自分を受け入れるということ
人は、他の人に自分のことを受け入れてもらいたいという欲求を持っています。
自分のことを受け入れてもらえると安心感や良い印象を持つ一方で、拒絶されれば傷ついてしまいます。
しかし実のところ、一番大事なことは、人ではなく、自分で自分を受け入れることなのです。
もしも自分で自分を拒絶してしまえば、それは悩みの原点となり、そこからさまざまな不快な感情が浮かんできてしまいます。
この記事では、「自分を受け入れる」ということについて考えていきたいと思います。
自分を認めることは、人を認めること
若いころ、運動が得意だった人でも、歳を取るにつれてだんだんと以前はできていたことができなくなってしまいます。
そんなとき、ありのままの自分を受け入れている人は、現在の自分と若者を比べ、落ち込んだりはしません。
運動をしている若い人を見たら、「君、いいね!」と褒めることで相手を受け入れることができます。
一方で、もしも自分のことを受け入れられていなければ、「自分だって昔はできたのに、なんであんなやつがちやほやされるんだ!」というように、相手を受け入れることができなくなります。
自分を受け入れて生きていれば、他の人のことも認め、受け入れることができるようになるのです。
別の例を出してみましょう。
歌手になりたいと強く思っているにもかかわらず、歌が上手くない人は、強い劣等感を持ってしまうかと思います。
一方で、同じく歌が上手くなくても、歌うのが好きで、楽しんで歌っている人は、歌が上手い人に対して劣等感を持つことはありません。
なにも、歌がうまくなければ歌手を目指してはいけないと言いたいわけではありません。
また、劣等感があっても、それをより上手くなるためのエネルギーにできるのであれば、問題はないでしょう。
しかし中には、今の自分自身を受け入れられないために、自分が持たないものを求め、それを持つ人を妬んでしまう人がいます。
「ありのままの自分自身には価値がない」という思い込みは、多くの場面でネガティブな気持ちに繋がってしまいます。
こんな話があります。
ある40代の女性が恋をしました。
相手の男性とは両想いで、良好な関係を築いていました。
しかしこの女性は、「相手は若い女性の方が好きに違いない」という思い込みから、無理して自分を若く見せようとします。
その無理が祟り、関係は徐々に悪化していきついには関係が終わってしまいました。
・・・これは、「ありのままの自分」を受け入れられていなかったがために起きてしまった悲しい出来事です。
相手の男性は、ありのまま、40代のその女性に好意を持ったのだから、無理に変わる必要などどこにもなかったのです。
ありのままの自分を受け入れ、「これでよいのだ」と思えるようになれば、今よりずっと生きやすくなるはずですよ