自己分析「基本的構え」
自己分析講座
現在、高田馬場の就労移行支援事業所 リスタートでは、リモートによるプログラムを行っています。
自己分析のプログラムでは、人生をグラフにして分析を行いました。
4つの基本的構え
今日は、人それぞれが持っている、人生に対する「基本的な構え」についてです。
言い換えるならば「人生の土台」や「世界の捉え方」とも言えるこの構えは、人との関わり方に大きな影響を与えます。
基本的構えは、「自分」と「相手」をそれぞれ「肯定するか」「否定するか」という2つの軸で構成されます。
主に親との関係によって作られていく「禁止令」によって、何が「OK」で何が「NG」なのかを組み上げていくことで構えが作られます。
今回は、4種類の基本的構えについて紹介していきます。
「わたしもOK」「あなたもOK」
自分のことも相手のことも肯定する構えです。
相手のことを尊重しているために他者の気持ちに素直に共感できる一方で、自分に自信があるために他者に惑わされることなく、自分の望む方向に進むことができます。
いわゆる「アサーティブ」な自己表現によって、相手のことを大事にしつつも自分の要望を伝えられるので、4つの構えの中で最も充実した人生を送りやすい構えでもあります。
持っている禁止令は適度なもので、自分の行動は制限しないものの、他者に悪影響を及ぼすことのない行動を選ぶことができます。
「わたしはNG」「あなたはOK」
自分に対しては否定的なものの、他者に対しては肯定的な構えです。
「私は大した人間ではない」「周りはすごい人ばかりだ」というように、自分と他の人間を比較し、自分を貶めようとする傾向があります。
この構えは、大きな期待に応えることができなかった体験から作られていることがあります。
例えば、受験に失敗したことで親の期待を裏切ってしまったと感じ、「自分には能力がない」「自分はダメなやつだ」と思ってしまったことでこの構えが形作られた、といった例が考えられます。
大きな失敗があったわけではなくとも、自分の行動や判断が失敗に繋がったり、認めてもらえないような経験から作られていく構えと言えます。
この構えの大きな特徴は、自己評価が低く、あらゆることをマイナスに捉えてしまうことです。
この構えを持つ人は、チャンスがあっても「どうせ自分じゃダメだ」と挑戦しなかったり、もしも挑戦したとしても「きっと失敗するだろう」と考えてしまったりしています。
そして、挑戦しなかったことでチャンスを逃したと落ち込んだり、いざ挑戦しても「失敗する」という不安から実力が発揮できずに実際に失敗し、やはり自分はダメなのだと構えを強化していってしまうのです。
また、せっかく結果を出せたとしても、「あの人のほうがもっとすごい」と考えるなどして、自分から達成感や満足感を遠ざけてしまいます。
「わたしはOK」「あなたはNG」
自分に対しては肯定的だが他者に対しては否定的な構えです。
自分と違う価値観や考え方を持つ相手を見たときに、「自分は正しい」「だから相手は間違っている」と考えてしまいます。
そのため、自分の考えに合わないものや意見の合わない相手を攻撃し、無理矢理自分の思うように変えようとしてしまうのです。
また、自分が正しいということを証明するために、他者の失敗や欠点をあら捜しして攻撃しようとすることもあります。
「これをしてはいけない」という禁止令は、過剰にあれば自分を縛るものとなりますが、少なすぎるとこの構えが構築されてしまうかもしれません。
「わたしもNG」「あなたもNG」
自分のことも、他者のことも肯定できない構えです。
他者のことは信用できないものの、だからといって自分の考えが合っているという自信もないため生きることが辛くなってしまいます。
どのように人と関わっても辛くなるために人間関係を遠ざけてしまう場合もあれば、自分も大多数の人間も信じられないがこの人のことは信じられる、と特定の誰かに強く依存してしまう場合もあります。