせは○時。 / ○枚の資料をお願いした。
具体的な数字・データや、事実のみを伝えます。
Explain:主観や気持ちを説明する
客観的な状況説明のあとでなら、自分の気持ちを話しても受け入れてもらいやすいもの。
- × 間に合わなかったら、嫌でしょ?
- ○ 間に合わないと、私はイライラします。/ ○○すべきなのに。
- ○○なんて、ありえない。
ただしここでは、相手を主語にしません。
相手を主語にすると反論が来ることもありますので、あくまで自分の気持ちを表現します。
Suggest:解決策を提案する
客観的な事実、自分の気持ちを踏まえ、相手にどうしてほしいのかを述べます。
- × しっかりして。
- × 言うことを聞いて。
相手を思い通りにするためのものではないので、必ず実現可能な方法を示しましょう。
- ○ こういう状況のときは、○○してもらえる?
- ○ 代わりに、○○という手段はどう?
Choose:選択する
こちらの提案が、必ずしも通るというわけではありませんね。
もし提案に納得してもらえなかった場合の、代替の選択肢も用意しておきましょう。
- 別の人に相談してもらう。
- 違うタイミングで話してみる。
このDESCが上手に使えるようになると
D:いつも私だけに依頼される。
E:自分の時間がとれなくなるので、ストレス発散できずイライラする。
S:突然ではなくて、早めに相談してくれない?
C:得意分野が違うから、他の人に相談してみてくれない?
この方法が上手に使えるようになれば、様々な人との対人関係が良好になります。
怒りがあるときだけでなく、悩みがあるとき、不安なときでも適切に、自分の気持ちを伝えながら話せるからです。