就活SST「人に伝えるテクニック」
就活SST
現在、高田馬場の就労移行支援事業所 リスタートでは、リモートによるプログラムを行っています。
今日は、就活SSTのプログラムを行いました。
在宅の期間中も主に課題をこなすという形でSSTは続けていましたが、講座でのSSTは間が空いていたため、以前の復習を進めています。
今回は、人に何かを伝えるときのテクニックについて考えました。
人に伝えるテクニック
前回のプログラムでは、「人に何かを伝える」ときに一番大切な、言いたいことの「核」についての話をしました。
情報を解釈するのは常に受け取り手であるために、伝えたつもりの情報がそのまま伝わらず、誤解が生まれてしまうことがあります。
そこで、自分の伝えたい「核」となる部分はぼかさず、そのまま伝える必要がある、という話でした。
今日は、核を明確にするということ以外で人に誤解なく伝えるための方法について考えました。
相手に合わせた例を挙げる
“たとえ”を使うというのは有効な方法です。
人はそれぞれ、経験や価値観が異なっています。
解釈は、そうした経験や価値観の影響を受けて行われるため、異なる価値観を持つ相手や、自分と同じような経験を持たない相手に対しては、特に伝えたい情報をそのまま伝えることが難しくなりがちです。
そのようなときに活躍するのが”たとえ”です。
相手にもわかる事柄を使った例を挙げることができれば、相手も理解しやすくなり、誤解を防ぐことができます。
具体的に伝える
抽象的な表現は、相手に解釈を任せるための表現です。
あえてそのような言い方をするときはそれで良いのですが、誤解なく情報を伝えたいのであれば、可能な限り具体的な言い方をするように心がけましょう。
具体的に伝えるためには、数値を使うという方法があります。
例えば、「今日は人がほとんど来ませんでした」と報告を受けたとしたら、すごくネガティブな印象を持つかと思います。
しかしこれが、「今日来た人数はおよそ〇人くらいでした」という報告であったならば、「それくらいなら問題ない」と別の印象を持つかもしれません。
また、何かを頼みたいときにも具体性を意識するのは重要です。
「主体的に動いてね」と頼まれても何をどうすればいいかわからないという人でも、「わからないことがあったら、教えてもらうのを待つのではなくて、自分から聞きに来てね」と言われたのであれば、その通りに動きやすいのではないでしょうか。
主観と事実を分ける
報告をするときなどに重要になるのが、自分の”主観”なのか、実際に起きた”事実”なのかを切り分けるということです。
例えば、「お客様が私の提案をすごく気に入ってくれていましたので、採用されるでしょう」という報告があったとします。
この報告では、「提案をすごく気に入ってくれた」というのが、何か根拠があってのことなのか、主観的にそう感じたというだけなのかわかりません。
もしもこの報告をしたことで採用されることを前提に動き出してしまったとしたら、あとあと大きなトラブルになる可能性もあります。
「お客様が、今回の提案はニーズに合っていると言ってくださいました。これは私の主観ですが、商談の感触は良く、採用していただけるのではないかと思いました」
というように、事実としてあったことと解釈を分けて話すことで、誤解を防ぐことができます。
簡潔に伝える
言い辛いことがあるときなどに、ついつい核心に触れずに長々と話してしまうという経験はありませんでしょうか。
話が回りくどくなっていってしまうと、それだけ相手に解釈の余地が増えてしまうために、伝えたいことがそのまま伝わりづらくなっていきます。
また、中々結論に辿り着かない話を聞いているとだんだんとイライラしてきてしまうという人は多いと思います。
話はできるだけ簡潔にすることが、伝えたい”核”を誤解なく伝えるコツです。