認知行動療法講座「問題解決を目指す」

新聞読解「水道料金値上げは不可避?」

以下、記事の要約です。

首都圏では水道料金引き上げを検討する動きが広がっているそうです。
需要減による料金収入の減少や老朽化設備の更新に伴うコスト増加で現行の料金体系は限界を迎えつつある。抜本的な見直しは待ったなしの状況だ。
今後は人口減少による需要減も見込まれ、浄水場の再整備コストも必要になりそう。

この記事に対する利用者さんの意見・感想

  • 自治体の動きにばらつきがある。
  • 値上げの反対署名には驚いた。
  • 家庭での節水がまず先。
  • 設備を維持するためには必要な値上げ。

今後も適切な値段で提供して欲しいですね!

認知行動療法講座

これまでは、主に認知を見直すための方法について話してきました。

利用者自身のコラムを作る練習まで終わったところで、今後は行動面についての話をしていきたいと思います。

落ち込み、不安、イライラなど、ネガティブな気分が浮かぶのは自分の認知が原因である、というのがこれまでの話でした。

一方で、そのような認知が浮かぶ元となってしまった問題については、認知を変えるだけでは解決しません。

そこで、問題の解決を目指すためには、コラム法で作った適応的思考に基づき、行動を起こしていく必要があります。

問題の解決を阻害する自動思考

いざ問題解決に取り掛かろうとしても、そう簡単には取り掛かれないことがあります。

そのようなときには、行動を妨げるような色々な自動思考が浮かんできているものです。

前回まででやってきたコラム法によってそのような自動思考に対処していくことができるほか、以下の例のように頭の中に浮かんでいる思考に直接反論してみても良いでしょう。

問題に取り組み、解決することを妨げる自動思考の例

「こんなことが起きて大変だ」

起こってしまった問題のことで頭がいっぱいになり、他に目が向かない『心のフィルター』の歪みが出てしまっているようです。

「問題が起きるのは当たり前だ。これを乗り越えることで自分は成長できる」といったように、乗り越えた先に注目するなどしてネガティブな状況以外の存在を意識してみましょう。

「どうして自分にだけこんなことが起きるのだろう」

自分が直面している問題を『過大評価』、他の人の抱えている問題を『過小評価』してしまい、実際に起きている以上に困難さを感じてしまっています。

「起きたことは事実だ。身の上を恨んでも何も変わらない。どう対処していくかが大事だ」といったように、問題の大きさを嘆くのではなく、行動することに意識を向けていく必要があります。

「自分にはどうすることもできない」

この先どうなるかを決定する根拠はどこにもなく、どうすることもできないというのは『先読みの誤り』による思い込みであると言えます。

「挑戦する前に諦めたら何も解決しない。やってみなければわからないし、どんな問題にも解決策はあるはずだ」といったように考え、挑戦してみることが大事になるでしょう。

「辛くてどうしようもない」

“辛い”という気持ちから現状を「どうしようもない」と判断してしまうのは、『情緒的な理由付け』です。

「どうしようもない根拠などどこにもない。辛いという気持ちがあるから、問題に気づき解決できるのだ」といったように考えられれば、解決のための行動に踏み出しやすくなるのではないでしょうか。

「すぐに取り掛からないと大変なことになる」

ここまでの例と違って積極的に問題解決のために行動しそうに見えますが、実はこの考えも行動を阻害してしまう考えです。

なぜならば、「すぐにやらないといけない」という考えが強すぎるあまりに、「問題を一気に解決する方法」や、「短時間で解決する方法」を探そうとしてしまうのです。

実際には、問題はひとつひとつ解決していく必要がありますし、ひとつの問題にじっくり取り掛からなければいけない場面もあるでしょう。

『べき思考』のために、存在しない選択肢を追い求め、結果として焦りが増すばかりで何も動けない状態になってしまうのです。

「焦っても問題は解決しない。急がば回れ。まずは何が問題なのかをはっきりさせよう」といったように、問題を分析し、少しずつでも動いていく必要があるでしょう。

 

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