繊細で真面目な人のメンタルケア講座 ~相手が言うことを聞いてくれない②~
相手が言うことを聞いてくれない
- 部下が指示通り動いてくれない。
- 子供に言うことを聞いてほしい。
- 悩みを解決するアドバイスをしたのに、実行してくれない。
職場でも、自宅でも、友人関係でも、こんな経験はありませんか?
せっかく相手のためを思ってアドバイスしたのに。
今後のことを考えた指示なのに。
受け入れてもらえない理由を、前回解説してきました。
今回は対処方法を考えてみましょう。
イライラ・モヤモヤを解消しよう
課題を明確にする
前回解説した通り、いくら相手のためであっても「指示」「命令」であれば相手は動きにくいもの。
- あの仕事をやっておいて。
- 宿題をやりなさい。
- こうしたほうがいいよ。
どれも、行動するのは相手なので、実行しないで困るのはあなたではありません。
もし、実行しないで困るのがあなたなのであれば、それはあなた自身がまず先に実行すべきことです。
ただし、請け負っている仕事や時間の都合でどうしてもあなた自身が動けない場合もあります。
その場合、指示や命令の形ではなく、伝え方を慎重に選び、代行してもらう必要があります。
反発を防ぐ伝え方:命令・お節介をふせぐ
指示・命令だと、どれだけ相手のためを思ったものであっても、相手が「実行しないで困るのは自分」とわかっていても、なかなか動いてくれません。
そういう時は、伝え方を変えてみる、つまりあなたからのアプローチを変える必要があります。
自分の問題に過干渉されるため反発が起こりますが、あなたの「指示」の主語が相手だから、相手は過干渉に感じるのです。
宿題をやりなさいという指示は、宿題をする本人の問題への命令だから反発が起こります。
宿題をきちんとやってくれれば私は嬉しい、と主語を「自分」に置き換えることで、本人に命令することなくあなたの願望を伝えられます。
あの仕事をやっておいて、という命令も、仕事を実行する本人へ押し付ける形では反発になります。
あの仕事を手伝ってもらえたら嬉しい、と置き換えます。
アドバイスも、実行したあなたのほうが素敵だと思う、という伝え方のほうが相手に受け入れてもらえるのです。
本人の意思次第:時間間隔
アドバイスなどでは、どれほど利点を説明しても受け入れるのに時間がかかる場合もあります。
強制することは相手の人格・時間を否定することですから、対人関係のためにもしないでおきましょう。
今すぐやってほしい、という気持ちもわかりますが、性格や行動など相手をすぐに変えることはできません。
相手自身が心から望むから、相手は実行するのです。
実行するかどうかは相手が望むかどうかだということを、心にとめておきましょう。
そのために、あなたは相手のための時間を作ったり、役立つ情報を教えてあげたりしましょう。
しつこすぎるのも、相手の問題への過干渉ですので反発を招きます。
押してダメなら、というように一度その話をやめてみるのも効果的ですし、少し待つという戦略も賢いのです。
過干渉に感じる:快適さをアプローチ
- 宿題をやらないと、怒られる。
- 宿題をやれば、ゲームができる。
どちらの捉え方のほうが、宿題のモチベーションになるでしょうか。
やらないと怒られる、という回避型の動力よりも、やれば楽しみが待っているという動力のほうが積極性を持てます。
人は、不快なことを避けるよりも、快適なことを求めるほうが動力があるのです。
しかし、焦っているときや、相手の動かし方がわからない人は、つい「回避型」で相手におしつけます。
あの仕事をやっておいて、というのも、さもなくば後々苦しいぞ、という言葉を含み「回避型」を押し付けています。
これを相手は、過干渉だ、うざったい、望んでもいないのに、と感じてしまうのです。
願いを伝えるときは、相手が「快適」になれるような伝え方をしたほうが効果的。
やっておけば来月は少し楽になる、やっておいてもらえたら残りは自分が引きつぐ、と相手が行動しやすいように導くのです。